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かめれもんの原点自由律俳句100選(その1)

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魂込めて、積み重ねた僕の自由律俳句・原風景100選。 あなたの心に、新たな視界が飛び込むかも。 よかったら、お読みくださいませ。
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記事一覧

自由律俳句5選「前へ」(No.101~105)

自由律俳句5選「前へ」(No.101~105)

寒空に窓から放り出される芋虫

大根みたいな苺二つ

椅子の上にヘッドフォンを置く

皿が壊れそうなほど大盛にする

薄暗い部屋 草刈り機の音 鳥の声

俳句10番勝負「今日もどこかで」vol.9

俳句10番勝負「今日もどこかで」vol.9

トラックの過ぎ去りし音冬の風

トイレットペーパーの空空空

石油をセンキューっぽく言ってみる

お風呂上がりは林檎みたいな顔してる

生き物のような湯気なのかそれとも米が生き物なのか

スポットライトを浴びて空を見上げた UFO

冬の空に釘をかざす

うまくいかないなあ うまくいかないなあ それが、楽しいなあ

壁にバンソウコウが貼られてゐる痛かったのかな

外の寒い空気がバンバン入って来る

自由律俳句10選「マイナー・マイナー・マイナー」~詩の創造シリーズより~

自由律俳句10選「マイナー・マイナー・マイナー」~詩の創造シリーズより~

マイナーな魚につき名前はまだない

漢字読めないけどいいや

カレンダーのイラスト野菜人間

アルパカって唾飛ばす奴?

しゃがんで見上げる冬の空

干からびた米がこんぺいとうみたいになってる

コップを洗う水のにほひ

マウスの魂は電池

とりあえず手拍子を打つ

死にたかったけど死ねなかったこれは生きろってことなんだ

自由律俳句10選「ダイヤモンド・ダスト」~詩の創造シリーズより~

自由律俳句10選「ダイヤモンド・ダスト」~詩の創造シリーズより~

エンジニアっぽい動き

テクニックという名の形骸化か

ナッツちょっと多くない?

アルファベットBと蜂のBee

ルンバに一時期あこがれていた

花瓶の花が新しい花になってる

静かに蜘蛛の巣にかかる

メリーゴウランドの回る方向と反対方向に歩く

捨てるのが名残惜しい鍵

ぬいぐるみと目線が合ったこっちを見ていた

詩の創造シリーズNo.6「追憶メロディ」~自由律の源より~

詩の創造シリーズNo.6「追憶メロディ」~自由律の源より~

砂浜に○をたくさん書く

この海をずっと見ているわけにいかない

古びたメモ帳の一枚剥ぎ取る

小判のやうな皿だ

切符落として踏まれる

ポップコーンの弾けるノリに付いていけない

薬飲まずにはいられない現代社会

まるまると太った猫だ

幼少期/果物の種を植えてみる

タブレットのピアノ化

詩の創造シリーズNo.5「冬の風」~自由律の源より~

詩の創造シリーズNo.5「冬の風」~自由律の源より~

お腹が空いているのは事実

老齢の柿の木に日差し

笑わない人が笑った変な笑い方だった

洗濯バサミのパッチーン

背伸びして背伸びして疲れて腰掛け

みかんは両手で温めること

階段をモーグルみたいな降り方の猫

絵本のような豚カツの味

トラブルメーカートラブルから多くのことを学んでく

朝になりプラスチックのプラチナチック

詩の創造シリーズNo.4「パラボラ・アンテナ」~自由律の源より~

詩の創造シリーズNo.4「パラボラ・アンテナ」~自由律の源より~

よく考えてみればいつも無機物と向き合っている

下り坂なのに何故のぼる

君はシュールな猫だね

センサーや電波はきっと繊細

そばの日という記念日は何かの宣伝か

野生動物のようにその場を去った

あの人は一体誰だったんだろう

ミニーマウスの置物にスポットライトが当たってゐる

アロマの香りで目が歌舞伎のように

虫が友達ではない君と秋の夕暮れ

詩の創造シリーズNo.3「白光」~自由律俳句より~

詩の創造シリーズNo.3「白光」~自由律俳句より~

鍵盤のように並ぶ鯖寿司の横一列を持ち上げた

炎のTシャツ隠して歩く大股で

マックだけが開いていた
不思議な連中がそこにゐた

「酸っぱい」を「しゅっぱい」にして言ったら「失敗」みたいに聞こえた

シャッフルが台無しになった机の上

いつの間にか占い師みたいなことをしている

マダムのような花なのかしら

草刈りなんかしなくてもいいのにね

生きてる魚が岩の上でジタバタしてる朝焼け

笑い声がや

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詩の創造シリーズNo.2「真夜中の午後」~自由律俳句より~

詩の創造シリーズNo.2「真夜中の午後」~自由律俳句より~

斜めに静かに祈らせて

「論理的に理解できなくても、この音楽はいい曲じゃない?」

ほんとうは君たちこどもがヒーローなんだよ

2位のほうが良さそうやん代わって

コスモスが揺れている雨に打たれて待つ午後

詩の創造シリーズNo.1「希求」~自由律俳句より~

詩の創造シリーズNo.1「希求」~自由律俳句より~

砂場にスコップ突き刺しぬ

「例えば~」のそれからを勝手に期待す

紅茶でまあ満足しとくよ

散歩するにも不器用だ

パジャマのボタンが光る鏡に

自由律まとめ3「夢幻」

自由律まとめ3「夢幻」

サギじゃなくて白鳥にしか見えない

タオルに顔をうずめたままに

新聞の破片殺されたガだ

ヘッドフォンを外すと虫の声が大音量

机があたたかいこれは木のぬくもり

自由律まとめ2「黄昏」

自由律まとめ2「黄昏」

カッコつけたら邪魔になるストラップ

東京タワーの背伸びした

泣きたいときほど笑わせて

夕日の丸さを絞ったやうなジュース飲む

あなたとは違う机で勉強してる

自由律まとめ1「覚醒」

地に落ちたシャンデリアの灯野良猫が闇の道をひたひたと

食パンの四角のきゅっ

時を刻まず命刻まず時計は意味を刻み付ける

いままさに覚醒する虹色の眼だ

隠されたものはいずれ爆発すると