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【毒親連載小説#52】中国渡航編2-6〜リベンジへの道〜

この時、30代後半。

年下の彼も私の元を去り、
言いようのない孤独感に
苛まれていた。

「このままこの状態を
   続けててもよいのだろうか?」
「私の人生はこのままで
    よいのだろうか?」

そんな疑問がたびたび
頭をよぎるようになった。

異国で一人で生活を続ける
言いようのない孤独感。

私はこの気持ちと真正面から
向き合わざるを得なくなっていた。

私は毒親の下で育ちながら、
ずっと心に強く決めていた
ことがあった。

それは

「結婚はしない」
「子供なんていらない」
「専業主婦だけにはならない」

しかし、この彼との別れから、
かなり追い詰められたことも
あったのだろうか。

何十年もの間、
頑なに閉ざしていた私の本心が、
突然、チラッと
顔を覗かせたかのようだった。

(刹那的な恋愛はもう必要ない。
 私に必要なのは
 人生を共に歩めるパートナーだ)

そこから私は「ある行動」をした。

それは、
自分の正直な想いを真剣に書き綴り、
これをとあるサイトに発信した。

そこで出会ったのが
現在の中国人である旦那だった。

窮地に立たされた状況
だったからなのか?

いや、窮地に立たされたからこそ
腹が決まったのかもしれない。

もう私には失うものは何もない。

そんな捨て身の気持ちだった
からこそ行動ができたのでは
ないかと思う。

年下の彼との恋愛は
色々あったけれども
人生で最も楽しかったし、
私は彼のことをものすごく愛していた。

彼も私に気持ちは確実に
あったと思っている。

だからこそ、
彼とのこんな形での別れは
死ぬほどつらかった。

今思えばだが、
この死ぬほどつらいという
エネルギーが、
今の結婚への道へのバネに
なったようにも思う。

「だから、今はこの別れに感謝する」

…と綺麗にまとめたいところだが、
正直、まだそんな美辞麗句は言えない。

それよりは
「私の気持ちを裏切りやがって、
 親を説得するだけの勇気のない
 この意気地なし!!
 私を捨てたことで一生
 後悔して苦しんだらいい!!
 一生、罪悪感を持ち続けて
 生き続けたらいい!」

これが私の本心だ。

本当の意味で
きれいさっぱり過去のものにして、
笑顔でこの綺麗な言葉を
言えるようになるには、
私はまだまだ道の途中のようだ。

(つづく)

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