かいごの木

老人ホームで働いている「かいごの木」です。介護福祉士、介護支援専門員、認知症リーダー研…

かいごの木

老人ホームで働いている「かいごの木」です。介護福祉士、介護支援専門員、認知症リーダー研修などの資格を持っている、56歳男性です。介護業界に入る前は、色々な業種についていました。現在は、入居されている高齢者の幸せを実現するために日々努力しています。

記事一覧

固定された記事

介護士が考える感謝される仕事の仕方

これから介護の仕事を始める方へ、 感謝される仕事の仕方についてお伝えします。 介護の仕事は、入居者さんやそのご家族から感謝される仕事です。 しかし、中には「入居者…

かいごの木
5か月前
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悲しみは喜びの2倍以上に感じる?

介護の現場で働く私たちにとって、入居者様の様々な感情と向き合うことは、決して簡単なことではありません。特に、悲しみや喪失感といった負の感情は、入居者様だけでなく…

かいごの木
10時間前
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あなたの心のあり方で人生に彩りが加わる

介護士として、日々の業務の中で、様々なご高齢者の方々と接する機会があります。中には、人生の波乱万丈を乗り越えてきた方、長い人生の中で様々な経験を積み重ねてきた方…

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高齢者になり「ジャッチ」する気持ちが無くなった人の特徴

若い頃には、周囲の人や物事を厳しく「ジャッジ」してしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、年齢を重ねるにつれて、そういった「ジャッジ」する気持ちが薄れていく…

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介護士視点で考える、幸せなエイジレス社会の実現

私は、老人ホームで介護士として働きながら、日々高齢者の方々と接しています。そこで感じるのは、年齢に関係なく、誰もが自分らしく輝き、生きがいを持って暮らせる社会こ…

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人は自分の居場所がないと感じると病んでくる

私たちは皆、社会の中で生きていくために、自分が属する場所、つまり「居場所」を必要としています。家族、友人、職場、地域社会など、様々な場所で自分が認められ、必要と…

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家庭料理のような会話を目指す

私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、入居者様の方々と接する中で、様々な経験をしてきました。その中で、入居者様の方々との会話が、まるで家庭料理の…

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老後も続く、自己肯定感の影、生きがいと心の支え

私は、老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。日々、高齢者の方々と接する中で、仕事や育児、介護など、様々な人生の波を乗り越えてきた方々の強さや優しさに心を打…

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加点法で見る人と減点法で見る人

私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、様々な入居者様の方々と接し、彼らの喜びや悲しみ、そして人生の物語を共有しています。 このブログは、ある入居…

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エビデンスよりも感情が正当化される?

介護の現場において、エビデンスに基づいたケアを行うことは重要です。しかし、入居者様の方々との関わりにおいては、エビデンスよりも感情の方が重要になる場合も少なくあ…

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介護の現場で嫌なことをされたときの忘れ方

介護の現場では、入居者様の方だけでなく、同僚や上司との人間関係による悩みを抱えることも少なくありません。特に、嫌なことをされたり、理不尽な要求を受けたりした場合…

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空っぽの懐を満たすもの、それは切ない思い出

私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、高齢の方々と接し、彼らの喜びや悲しみ、そして人生の様々な経験を共有しています。そんな中で、特に印象に残って…

かいごの木
10日前
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高齢者にとっての「不本意な幸福」

介護士として働く中で、高齢者の方々が「不本意な幸福」を感じている場面を目にすることがあります。それは、必ずしもネガティブな意味ではなく、むしろ、複雑な人間関係や…

かいごの木
11日前
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もはや故郷がない?高齢者はどこに帰ればいいのか?

近年、日本社会は急速な高齢化社会へと突入し、2025年には超高齢社会を迎えると言われています。その一方で、地方都市の衰退や家族構成の変化により、故郷を離れて都会へ移…

かいごの木
12日前
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パートナーを亡くしてからの生き方

私は、老人ホームで20年介護士として働いています。これまで多くの入居者様の方々と接してきましたが、特に印象深いのが、パートナーを亡くされた方々です。 突然、人生…

かいごの木
13日前
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人が豊かだなと感じる境界線

介護士として働く中で、高齢者の方々が「豊かさ」について様々な考え方を持っていることに気づきました。 中には、物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさを重視する方や、…

かいごの木
2週間前
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介護士が考える感謝される仕事の仕方

介護士が考える感謝される仕事の仕方

これから介護の仕事を始める方へ、
感謝される仕事の仕方についてお伝えします。

介護の仕事は、入居者さんやそのご家族から感謝される仕事です。
しかし、中には「入居者さんやご家族に感謝されるような仕事がしたい」と思っても、なかなかうまくいかないという方もいるのではないでしょうか。

そこで、介護士として19年以上働いてきた筆者の経験から、感謝される仕事の仕方について、3つのポイントをご紹介します。

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悲しみは喜びの2倍以上に感じる?

