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【毒親連載小説#46】中国渡航編 1-6〜起死回生の道〜

その後、
日本に戻った私の20代後半は
夢も希望もない無味乾燥な
毎日だった。

日本では派遣の仕事を
転々としていたのだが、
物質的生活は送れても、
心は完全に枯れきっていた。

なんとなく仕事をして
なんとなく生活をして
なんとなく1日が終わる…。

そんななんとなくの連続に
私はまた「あの虚しさ」に襲われ、
それを必死でかき消そうと
タバコやお酒を煽るという状況だった。

そんな日々の中で
私が思い出していたのは、
あの頃の中国での充実した生活だった。

(時が来たら…またいつか中国に行こう)

そう密かに思い続けていた。

そして、30歳。
私はもう一度、
中国生活のチャンスを掴み、
再スタートを切ったのだった。

(つづく)

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