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【毒親連載私小説】ほどけない糸

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2021年3月の記事一覧

【毒親連載小説#56】オーストラリア編 4〜中庸への道〜

【毒親連載小説#56】オーストラリア編 4〜中庸への道〜

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中国の産婦人科は
男性は入室できない。

私は一人で長蛇の列に並び、
検診結果を待っていたのだが、
中国の医者は忙しそう

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【毒親連載小説#55】オーストラリア編 3〜中庸への道〜

【毒親連載小説#55】オーストラリア編 3〜中庸への道〜

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当時、私はもちろんまだ
結婚はしていなかったので、
少し…いや、かなり焦った。

また、
私の頭の中では結婚前に
妊娠した状況

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【毒親連載小説#54】オーストラリア編 2〜中庸への道〜

【毒親連載小説#54】オーストラリア編 2〜中庸への道〜

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初めはさえないおじさん
だと思っていたけれど、
何度か会ううちに
彼の物静かで優しい雰囲気に
惹かれた。

私の9歳年上とい

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【毒親連載小説#53】オーストラリア編 1〜中庸への道〜

【毒親連載小説#53】オーストラリア編 1〜中庸への道〜

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今でこそよく耳にする
「引き寄せの法則」

何十年前の私は
この概念すら知らなかった。

しかし、こうして
今までのことを振り返

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【毒親連載小説#52】中国渡航編2-6〜リベンジへの道〜

【毒親連載小説#52】中国渡航編2-6〜リベンジへの道〜

この時、30代後半。

年下の彼も私の元を去り、
言いようのない孤独感に
苛まれていた。

「このままこの状態を
続けててもよいのだろうか?」
「私の人生はこのままで
よいのだろうか?」

そんな疑問がたびたび
頭をよぎるようになった。

異国で一人で生活を続ける
言いようのない孤独感。

私はこの気持ちと真正面から
向き合わざるを得なくなっていた。

私は毒親の下で育ちながら、

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【毒親連載小説#51】中国渡航編2-5〜リベンジへの道〜

【毒親連載小説#51】中国渡航編2-5〜リベンジへの道〜

当時、彼は学校に通うために
私の住む地域に住んでいて、
彼は河南省の実家へ
帰省することになった。

新年に日本に帰省していた私は、
日本から持ってきたお土産を
彼に手渡して見送ったのだが、
なんと彼とはこの時を最後に
音信不通で連絡が取れなく
なってしまった。

彼からの突然の音信不通。
私にとっては青天の霹靂だった。

私は一体、何が起こったのか
全く分からないショックで
二週間ほど仕事を休み

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【毒親連載小説#50】中国渡航編2-4〜リベンジへの道〜

【毒親連載小説#50】中国渡航編2-4〜リベンジへの道〜

彼との恋愛は純粋に
とても楽しいものだった。

日本での恋愛と違い、
中国の地方出身の彼は
どこか素朴な雰囲気と
純粋さを持っていた。

彼との時間は
普段過ごす仕事の
せわしない世界とは全く違い
安らぎを感じ私は満たされていた。

「恋は盲目」とは
よく言ったもので、
彼はまだ若すぎるほど若すぎて、
未熟すぎるほど未熟だった。

私自身もこの純粋な恋愛に浮かれ、
冷静さをすっかり見失っていた。

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【毒親連載小説#49】中国渡航編2-3〜リベンジへの道〜

【毒親連載小説#49】中国渡航編2-3〜リベンジへの道〜

私はとある中国人の男の子と
インターネットを通じて知り合った。

「男の子」と表現するのは、
当時、初めて彼の写真を見たとき、
まだあどけなさの残る大学生だったからだ。

彼は私の11歳年下で、
初めは中国語を勉強する目的で
チャットをしていた。

次第に仲が良くなり、
そのうち、チャットではなく、
直接、電話をするようになった。

彼は私の下手な中国語も
笑ったりすることなく
受け入れてくれて、

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【毒親連載小説#48】中国渡航編2-2〜リベンジへの道〜

