マガジンのカバー画像

すこし詩的なものとして

164
言葉を書き留めていきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

[すこし詩的なものとして]0167 忘れないための生と

薪をくべるその後に 点火のための余白が見つからない ラジオの音は たゆたう言葉の形を失い 音…

ケンヨウ
2週間前
19

[すこし詩的なものとして]0166 梅雨はなにかの諦めのように

カーテンの隙間に見える 目前に迫る梅雨は なにかを諦めたかのように 湿った衣を羽織っている …

ケンヨウ
1か月前
13

[すこし詩的なものとして]0165 鏡に映るパズル

鏡に映る自分を見つめる 確かにそこに自分がいる けれども何かが足りない 説明できないそれ …

ケンヨウ
2か月前
21

[すこし詩的なものとして]0164 ダンスには間に合うだろう

めくるめく夜は 誰かを待っている きっとそれが僕であっても それが君であっても ダンスホール…

ケンヨウ
2か月前
24

[すこし詩的なものとして]0163 結局、寒いままで

結局触れたいのは 自分だと気づいた 君が嫌そうな顔をしているのに 気づいていて 気づいていな…

ケンヨウ
2か月前
15

[すこし詩的なものとして]0162 夜明けに酔いながら

街の灯りがすでに消え 包まれた闇にぼくらは畏れる 静寂はゆるりゆるりと押し寄せて 胸の奥に…

ケンヨウ
3か月前
25

[すこし詩的なものとして]0161 春の午後

柔らかい陽射しが降り注ぐのは 古びた板の上 まどろいが包む 窓辺に揺れるカーテン 風に揺れる草木 鳥はさえずり 遠くで小さな子たちのはしゃぐ声 思考は止まり 目を閉じ ぼんやりと心地よい眠りに誘われる 光と影のダンス 追いかけても追いかけても掴めないのは何か それでも生きた心地 ふと目を開けると 庭のたどりついた一枚の花びら もも色の花びらは風に舞っている わたしの背中にそっと触れる なにかの香りは季節を運ぶ 人は忙しく動き回り なんのために生き急ぐのか いつも何か足

[すこし詩的なものとして]0159 幸せな午後

太陽が昇った 静けさは眠りから目覚める 世界はまだ眠ったままか 窓辺から世界を見る 静かに…

ケンヨウ
3か月前
29

[すこし詩的なものとして]0158 路をゆく

枯葉舞う公園のベンチ 静寂に包まれた 冬の陽射しはとても冷たく 頬を刺す風は容赦ない 街は…

ケンヨウ
4か月前
24

[すこし詩的なものとして]0157 冬の真夜中

凍てつく夜空に 冴え渡る月 静寂に包まれた街 街灯に照らされた雪 誰もいない公園 ブランコが…

ケンヨウ
4か月前
27

[すこし詩的なものとして]0156 孤独は影に隠れて

夜中の静寂に ひとりでベッドに横たわる 窓の外には 満月だろうか いや少し欠けている月が ぼ…

ケンヨウ
4か月前
29

[すこし詩的なものとして]0155 さざなみ

なんだろう たまに急に 乾いた気がする かさかさに 潤いがなく 怒りっぽい 海に行くと やけに…

ケンヨウ
4か月前
30

[すこし詩的なものとして]0154 轍の上に落ちて溶けゆく

気がつくと 枝から何羽ものカラスが 飛び立っていった 遠くの空へ向かって 羽ばたいて 瞳に映…

ケンヨウ
5か月前
27

[すこし詩的なものとして]0152 月の実り

履き慣れた靴の感触に囚われて 壊れて捨てようとしても 約束したわけではなく どうしても手放すことができないでいる 見もしない腕時計は 手首に時を刻んでバラバラになっていく でも手放さないでいる理由 それはなんだろうか 人が急いで家路に向かう コンビニから慌てて人が出てくる なんて美しい光景か 季節は一層に深まっていく 見上げると まんまるな月が 幾重にも幾重にも 大きくなっていく でもそれは満たされているのとは違う何か 例えば 犬の遠吠えが夜中に聞こえて 静かな眠りが