Kanaeski

相方ヘニング、犬2匹とのコペンハーゲン暮らしから、2020年夏、Mønという島へ移住し…

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相方ヘニング、犬2匹とのコペンハーゲン暮らしから、2020年夏、Mønという島へ移住しました。 小確幸(小さいけれど、確かな幸せ)を毎日の中にこつこつと見つけていきたいと思います。

記事一覧

春が来た。子羊も生まれた。

こちらの記事は下書き保存されたまま、なんと2年も放置されていた記事です…。 今の家を買った時に、もれなくついてきたのが、猫のチリと、羊4頭でした。 「猫は人でな…

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7か月前
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グリーンランドから戻って

グリーンランドからムン島に戻って、早くも1ヶ月が経ちました。 出稼ぎ生活をかなり密にこなした2ヶ月。寂しさや、ハードな勤務のための疲弊もありましたが、ゲストハウ…

Kanaeski
3年前
6

グリーンランドの過去、そして今

もっと色んな投稿をしたいと思いつつ、なにげに忙しかったグリーンランドの日々、大した記事も書けずに、残りの滞在もあと2日となってしまいました。 たったの2ヶ月、し…

Kanaeski
3年前
12

海の母

雄大な自然と暮らすグリーンランド人は、超自然的な力を信じる人々です。 彼らの文化の中には、たくさんのいい伝え、迷信がありますが、特に狩猟と漁が生きる糧であった彼…

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3年前
4

グリーンランド人の激しさ

グリーンランド人というと、ありとあらゆる自然の脅威にも耐える寡黙なエスキモー(この呼び名は最近では差別用語になるらしい)というイメージだったのですが、こちらにき…

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3年前
8

グリーンランド人の大らかさ

なんだかグリーンランドのような果てしなく大きな場所だと、そこで起こることも、なんというか、たがが外れているといいますか。 昨日もグリーンランド経験の長い同僚Mと…

Kanaeski
3年前
7

グリーンランドの医療

グリーンランドにやってきて1ヶ月が経ちます。 この1ヶ月はあっという間だったかというと、全くそんなことなく、むしろまだ1ヶ月しか経ってないかのかとびっくりします…

Kanaeski
3年前
4

酔っ払い伝説

今働いているクリニックの同僚Mは、首都ヌークのERをはじめ、グリーンランド中のありとあらゆる病院の救急外来で働いてきた強者ですが、男性看護師によく見られる、穏やか…

Kanaeski
3年前
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出稼ぎグリーンランド

ムン島に引っ越し、コペンハーゲン街中への通勤が厳しくなったことから、泣く泣く大好きだった職場の王立病院を退職したわけですが、ヘニングは頼もしくも「大丈夫、君が仕…

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3年前
3

コンポスト

2年前のイースター、南スウェーデンにサマーハウスを買いました。1800年代初頭の木造の家を一夏かけて改修したのですが、モダンな下水システムを作るにはお金がかかり…

Kanaeski
3年前
8

そして農婦へ

7月中頃からここまで、ムン島とコペンハーゲンの王立病院まで車で、または途中まで車、残りを交通公共機関を使うコンビで通勤してきました。ムン島が遠いことはわかってい…

Kanaeski
3年前
4

羊の脱走、そしてチリ猫の帰還。

小さなムン島には小さな映画館があり、なかなかいいチョイスの映画をほとんどボランティアみたいなおばちゃん達が上映してくれています。 先週、19時から始まる映画を観に…

Kanaeski
3年前
4

引っ越して1ヶ月

あっという間でした。 最初の1週間は、荷ほどき、とりあえずキッチンとバスルームを使えるように、ヘニングは翌週から仕事なので、スーツなど掛物系を収納できるよう、ウ…

Kanaeski
3年前
6

羊をめぐる冒険

新しい家には猫のほかに母羊が3頭、その羊達が春に産んだ5頭のうち2頭の子羊がいます。 前の家主は、まあ、エピソードをあげはじめるとキリがないんですけど、早い話が「…

Kanaeski
3年前
6

猫のお父さん

土砂降りの中、10日に引越しを済ませ、76個の段ボールの開封作業と片付けに追われております。 新しい家にはすでに羊三頭、仔羊二頭、そして猫のチリ6歳の先住者がおり、…

Kanaeski
3年前
8

ドラマのあと

そんなわけで、衝撃の「7月いっぱいで退職します」宣言から1週間、糖尿病チームの同僚は「あなたがいなくなるなんて寂しすぎる」と泣いてしまい(私ももちろん泣き、通り…

