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ドラマのあと

そんなわけで、衝撃の「7月いっぱいで退職します」宣言から1週間、糖尿病チームの同僚は「あなたがいなくなるなんて寂しすぎる」と泣いてしまい(私ももちろん泣き、通りがかりにそんな私達を見かけた別の同僚も混じって一緒に泣き、最後はみんな爆笑で終わった)、涙涙のお別れかと思いきや、先日の会議で「週二日パートタイム勤務」があっさり決まりました。新しい糖尿病ナースだけを採用するのかと思いきや、実は私、内分泌チームも兼任していたので、内分泌ナースと新規採用が二人必要だとなり(てことは私、今まで一人で二人分働かされてたってこと?!)、その二人の新規採用ナースがまずまず独り立ちできるまで、とりあえず10月いっぱいという約束で通うことになりました。

膵臓全摘患者さんのコーディネート業務は、続発性骨粗鬆症(癌治療の後遺症でなど)の専門ナース、かつ現在マスターを取っている最中の同僚トリーネが引き受けてくれることになり、8月から引き継ぎが始まります。

引き継ぎに関する第一回会議では、あまりに複雑でめんどくさいコーディネート業務に、「一体どこからどう手をつけていいのか…」とみんなで絶望しかけましたが、めちゃくちゃ頭の切れるトリーネが、さくさくと問題課題を整理してくれて、しかももう諦めて終わりにするしかないかなと思っていたデータ採集とクウォリティコントロールも、「ものすごく面白いわね。なんでこんな面白いデータ、誰も資金集めとかしてリサーチプロジェクトとして立ち上げてないの?」と、興味を持ってくれたようです。私一人では論文にするにも100年くらいかかりそうなので諦めていましたが、アカデミックなトリーネのおかげで、もしかしたらなんらかの形になりそうな雰囲気です。

マイラバー(と私が勝手に呼んでいる)ことデンマーク上部消化器外科の権威であるカーステン曰く、膵臓全摘後の糖尿病に関するデータというのは世界でも少ないらしく、去年一緒に外科病棟スタッフ向けに膵臓全摘後に関する講習会を開いた時、ランチでエビをもぐもぐ一緒に食べながら「よし、一緒に論文書こう。やるしかないな。これはきっと受けるぞ」と言ってその気にさせておいたくせに、まるで結婚詐欺師のように以来音沙汰なかったカーステン。見てらっしゃい。目に物見せてあげるんだから(トリーネが)。

とりあえず第一回引き継ぎ会議がとてもうまくいき、パートタイムに関しても同僚達に伝えると「え?そうなの?なーんだ」と、盛り上がりに盛り上がっていたドラマが瞬足冷却です。そんな状況を見て大好きな同僚のリーネはズバリと「誰も絶対に必要不可欠な人なんていないのよ」と。相変わらずドライに真相をついてくれて、ドラマ体質な私を現実に引き戻してくれました…。

主任からはさっそく8月のパート勤務表まで送られてきて、めまぐるしかったですが、いろんなことが夏休みに入る前にひと段落して、ホッ。

来週から2週間夏休みなので、頑張って荷物のパッキングに取り掛かろうと思います。

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