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育児あれこれ~娘が社長で私が専務、夫ヒラ~

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育児のトレンド、問題点、楽しさ、ハックなどの考察をつらつら。 また、ワーママ2年生として2016年7月生まれの娘との日々、夫とのツーオペ育児、夫婦のパートナーシップについて個人的…
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#エッセイ

夜を捕らえる

夜を捕らえる

2歳半の娘は夜更かしキッズだ。
平日は保育園で2~3時間グッスリ昼寝をしてくるので、夜中近くまで起きている日もある。

ちなみに目覚めるのは7時。
むごいときは5時半。このむごさたるや、伝わるだろうか。

そんな、むごめの朝。
玄関マットの上に、お風呂遊び用の金魚すくいのポイ(アミみたいなやつ)と、おままごとのバナナがおいてあった。

パパッと片付けてしまってもよかった。
しかし、ふだんは浴室のオ

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大遅刻だよ、サンタさん。

大遅刻だよ、サンタさん。

私の実家は「サンタクロースのこない家」だった。

毎年プレゼントは買ってもらえたが、それはオモチャ屋さんやデパートでレジに並んで手に入れたもので、起きたら枕元にプレゼントが…という体験は一度もしたことがない。

「いずれバレる嘘をついても意味がない。親が買ってやったものをサンタの手柄にされるのも癪にさわる。」
物心がついたときには、すでにこう説明されていた。

私にとってサンタクロースは、

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「待つ時間」もたった一度の"今日"なのだけど

「待つ時間」もたった一度の"今日"なのだけど

今年のはじめに引いたはずの「おみくじ」の内容を、まったく思い出すことができない。

おみくじはすごい。
既存の紙コンテンツで、あんなにも断定情報だらけのものは多くないし、何千倍もの紙面積とカラー印刷、デザイン性を携えた雑誌が600円でなかなか売れない中、ぴら1枚のおみくじは、200円でバンバン売れる。

「神様の近くで巫女さんから購入すること」に価値があるので、オンラインサービスに押される気配も、

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知られざる新生児育児の"地味ショック"

知られざる新生児育児の"地味ショック"

私はなにをするにも、「見通しのないこと」が苦手だ。

遠足や運動会では、しおりを熟読して、1日のスケジュールをきちんと把握しておきたかったし、家電を買ったら説明書を読みこんでから電源を入れるし、ドラクエでは皮の装備シリーズがすべて揃うまで、はじめの街を出たくない。

なので妊娠してから、出産に関してはもちろんのこと、その後の育児で起こりうる、様々な「想定外エピソード」を収集していた。

新生児のオ

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産後の抜け毛に、夫がひとこと。

産後の抜け毛に、夫がひとこと。

髪の毛というものは、恋人の頭についている時は、こんなにも愛しいのに、床に落ちた途端、おぞましいものに変わるのは、なぜだろう。

大学生の頃、辞書を片手に読んだフランス人作家の小説に、こんな一文があったことを覚えている。

詩的でなめらかな文であったのに、その生活感あふれる描写がとても気に入り、当時愛用していたルーズリーフバインダーの裏表紙に、原文を書き写して持ち歩いた。

私はこの作家の感性に、こ

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「保活」という名の消耗戦

「保活」という名の消耗戦

10月。
秋口、と呼ばれるこの季節は、私にとって、何ら不穏のない時期だった。

かぼちゃ味のスイーツを買ってみるハロウィン
ロンT1枚で出かける休日
読書の秋を言い訳に、ついつい多めに買う書籍
ちょっとだけ奮発する、夫の誕生日

ささやかながらに心地よい温度を守っていた私の10月は、産後、まったく知らなかった暗い顔を、新米母に突き付ける。

旧暦では神無月。
まさに神も仏もない、苦しく長い闘い

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パパしかできない、母乳育児

パパしかできない、母乳育児

ここ数年で育児に主体性を持つ男性がグンと増え、妻に任せきりじゃありません、父親なのだから、当然なんでもやってます、という夫婦二人三脚型の子育てが珍しくなくなった。

しかし、そんな育児パパたちがよく口にする言葉に、私は少しひっかかりを持っている。

「育児、なんでもやりますよ!授乳以外はね!!」

授乳。
定義的にはミルクも含まれているが、おそらくパパ達がこう話す際の授乳は、直母乳のことを指して

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お子様ランチに時計はいらない

お子様ランチに時計はいらない

私は食べることが大好きだ。
自分で料理を作ることも好きだし、食べ歩きやお店の開拓も好きなので、週に1度は家族で外食にでかける。
これは大きな息抜きであり、週末スイッチを入れる大切な儀式だ。

2歳の娘も私に似たのか、とにかく食べることが大好き。
パン屋さんの前を通るとガラス窓に張り付くので、日本のパン屋さんのガラス張り店舗率の高さを、私に気づかせてくれる。

1歳前後から外食先でお子様ランチを注文

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夫の一番ながい日 ~あのとき、「父親」になりました~

夫の一番ながい日 ~あのとき、「父親」になりました~

私の夫は陽気な男で、いつでも「今」を生きている。
禅的な深い意味ではなく、過去にこだわらず、未来をさして気にせず、「いま」を楽しむ選択肢を、もろもろのしがらみや抑制を無視してチョイスすることができるのだ。
態度はいたってチャラっとしている。

具体的にあげると、
めちゃくちゃヒドイ二日酔いに苦しんでも、「もう飲みすぎないぞ!」とはならず、
「楽しくなったら飲みたいだけ飲んじゃう~!アゲ~!」な思考

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手のひらに、きみを刻む。

手のひらに、きみを刻む。

娘が2歳になった。
新生児だった娘とすごしていた時、いずれはこの小さな命が、歩き、はなし、意思をもったひとりの人間として、この世界に参加する日がくるなんて、そんなのウソみたいだと思っていた。

もちろん知識としては知っている。
生きていけば、身体も脳も成長して、新生児から赤ちゃんに、赤ちゃんから幼児に、そして少女になり大人と同じ大きさにもなるはずだ。

「子供の成長は速い」
「赤ちゃんの時期なんて

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