悲しみは喜びの2倍以上に感じる?

介護の現場で働く私たちにとって、入居者様の様々な感情と向き合うことは、決して簡単なことではありません。特に、悲しみや喪失感といった負の感情は、入居者様だけでなく、私たち介護スタッフにとっても大きな負担となります。

しかし、悲しみは決して悪い感情ではありません。むしろ、悲しみをしっかりと受け止めることで、人は新たな一歩を踏み出すことができるのです。
今回は、「悲しみは喜びの2倍以上に感じる」という

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あなたの心のあり方で人生に彩りが加わる

あなたの心のあり方で人生に彩りが加わる

介護士として、日々の業務の中で、様々なご高齢者の方々と接する機会があります。中には、人生の波乱万丈を乗り越えてきた方、長い人生の中で様々な経験を積み重ねてきた方、そして、これからの人生をどのように過ごしていくか模索している方など、それぞれ異なる人生を歩んでこられた方がいらっしゃいます。

そんな方々とお話をしていると、人生を彩り豊かに生きることの大切さを改めて感じさせられます。人生には、喜びも悲し

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高齢者になり「ジャッチ」する気持ちが無くなった人の特徴

高齢者になり「ジャッチ」する気持ちが無くなった人の特徴

若い頃には、周囲の人や物事を厳しく「ジャッジ」してしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、年齢を重ねるにつれて、そういった「ジャッジ」する気持ちが薄れていく人も少なくありません。

高齢者になると、なぜ「ジャッジ」する気持ちが薄れていくのでしょうか?
この記事では、高齢者になり「ジャッジ」する気持ちが無くなった人の特徴について、心理的な要因や具体的な事例を交えながら考察していきます。

「ジャ

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介護士視点で考える、幸せなエイジレス社会の実現

介護士視点で考える、幸せなエイジレス社会の実現

私は、老人ホームで介護士として働きながら、日々高齢者の方々と接しています。そこで感じるのは、年齢に関係なく、誰もが自分らしく輝き、生きがいを持って暮らせる社会こそが、真の「幸せなエイジレス社会」なのだという思いです。

しかし、近年深刻化する社会課題の一つが、高齢化社会の進展です。高齢者人口の増加に伴い、介護や医療の需要が高まる一方、担い手不足が深刻化しています。

こうした状況下で、幸せなエイジ

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人は自分の居場所がないと感じると病んでくる

人は自分の居場所がないと感じると病んでくる

私たちは皆、社会の中で生きていくために、自分が属する場所、つまり「居場所」を必要としています。家族、友人、職場、地域社会など、様々な場所で自分が認められ、必要とされていると感じることが、心身の健康を維持するために重要です。

しかし、現代社会においては、様々な理由で「居場所がない」と感じてしまう人が増えています。孤独、孤立、疎外感など、居場所がないと感じてしまう理由は人それぞれですが、いずれも心身

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家庭料理のような会話を目指す

家庭料理のような会話を目指す

私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、入居者様の方々と接する中で、様々な経験をしてきました。その中で、入居者様の方々との会話が、まるで家庭料理のような温かさを感じさせてくれることに気づきました。

家庭料理は、特別な材料や高度な技術を使わなくても、心を込めて作れば誰にでも美味しく味わえるものです。

入居者様の方々との会話も、難しい言葉や専門用語を使わなくても、心を込めて話せば、相

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老後も続く、自己肯定感の影、生きがいと心の支え

老後も続く、自己肯定感の影、生きがいと心の支え

私は、老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。日々、高齢者の方々と接する中で、仕事や育児、介護など、様々な人生の波を乗り越えてきた方々の強さや優しさに心を打たれると同時に、自己肯定感の低さに悩む方も少なくありません。

特に、定年退職後や伴侶との死別を経験した方にとって、失った役割や喪失感によって自己肯定感が揺らいでしまうケースが多く見られます。

本ブログでは、高齢者の方々の自己肯定感の低下

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加点法で見る人と減点法で見る人

加点法で見る人と減点法で見る人

私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、様々な入居者様の方々と接し、彼らの喜びや悲しみ、そして人生の物語を共有しています。
このブログは、ある入居者様の方との会話がきっかけで書きました。

ある入居者様との会話

ある日、私が入居者様の方々と談話室で話をしていると、一人の女性が入居者様の方の悪口を言い始めました。

「あの人のこと、私は好きじゃない。いつも愚痴ばかり言って、周りの人の

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エビデンスよりも感情が正当化される?