Kanaeski
3年前
12

春が来た。子羊も生まれた。

こちらの記事は下書き保存されたまま、なんと2年も放置されていた記事です…。

今の家を買った時に、もれなくついてきたのが、猫のチリと、羊4頭でした。

「猫は人でなく、家につく」と言いますが、チリ猫もまさにそうで、初日から私達に馴染みに馴染みまくっていました。(犬がきてからは、犬が来れない2階にしか住めなくなったけど)

そして4頭の雌羊たち。元家主が2年間放置していたために、毛がボブ・マーレイ状

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グリーンランドから戻って

グリーンランドから戻って

グリーンランドからムン島に戻って、早くも1ヶ月が経ちました。

出稼ぎ生活をかなり密にこなした2ヶ月。寂しさや、ハードな勤務のための疲弊もありましたが、ゲストハウスの改修や動物の世話などをまたできるを楽しみに戻ってきました。

ヘニングは一人でフルタイムの仕事(幸にして自宅からの遠隔勤務)の側、動物たちの世話(私がいない間に鶏が3羽新規参入していた)、薪の注文と薪小屋への積み上げ、家の前の砂利道の

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グリーンランドの過去、そして今

グリーンランドの過去、そして今

もっと色んな投稿をしたいと思いつつ、なにげに忙しかったグリーンランドの日々、大した記事も書けずに、残りの滞在もあと2日となってしまいました。

たったの2ヶ月、しかもずっと仕事をしっぱなしだったこともあり、グリーンランドについてよく調べることもなく、謙遜抜きで本気でゼロだった予備知識も、帰国直前の今となってもほぼ10%以下の伸び率です。ていうかデカすぎる、深すぎるんです、この国は。

この国は、と

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海の母

海の母

雄大な自然と暮らすグリーンランド人は、超自然的な力を信じる人々です。
彼らの文化の中には、たくさんのいい伝え、迷信がありますが、特に狩猟と漁が生きる糧であった彼らの言い伝えの中で、「海の母」は、守護神のようなものとして、大事にされています。

海の母の伝説は、地域によっていくつかのバージョンがあるのですが、どれをとっても、とてもグリーンランド的にクレイジーかつファンキーであることが共通項です。

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グリーンランド人の激しさ

グリーンランド人の激しさ

グリーンランド人というと、ありとあらゆる自然の脅威にも耐える寡黙なエスキモー(この呼び名は最近では差別用語になるらしい)というイメージだったのですが、こちらにきて、実際彼らと接してみて驚いたのが、実に「激情的な」人々だったということです。

普段はおおらか、穏やかにニコニコとしている彼らですが、お酒がだいぶ入ってくると、突然ドラマティックに、そして老若男女の差なく、「激情モード」になります。
私と

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グリーンランド人の大らかさ

グリーンランド人の大らかさ

なんだかグリーンランドのような果てしなく大きな場所だと、そこで起こることも、なんというか、たがが外れているといいますか。

昨日もグリーンランド経験の長い同僚Mと話していて、なぜここではそういうすごいことが起こるのか(人々が起こすのか)となった時に、彼はグリーンランド人の特徴が「大らかで瞬発的だから」という、なんとも言い得て妙な解答をくれました。

グリーンランドの人はとてもおおらかで、のんびりし

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グリーンランドの医療

グリーンランドの医療

グリーンランドにやってきて1ヶ月が経ちます。
この1ヶ月はあっという間だったかというと、全くそんなことなく、むしろまだ1ヶ月しか経ってないかのかとびっくりします。

この1ヶ月はグリーンランドでの住まいや、職場、働き方に慣れるのに費やしてきた感じで、ようやく少し、業務のルーチンやスタッフのことを理解してきたとともに、「まだあと1ヶ月もあるのか…」と、ホームシックも絶頂を迎えております。

さて、今

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酔っ払い伝説

酔っ払い伝説

今働いているクリニックの同僚Mは、首都ヌークのERをはじめ、グリーンランド中のありとあらゆる病院の救急外来で働いてきた強者ですが、男性看護師によく見られる、穏やかさと落ち着きのみでなく、いつ、どんな患者さんでも、というかスタッフや誰に対しても、いつもとても礼儀正しく丁寧に接する、とても素敵なナースです。

そんな彼の経験談は本当に壮絶で、特に酔っぱらいグリーンランド人の話(数えられないくらいある)

