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2023年1月の記事一覧
連載小説「超獣ギガ(仮)」#5
第五話「会敵」
真冬の早朝。東京。
最新の人類と超獣が睨み合う晴海埠頭。
乾いた、高い音色を伴って、点々と凍ったアスファルトを跳ねて滑る薬莢。いくつかは海に落ち、既に絶えた誰かの足元にたどり着いたいくつかもある。ここに果てた人々は遺志を告げることなく、唐突に、最終を迎えることになった。
その近くに、一人が着地した。爪先に回転していたそれを抑えた。靴の下に真鍮。空白を抱えたそれは踏みつけ
#slowlight
さあ、昨日を生き残ったすべての命に。
おはようを語ろう。今日、また、生き延びよう、と。
生きていることは、当たり前なんかじゃない。もう知っているでしょう?
連載小説「超獣ギガ(仮)」#4
第四話「反撃」
十二月二十五日。午前。
三日月の灯る早朝の東京、晴海埠頭。
神が失われた世界において、人々は誰に何を祈るだろう。合わせる手を持つだろうか。
まだ雪が溶けるまでに至らない時間。
暁の無音をわずかに葬りながら、その冬三度目の降雪はややその勢いを失いながら、しかし、地上に住まう人々を濡らさんとばかりに再び細やかな雨に変わりつつあった。雨から雪。そして雨。埠頭を染めた白は溶か
短編小説「国境線上の蟻」#10
君は見ている。
視線の先に広がるのは海だ。かすかに島影を捉えたような気がした、それが唯の幻影だとしても、遥か先には此処ではない地が存在している。
美しくはない、同時に醜いわけでもない。内実はどちらをも内包して、富める者と貧しきものが同じ空の下に呼吸を続ける。
「お前は私を殺したいんだろう」
何を見ているのか、それは分からない。背中はどちらも同じ北を向いている。
君と君の父はまるで非なるよ
星が灯るのを待っていた。畦道を軽トラックが通って、その助手席の窓から投げ捨てられた包みは重量を伴うのか、跳ねずに鈍い音でアスファルトに着地した。跳ねない代わりに泣き声で誰かを誘い出そうと試みていた。小さな子供だったが、約五万回の欠伸の後、子供を捨てようと星が灯るのを待つに至った。
コメディ小説「ゾンビ少年高橋くん。」#5
「この街で静かに暮らしてゆくと言ってもなぁ……」
巡査は困惑する。こんな出自不明のゾンビらしい子供が徘徊している状況と言うのは、どのように考えても問題がある。
さりとて、打開案もとくに思い浮かばない。ゾンビの処遇なんて考えたことがない。警察学校にもそんなのなかった。対テロ特殊急襲部隊の訓練にもなかった。
「暮らすと言ってもさ。学校とかどうするんだい? 小学校にも行ってないなんて大人になったら苦