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Ching-O)))の映画雑記

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ミシガン州川口市在住。あなたの隣人の親愛なるキチガイ、Ching-Oの人生を弄んできた色々な映画についての雑記をここに一堂に集めました。人の頭の中を覗く悪い趣味があるあなたのため…
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#映画雑記

【映画雑記】映画「ジーザス・クライスト=スーパースター」を観ながら真夜中に思ったこと。

【映画雑記】映画「ジーザス・クライスト=スーパースター」を観ながら真夜中に思ったこと。

 夜中に1973年の映画「ジーザス・クライスト=スーパースター」をBGVに黒霧島のお湯割りを飲んでいた。言わずと知れたアンドリュー・ロイド・ウェバーとティム・ライスによるキリスト最後の7日間を描いた説明不要のクソ有名なミュージカルを映画化したものだ。

 キリスト最後の七日間と言えばいわゆる「受難劇」と表現されるやつだ。それまで数々の神通力で民衆を圧倒させ、超人的なカリスマ性を誇ったイエスが、エル

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【映画雑記】「フォーリング・ダウン」を観て慄く中年。

【映画雑記】「フォーリング・ダウン」を観て慄く中年。

「フォーリング・ダウン」を観た。

 真面目に生きてきた筈が悲惨な境遇に打ちのめされ、怒りが沸点を越えてしまった男と、人生の折り返し地点も過ぎて諦めの中でなんとか踏みとどまっている男の人生がぶつかった一日の話。

 前者(劇中では名前はなく仮称:Dフェンス)ははっきりと台詞で説明はされないが、離婚し、おそらくDVか何かで分かれた妻と娘に近づくことを禁じられている。おまけに失業者で不良債務者だ。彼の

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【映画雑記】「妖精たちの森」/見所が子どもではない前日譚

【映画雑記】「妖精たちの森」/見所が子どもではない前日譚

 俺の好きな1961年の古典ホラー映画「回転」の前日譚として作られた1971年のイギリス映画「妖精たちの森」を鑑賞。

 自分も読んだ町山智浩さんの本「トラウマ映画館」でも取り上げられていたらしいんだけど、覚えてない…。イギリスの片田舎の瀟洒な屋敷が舞台で、倒錯的な愛に耽る男女二人と、その二人の仲を「永遠に」とりもとうとする両親を亡くした兄妹の物語。「回転」で語られた過去を基に、想像力逞しくして作

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鳴りやまぬ警鐘/「メトロポリス」フリッツ・ラング&ジョルジオ・モロダー

鳴りやまぬ警鐘/「メトロポリス」フリッツ・ラング&ジョルジオ・モロダー

「メトロポリス」はご存知で? 
(戸田奈津子構文)

 1927年公開、近未来の超巨大都市を舞台に労働者と資本家の軋轢と、それによって起こる暴動を描いたSF作品であります。

 さらっと言いましたが、スケールの大きな階級闘争を真っ向から描いていて娯楽映画としては実に深刻なものだったりします。監督はドイツ映画の父、フリッツ・ラング。1927年といえば海外ではビートルズのメンバーは誰も生まれておらず、

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【映画雑記】「GODZILLA/ゴジラ」(1998)/作った本人が黒歴史認定、でも面白いよ。

【映画雑記】「GODZILLA/ゴジラ」(1998)/作った本人が黒歴史認定、でも面白いよ。

 20年ぶりくらいにローランド・エメリッヒ監督の「GODZILLA/ゴジラ」を観た。製作と脚本はディーン・デヴリン。90年代に青春を送った人間には好き嫌い問わず記憶される「インデペンデンス・デイ」のコンビです。

 当時は大きな両生類(字幕:戸田奈津子)で無性生殖をして、マグロ食って、ビル街を走り回るゴジラのキャラ変に違和感バリバリだったけど、庵野秀明が考案した段階を経た形態で成長する「シン・ゴジ

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【映画雑記】「ヒッチャー」/There's a killer on the road…

【映画雑記】「ヒッチャー」/There's a killer on the road…

 1986年公開のサスペンススリラー映画、「ヒッチャー」を久しぶりに観ました。

 映画が好きになった80年代の終わりから90年代にかけてテレビの洋画劇場で何度かみたことがありましたが、あまり詳細は記憶にありませんでした。

 ストーリーは至って単純。眠気覚ましの話し相手にひろったヒッチハイカーがとんでもない異常者で、主人公は執拗に命を狙われるハメになるというもの。主人公を翻弄し続ける頭のキレる殺

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【映画雑記】「ワンダーウーマン1984」を遂に観た!(ネタバレあります。)

【映画雑記】「ワンダーウーマン1984」を遂に観た!(ネタバレあります。)

「ワンダーウーマン1984」

 いやー、待たされた。本来は昨年末公開だったのに「ジョーカー」の想定外のヒットで先送りになり、さらにコロナ禍で今年3回も公開が延びた。待った。待ったのであります。やっと…会えたね…。

 やっと会えたダイアナ・プリンス…。
 そりゃもう…凄かった!