エビデンスよりも感情が正当化される?

介護の現場において、エビデンスに基づいたケアを行うことは重要です。しかし、入居者様の方々との関わりにおいては、エビデンスよりも感情の方が重要になる場合も少なくありません。

例えば、ある入居者様の方が、痛みに苦しんでいるとします。その場合、痛みの原因を特定し、適切な薬剤を投与することがエビデンスに基づいたケアと言えます。

しかし、入居者様の方が不安や孤独を感じている場合は、単に薬剤を投与するより

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介護の現場で嫌なことをされたときの忘れ方

介護の現場で嫌なことをされたときの忘れ方

介護の現場では、入居者様の方だけでなく、同僚や上司との人間関係による悩みを抱えることも少なくありません。特に、嫌なことをされたり、理不尽な要求を受けたりした場合は、心が重くなり、仕事へのモチベーションも低下してしまうものです。

しかし、そのような状況をいつまでも抱え込んでいては、自分自身だけでなく、周囲の人にも悪影響を与えてしまいます。そこで今回は、介護の現場で嫌なことをされたときの忘れ方につい

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空っぽの懐を満たすもの、それは切ない思い出

空っぽの懐を満たすもの、それは切ない思い出

私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、高齢の方々と接し、彼らの喜びや悲しみ、そして人生の様々な経験を共有しています。そんな中で、特に印象に残っているのが、ある「おばあさん」の言葉です。

「空っぽの懐を満たすものって、何だと思う?」
彼女は、いつも寂しげな表情をしていました。家族や友人もほとんどおらず、唯一の楽しみは、私が持ってきた新聞や雑誌を読むことでした。

ある日、ふとそんな

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高齢者にとっての「不本意な幸福」

高齢者にとっての「不本意な幸福」

介護士として働く中で、高齢者の方々が「不本意な幸福」を感じている場面を目にすることがあります。それは、必ずしもネガティブな意味ではなく、むしろ、複雑な人間関係や人生経験の中で生まれる、独特な感情と言えるでしょう。

1. 家族の期待に応えようとする気持ち

多くの高齢者の方にとって、家族はかけがえのない存在です。だからこそ、家族に心配をかけまいと、無理をして「元気な姿」を見せようとする方が少なくあ

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もはや故郷がない?高齢者はどこに帰ればいいのか?

もはや故郷がない?高齢者はどこに帰ればいいのか?

近年、日本社会は急速な高齢化社会へと突入し、2025年には超高齢社会を迎えると言われています。その一方で、地方都市の衰退や家族構成の変化により、故郷を離れて都会へ移住する高齢者が増えています。

そのような状況下で、高齢者は「故郷がない」と感じてしまう人も少なくありません。故郷は、生まれ育った場所であり、人生の思い出が詰まった大切な場所です。

しかし、故郷が遠くにあり、気軽に帰省できない場合や、

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パートナーを亡くしてからの生き方

パートナーを亡くしてからの生き方

私は、老人ホームで20年介護士として働いています。これまで多くの入居者様の方々と接してきましたが、特に印象深いのが、パートナーを亡くされた方々です。

突然、人生のパートナーを失うことは、想像を絶するほどの悲しみと孤独を伴います。心身ともに大きなダメージを受け、立ち直るのが難しいと感じるのは当然です。

しかし、そんな中でも、前に進んでいくための道はあります。介護士として、また一個人として、私がこ

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人が豊かだなと感じる境界線

人が豊かだなと感じる境界線

介護士として働く中で、高齢者の方々が「豊かさ」について様々な考え方を持っていることに気づきました。

中には、物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさを重視する方や、家族や友人との絆を大切にする方など、人それぞれに「豊かさ」を感じる境界線があるようです。

物質的な豊かさ

物質的な豊かさとは、お金や持ち物など、目に見える形で手に入る豊かさです。
多くの人にとって、物質的な豊かさというのは、生活を豊か

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