【毒親連載小説#48】中国渡航編2-2〜リベンジへの道〜

当時は入社たった1年の新人が
こんな話を受けてもいいものかと
ためらったものだが、
そこはアメリカの企業とだけあって、
年功序列よりも実力主義。

実力がある人にどんどん
仕事を任せてもらえる。
そんな自由な職場環境だった。

もともと教育に縁と関心の
あった私にはこの部署配属は
性に合っていた。

私はこの部署で色んな貴重な
経験をさせてもらった。

初めはトレーナー見習いとして
先輩方の新人教

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【毒親連載小説#47】中国渡航編2-1〜リベンジへの道〜

【毒親連載小説#47】中国渡航編2-1〜リベンジへの道〜

私は、
中国で初めて就職をしたり
旦那と出会ったりなど、
中国との縁がとても深い。

政治的な面やモラルの面では
賛否両論あるのだろうが、
私の人生の中で中国という国は、
私が初めて海外に飛び出した時に
受け止めてくれた場所であり、
精神的に支えてくれた
恩人ならぬ「恩国」。

30の時に私が就職したのは
外資系企業のとある
コールセンターだった。

時代はリーマンショック
真っ只中。

一度は決

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【毒親連載小説#46】中国渡航編 1-6〜起死回生の道〜

【毒親連載小説#46】中国渡航編 1-6〜起死回生の道〜

その後、
日本に戻った私の20代後半は
夢も希望もない無味乾燥な
毎日だった。

日本では派遣の仕事を
転々としていたのだが、
物質的生活は送れても、
心は完全に枯れきっていた。

なんとなく仕事をして
なんとなく生活をして
なんとなく1日が終わる…。

そんななんとなくの連続に
私はまた「あの虚しさ」に襲われ、
それを必死でかき消そうと
タバコやお酒を煽るという状況だった。

そんな日々の中で

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【毒親連載小説#45】中国渡航編 1-5〜起死回生の道〜

【毒親連載小説#45】中国渡航編 1-5〜起死回生の道〜

この頃、時代は2002年。

私はやっと親から逃れ、
自分の道を進んでいるかの
ように思っていた。

そんな矢先に私はなんと、
SARSの渦中に見舞われた。

私は突然、平穏な世界から
恐怖の奈落に突き落とされた。

今はコロナが世界中で
猛威をふるっているわけだが、
当時のSARSもまた
原因不明のものとして
中国では大騒ぎになっていた。

私の勤めていた学校も
突然、閉鎖された。

私は社員寮

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【毒親連載小説#44】中国渡航編 1-4〜起死回生の道〜

【毒親連載小説#44】中国渡航編 1-4〜起死回生の道〜

それは、大学時代の時の
北朝鮮専門の客員教授だった。

大学に通っていた当時、
私は朝鮮半島関連のゼミに入っていて、
その時にその教授と知り合った。

北朝鮮に精通する学者で、
北朝鮮からは入国を断られるぐらいの
北朝鮮研究においては有名な人物だった。

私は大学時代の頃、
その教授とよくお酒を飲みながら
話をしていたこともあったので
教授のメールアドレスも持っていた。

私はふっとそのことを思い

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【毒親連載小説#43】中国渡航編 1-3〜起死回生の道〜

【毒親連載小説#43】中国渡航編 1-3〜起死回生の道〜

あの時、
私は授業の準備をするために
事務所で教案を書いていたと思う。

その時、とある人物が突然
私たちの事務所にやってきた。

彼は脱北者だった。

なぜ、彼がここにきたかというと
私が当時勤めていた外国語学校は
田舎町では最も有名な場所で
地元のローカルテレビではいつも
この学校のCMが流れていた。

私は当時「外教(外国語教師)」
として撮影され、
このCMに出演していたのだが
このCMを

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