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美しい事業/体験のつくり方と伸ばし方

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優れたユーザー体験のつくり方と、そのサービスをいかにグロースさせていくかについて、「いちばんやさしいグロースハックの教本」の著者である梶谷が考えていることを発信するマガジンです。
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記事一覧

サービスの進化に必要な引き算
「機能を削る手法と考え方」

サービスの進化に必要な引き算
「機能を削る手法と考え方」

「始めるのは簡単だ。続けるのは難しい。終わらせるのはさらに難しい。」と言われます。

サービスの機能についても同じで、新しい機能を追加することよりも、機能を削っていく方が格段に難易度が高いです。

しかし、複数の研究から、80%のユーザーがプロダクトの機能のうち20%しか使っておらず、サービスの複雑さは、一般的に機能性を低下させ、プロジェクトマネジメント自体にも悪影響を及ぼすことが分かっています。

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サービスを高速で成長させるためのチーム体制と、開発マネジメントの仕組み

サービスを高速で成長させるためのチーム体制と、開発マネジメントの仕組み

サービスの成長はスタートアップにおいて最も重要な経営イシューの1つです。

「いかに自社のプロダクトをグロースさせるか」という問いは、全ての企業が向き合っている問いだと思いますが、「プロダクトを高速で成長させるための環境・仕組みを確立できているか?」という問いについては意外と向き合っている企業が少ないように感じています。

以下は、プロダクトを高速で成長させるための体制が自社で構築できているかのチ

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BtoBマーケティングでは「自社」ではなく、「カテゴリ」を宣伝しよう

BtoBマーケティングでは「自社」ではなく、「カテゴリ」を宣伝しよう

BtoBマーケティングにおいて企業が最も犯しがちな間違いは「自社の宣伝」をしてしまうことである。

人は他人の会社の話などに興味を持たない。

では、どうすれば良いのかというと、「カテゴリの宣伝」をするべきだ。

「カテゴリの宣伝」で成功した企業の代表例が「IDEO」だ。

IDEOは自社の宣伝をする代わりに「デザイン思考」という概念、カテゴリを世界中に広めた。

そして「ビジネスにデザイン思考が

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"Goal Oriented"で優れたプロダクトロードマップ策定のための5つのステップ

"Goal Oriented"で優れたプロダクトロードマップ策定のための5つのステップ

プロダクトマネージャーにとって、プロダクトが進むべき道のりを規定するプロダクトロードマップの策定は最も重要な仕事の1つです。

しかし、プロダクトロードマップの策定は、顧客ニーズ、競争戦略、技術変化など様々な要素を考慮する必要があり、実はかなり難易度が高く奥が深いものでもあります。

本記事では、プロダクトマネージャーが優れたロードマップを策定するための5つのステップを解説します。

自社のUlt

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UXは「一つの方程式」でシンプルに表現できる

UXは「一つの方程式」でシンプルに表現できる

どんな事業/サービスにおいても、UX(ユーザー体験)が重要であることは今さら言うまでもないでしょう。

しかし、「UX」を抽象的な概念のまま捉えていると、その言葉を使う人同士でイメージが揃っていなかったり、過度に複雑な理論も多く登場しているため、どうUX改善に取り組んでいけば良いのか混乱してしまっている人も多いのではないでしょうか?

UXの質を測る手法や指標は多数存在しますが、私は突き詰めると以

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(本質的な)グロースハックは"ロストテクノロジー化"してしまったかもしれない

(本質的な)グロースハックは"ロストテクノロジー化"してしまったかもしれない

最近思うのが、「(本質的な) グロースハック」ってもしかして "ロストテクノロジー化" してしまった?ということです。

自分は8年前にグロースハックについての本を出版し、その後2018年辺りまでグロースをテーマにしたコンサル/顧問業をし、企業経営を経て5年ぶりにグロースなども含んだテーマで様々な企業のアドバイザーをしています。

その中で、意外とこの5年間でグロースについて精通している人が市場に

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プロダクト成長に不可欠な優れたバリュープロポジションをつくる4つのステップ

プロダクト成長に不可欠な優れたバリュープロポジションをつくる4つのステップ

プロダクトを成長させていく上で、顧客に対して自社のプロダクトやサービスが提供する価値を明確に伝えることが重要だ。

ここで重要となるのが「バリュープロポジション」だ。

このnoteでは、バリュープロポジションとは何か、なぜそれを定めることが重要なのかについて簡単に触れつつ、優れたバリュープロポジションの作り方について解説していく。