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出稼ぎグリーンランド

出稼ぎグリーンランド

ムン島に引っ越し、コペンハーゲン街中への通勤が厳しくなったことから、泣く泣く大好きだった職場の王立病院を退職したわけですが、ヘニングは頼もしくも「大丈夫、君が仕事をしなくてもなんとかやっていける」と言っていたのですが。

元家主が下水タンクの整備を怠っていたため、引っ越し早々、庭の地中に埋めてある下水タンクに亀裂が入っており、如何にもこうにもならないという状態が発覚。
こういうことを想定して、注意

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コンポスト

コンポスト

2年前のイースター、南スウェーデンにサマーハウスを買いました。1800年代初頭の木造の家を一夏かけて改修したのですが、モダンな下水システムを作るにはお金がかかりすぎるので、コンポストトイレという、汚物をコンポストにかえる特殊なトイレを設置したのですが、そのコンポストとなった土を昨年試しにじゃがいもと苺のミニ菜園に使ってみたところ(スローガンは「じゃがいもから、じゃがいもへ」)、爆発的に植物が育ち、

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そして農婦へ

そして農婦へ

7月中頃からここまで、ムン島とコペンハーゲンの王立病院まで車で、または途中まで車、残りを交通公共機関を使うコンビで通勤してきました。ムン島が遠いことはわかっていた、わかってはいたけれども、ここまで遠いとは…。片道1時間45分、朝は確実に渋滞に巻き込まれるので、2時間を超えることも。

それでも朝出勤して同僚達に会い、彼らや患者さん達に必要とされているということを感じながら仕事をしていると、「やっぱ

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羊の脱走、そしてチリ猫の帰還。

羊の脱走、そしてチリ猫の帰還。

小さなムン島には小さな映画館があり、なかなかいいチョイスの映画をほとんどボランティアみたいなおばちゃん達が上映してくれています。

先週、19時から始まる映画を観にいく前に、羊達の水がちゃんとあるかなど確認して出かけ、21時ごろに帰宅。犬の散歩を兼ねて敷地をまわっていると、羊達がいるはずの牧草地に犬が駆け回ってます。

どうやって入った?!狩猟本能がハンパないココは以前、羊達を追いかけ回して大変だ

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引っ越して1ヶ月

引っ越して1ヶ月

あっという間でした。

最初の1週間は、荷ほどき、とりあえずキッチンとバスルームを使えるように、ヘニングは翌週から仕事なので、スーツなど掛物系を収納できるよう、ウォークインクローゼットの工事に取り掛かり、そうこうしている間にも夏休み、コロナで出かけられない友人達が「家を見にいくよ!」と週末に押しかけるわで、忙殺されて終わり、7月最後の2週間はムンからコペンハーゲンまでの通勤。私は正規雇用として最後

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羊をめぐる冒険

羊をめぐる冒険

新しい家には猫のほかに母羊が3頭、その羊達が春に産んだ5頭のうち2頭の子羊がいます。

前の家主は、まあ、エピソードをあげはじめるとキリがないんですけど、早い話が「すごくケチな男」で、家を売ると決めた2年前から、家だけでなく、羊のメンテナンスなどもほぼ放ったらかしだったようで、かわいそうに羊達はひどい姿…。

特に茶色い毛の彼女らは、毛皮がドレッドヘアのようになっており、木の枝などが毛に絡まってす

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猫のお父さん

猫のお父さん

土砂降りの中、10日に引越しを済ませ、76個の段ボールの開封作業と片付けに追われております。

新しい家にはすでに羊三頭、仔羊二頭、そして猫のチリ6歳の先住者がおり、家の片付けだけでなく、彼ら新しい家族の世話もあり、ホリデーなのに毎日が目まぐるしい速さで過ぎていきます。

さて、猫のチリですが、猫は人より家に付くと言われるように、元飼い主である元家主は、コペンハーゲンのアパートに連れて行くより慣れ

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ドラマのあと

ドラマのあと

そんなわけで、衝撃の「7月いっぱいで退職します」宣言から1週間、糖尿病チームの同僚は「あなたがいなくなるなんて寂しすぎる」と泣いてしまい(私ももちろん泣き、通りがかりにそんな私達を見かけた別の同僚も混じって一緒に泣き、最後はみんな爆笑で終わった)、涙涙のお別れかと思いきや、先日の会議で「週二日パートタイム勤務」があっさり決まりました。新しい糖尿病ナースだけを採用するのかと思いきや、実は私、内分泌チ

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