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コンポスト

2年前のイースター、南スウェーデンにサマーハウスを買いました。1800年代初頭の木造の家を一夏かけて改修したのですが、モダンな下水システムを作るにはお金がかかりすぎるので、コンポストトイレという、汚物をコンポストにかえる特殊なトイレを設置したのですが、そのコンポストとなった土を昨年試しにじゃがいもと苺のミニ菜園に使ってみたところ(スローガンは「じゃがいもから、じゃがいもへ」)、爆発的に植物が育ち、数週間後サマーハウスを尋ねてみると、じゃがいもがまさに森のようになっていました(こうなると芋は育たないので、意味なし)。

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さらに2年前、アメリカはメイン州の自給自足家族のお家を借りて滞在した時にも、使われていたのがコンポストトイレ。木のおがくずがバケツに入っており、その上に便座が設置されているだけの、さらにシンプルな構造でしたが、2日ほど使っていても木のフレッシュな香りのみ。これには本当にびっくりでした。どうやら家主は家畜のもコンポストトイレのも全てまとめて堆肥にしているらしく、豊富な家庭菜園があり、その野菜で生活が成り立っているようでした。

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すべて手作りの家と畑。シーズンオフだったので閑散としてはいましたが。

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こういった経験から、「コンポストすごいな」と興味を持ち始め、作物を作るならこれだ、と思っていたので、引っ越して第一弾の庭仕事は、コンポスト置き場を作ることでした。

さすがに今の家には下水処理システムがあるし、スウェーデンのサマーハウスのような原始的なコンポストはちょっと、と抵抗もあったので、うちのコンポストは主に羊小屋からのものです。絨毯がわりに敷いた藁を羊たちは食べたり、その上で用を足したり、寝たりしているわけですが(なんでもありな生活…)、それを数週間ごとに掃きだしてはコンポスト置き場に積み上げていきます。それに加え、庭から出る雑草や小枝などの園芸ゴミ、地面に落ちた果物、あと台所の生ゴミ(アボカドの皮など、ワックスが表面に塗ってあるものは除く)を均等になるように積み重ねていき、古い絨毯をかけて、その上にビニールシートを被せて寝かせます。いっぱいになったら、3〜4ヶ月ごとくらいにひっくり返して混ぜ、1年後くらいには栄養分たっぷりのコンポスト土として畑に使えるようになる、という予定です。

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左側が新しいコンポスト。右側は元家主が積み上げていた羊小屋の堆肥。ひっくり返してみたらいい塩梅だったので、春にはこちら側が使えそうです。いつかはきちんとした屋根付きのコンポスト置き場を作りたいです。

コンポスト土は普通に園芸店でも買えるわけですが、一つ二つ程度のプランターならともかく、新しい家では200平方メートルの菜園なので、トンの単位でコンポストが必要になるため、畑がシーズンオフな今、色々とコンポストをどう確保するか考えております。

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畑の横の枝による柵。畑側にはフランボワーズやブルーベリーを植えてみました。

ちなみにコンポストに入れるには大きすぎる剪定した枝は、リサイクルセンターに持っていくには量が多すぎるし、どうするかな…と考えていたところ、元同僚で、ムン島への移住を勧めてくれたエヴァが「枝で作る柵を作るといいよ!」と教えてくれたので早速試してみたのですが、これが、敷地にたくさんの木があるうちには最高な解決策。1、5mほどの杭を50cmくらいの間隔で立て、その間に枝をどんどん積み上げていきます。だんだんと枝が枯れてくると、上から積み上げられる枝に潰されて、下の方はコンポストとなって地面に還っていくので、柵の周りも栄養満点です。ムン島は風が強く、木や藪などで囲っていないと畑が乾燥しすぎてしまう、とはお隣さんのアドバイスだったので、特に強い東風を遮るよう、畑の東と北側をすべてこの柵にしたのですが、見た目も悪くないし、いい感じです。

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今はまだ空っぽの畑ですが、これから何をどう植えていくか、ワクワク楽しみです。

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