バリュープロポジションの概要を既に知っている人は定義や意義は読

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変化の激しい生成AI領域で競合優位性をつくる6つの方法

変化の激しい生成AI領域で競合優位性をつくる6つの方法

GPT-4やStable Diffusionなど次々と優れたAIモデルがAPIやオープンソースの形でリリースされている中で、そうしたAIモデルを組み合わせた新規サービスや、既存のサービスにそうした生成AIを組み込む領域には大きなビジネスチャンスがあります。

下のa16zの生成AIスタックの右上のアプリケーションレイヤーの戦いです。

しかし、この領域の戦いには固有の1つの課題が存在します。

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プロダクト成長の基盤となる強いグロースチームをつくるための3つのポイント

プロダクト成長の基盤となる強いグロースチームをつくるための3つのポイント

プロダクトを伸ばしていく上で数値分析や改善施策の方法論を正しく理解することも重要ですが、それらのアクションを実行していく基盤となる強いグロースチームを構築することが非常に重要です。

このnoteでは強いグロースチームをつくる方法を、以下の3つのポイントに沿って解説していきます。

1. 木を見て森も見るしくみをつくる
"グロースに慣れてきた頃あるある"として、データに深く潜りすぎて、サービス体験

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プロダクトを死へと誘う複雑性の恐ろしさと、それを最適化する10個の方法

プロダクトを死へと誘う複雑性の恐ろしさと、それを最適化する10個の方法

ある研究によると、80%のユーザーがプロダクトの機能のうち20%しか使っていないことが分かっています。

優れた体験のプロダクトを作り上げ成長を実現する上で、複雑性の弊害をしっかりと理解し、それに正しく対処することはスタートアップや新規事業を始める企業にとって必要不可欠な能力です。

この記事では、複雑性がUXに与える悪影響を複数の研究を引用しながら示し、プロダクトの複雑性を最適化して優れたサービ

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UXの5レイヤーの「Structureレイヤー」はなぜ重要なのか? | IAやUserFlow設計に強くなるための参考リンク集付き

UXの5レイヤーの「Structureレイヤー」はなぜ重要なのか? | IAやUserFlow設計に強くなるための参考リンク集付き

サービスを新しく作ったり、UXデザインを行っていく上で恐らく最も利用されているであろうフレームワークが「ギャレットのUX5段階モデル」です。

以下のように下から上へ建物の土台から組み立てていくように抽象・基盤的な内容からプロダクトの設計をしていくフレームワークです。

※ ギャレットのUX5段階モデルについては以下のMediumのシリーズ記事、もしくは原著を参照。

このフレームワーク自体は知っ

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中上級者向けのサービスグロースガイド② ~数値改善の極意~

中上級者向けのサービスグロースガイド② ~数値改善の極意~

中上級者向けのグロースガイドシリーズの第二弾の本noteでは、グロースの要とも言える「数値改善の極意」について書いていこうと思います。

第一弾をまだ読まれていない方はぜひ読んでみてください。

サービスグロースにおける数値の伸ばし方は、突き詰めると次の3つのポイントに集約できます。

1. 伸ばしたい指標の分岐点を見つける

指標には、ほぼ必ずと言って良いほど分岐点が存在します。

まずはそうい

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中上級者向けのサービスグロースガイド① ~指標設定の極意~

中上級者向けのサービスグロースガイド① ~指標設定の極意~

これから3回のシリーズに分けて、サービスグロースにおいて中上級者が意外と見落としがちな3つの重要なテーマについて書いていこうと思います。

第一回目は「グロース指標の設定」について。

グロース指標の概念グロース指標とは、KGIやKPIなど、サービスを伸ばすための指針として設定する数値のことです。Metrics(メトリクス)とも呼ばれます。

Metrics選定は、グロースのセンスが問われる実は非

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UX改善の施策アイデアが無限に出てくるチームをつくる方法

UX改善の施策アイデアが無限に出てくるチームをつくる方法

サービスUXの改善や、グロースの施策を考えている中で、施策アイデアが出づらくて困っている会社は多い。

ちょうど昨日もグロースのコンサルをしている中で、そういった相談を受けたので、今日は「施策アイデアを考えるのが強いチームの作り方」について書きたいと思う。

やり方はシンプルに、チーム全体が日常的に良いサービスを使いまくって、参考になる箇所をストックしていくようにするというものなのだが、実際それを

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