 スタッフ、キャストは同じだけど前作とはガラリと趣向を変えたかなり挑戦的な映画だったなぁと一晩たって感心している。

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【映画雑記】「アタリ ゲームオーバー」

【映画雑記】「アタリ ゲームオーバー」

 U-NEXTで配信しているドキュメンタリー「アタリ ゲームオーバー」。
軽い気持ちで観始めたら物凄く面白かった!

 1983年、アメリカのビデオゲーム業界を沈没させた「アタリ・ショック」。そのきっかけを作ったと言われる伝説のクソゲー「E.T.」とそれを作った男。予備知識なしでも充分見られます。アタリといえばティーンエイジライオット。任天堂以前のビデオゲーム業界の先駆者であり覇者。家庭用ゲーム機

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【映画雑記】「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を怒りをこめて振り返れ。

【映画雑記】「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を怒りをこめて振り返れ。

 「映画秘宝」でもかなり尖った記事を書くお二人、高橋ヨシキさんとてらさわホークさんの対談本の中に、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がいま必要以上に評価されすぎている気がするという話題があって、物凄くわかる!わかりすぎる!と思いながら読んだ。この夏も金曜ロードショーで3作連続放送されて、Twitter界隈でも大いに盛り上がってましたね。日本ではおそらく映画評論家の町山智浩氏が初めて指摘したと思うけ

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【映画雑記】観音様とシンボルちゃん。1970年代アメリカンハードコアポルノ。

【映画雑記】観音様とシンボルちゃん。1970年代アメリカンハードコアポルノ。

 ここ数日、ダラダラと1970年代のアメリカの初期ハードコアポルノを海外のアダルト動画サイトで色々と眺めていた。みんなが大好きなPornhubやXvideosの検索窓にvintage pornと入れると、1970〜80年代に制作されたハードコアポルノがヒットするのだ。
 
 いわゆる洋ピンって女優も男優もやたらと「ア〜ッ!イェ〜ッ!カモーンッ!カモーン、ンーッフ!ンーッフ!」ってとにかくうるさい印

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【映画雑記】このたび「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を好きになった人たちへ。

【映画雑記】このたび「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を好きになった人たちへ。

 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(もうめんどくさいからFury Road略してFR)地上波放送により、にわかに新しいファンがたくさん出来たであろうタイミングで2015年の公開当時に書いた感想を引っ張り出してみる。5年前、その異様なまでに高いテンションに圧倒された観客たちのために、絶叫上映なんてイベントまで開催されてまぁとにかく盛り上がった印象のあるFR。しかし、当時、その内容を深く考察する

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【映画雑記】1本のレギュラーより1回の伝説(©江頭2:50)「キング・オブ・コメディ」。

【映画雑記】1本のレギュラーより1回の伝説(©江頭2:50)「キング・オブ・コメディ」。

 「キング・オブ・コメディ」は去年「ジョーカー」の元ネタとしてそこらじゅうでタイトルを聞いたのがきっかけで観た。
 
 俺としたことが、大好きなマーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演の「タクシードライバー」コンビにも関わらず、観ていなかった…。そして、なんで今まで観ていなかったんだと悔やまれるくらい(観られたからいいんですけど)ものすごく面白かった…。

 テレビのトークショーの人気

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【映画雑記】岸田森の「エクソシスト 地上波吹替版」は本当にカッコいいぜ。

【映画雑記】岸田森の「エクソシスト 地上波吹替版」は本当にカッコいいぜ。

 岸田森は最高だ。カッコいい。
2018年夏、その岸田森が声優を努めた「エクソシスト 日本語吹替日本初放映版」をムービープラスで観ることができました。

 「エクソシスト」は今まで字幕でしか見ていなかった。吹替で見る必要を感じなかったからだけど、さすがに岸田森が悩める神父を演じる「エクソシスト」があるならそりゃ見るしかない。だって、岸田森だもの。

 「エクソシスト」はホラー嫌いにも有名で、オカル

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【映画雑記】世の中には2種類の人間がいる。「ゆきゆきて神軍」を観た人と観ていない人だ。

【映画雑記】世の中には2種類の人間がいる。「ゆきゆきて神軍」を観た人と観ていない人だ。

「ゆきゆきて神軍」。

 スキモノは絶対に見ている超有名ドキュメンタリー映画ですが。なんで今まで見ていなかったのだろうと思うくらい滅茶苦茶面白かったっす。

 サブカル界隈でクソ有名な元軍人のキチガイアナーキスト、aka街角のテロリストである奥崎謙三という人物が終戦のどさくさの中で起こったとされる上官による部下銃殺を、映画のキャッチコピー「知らぬ存ぜぬは許しません」を地で行く大迷惑な行動力で糾弾し

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