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境界線の私、国境の島

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孤島の端っこに1人いたい自分と。敢えて人との境界線に身を置く自分と。
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#詩

スコップ 《献詩》

スコップ 《献詩》

この骨は 珊瑚に見えるが 小指です
カチリと当たったその化石
今度は 筆で丁寧に

─ 迎えに参りました ─
─ よくぞ見つけてくれた ─

夢か 現か

海鳴りの呼び声
魂の呼びかけ

水平線に毛細血管
副交感神経が夜明けを告げる
忘却に血が巡る

移入し合った手に持つはスコップ

─ 大腿骨はまだ基地の下 ─

頭蓋のホール(目の奥)が訴える

🌿imo

※友人Hの新作とライフワークに敬意

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リフアト・アライールさんの詩🌿“ If I must die ”

リフアト・アライールさんの詩🌿“ If I must die ”

“ If I must die ” ( Refaat Alareer )

If I must die
もし 私が死ななければならないのなら

you must live
あなたは生きなければならない

to tell my story
私の物語を伝えるために

to sell my things
私の遺品を売り

to buy a piece of cloth
布切れと

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詠む芋(俳句・短歌)#012

詠む芋(俳句・短歌)#012

踏み台にしても構わぬ わが愛を
そのかわり頼む 愛する島を

🌿芋仁

私が「島」と書くのは

(私の心にいちばん近いからだけれど)

一縷の望み
当事者意識を持ってほしいと思っているから

あなたの住むその土地も 島だから

コップの水

コップの水

愛されていない と嘆くより
愛するものがいる(ある)喜びを貫く。

─ みかえりはいらない ─

私が亡きあとも続いてほしいと思える。
どうか 幸あれと願う。

そのために 私も精一杯生きる。

そのための 苦悩だと思えば

私も 生きる 意味がある。

🌿imo

白湯

白湯

白湯の音
白湯のにおい
白湯のぬくもり
白湯の湯気

鼻腔に世界の吐息を知らせ
喉元へおりる出会い

ひとりぽっちの時計が止まる

ひとりぽっちのからだに巡る

水がある
温める火がある

眠いと横になれる長椅子がある

温もりと安堵を手に

平和という水を飲む

🌿imo

( peace for essence )

わたしの涙のささやきが
時を同じくして
海の向こうでも起こった
見えない涙の共振と気づく

ちいさな蝶のはばたき

どうか気づいてほしい
あのひとにも
あなたにも
まだ見ぬひとにも

透明な蝶々の
涙の振動が

やさしく そっと
とどいてほしい

呼び声

呼び声

Luchuの民よ
いつの日か
貧しくとも
自身の足で立とう

悠久に思えるその果てに
かならずや真の自治は来る

悲願は叶う 
問題は その時
以色列になってはいけない(2023〜)
(結局は
こんなマインドを後ろ盾にする基地に
囲まれているのだ
入植されているのだ
侵食されているのだ
わたしたちの島は…)

島が苦しく 島を後にした者よ
それでいい

ただ
島に残った者が
「流浪」を許している

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2024 辺野古 Jan.

2024 辺野古 Jan.

今朝は悪寒がした
気圧と寒さのせいと言い聞かせ
起き上がれない身体を説得した
何も食べられなかった
気象のせいにしてしまいたい
でも海からの叫びが聞こえる
心の痛みは
もはや身体的な痛み
凌辱される島は
私のからだ

🌿imo

2024.1.9(火)夜

島々の ともしび想う それぞれの 秋空に響け 南西諸島🍁

水の底

水の底

🌿

水面(みなも)は
いつも微笑んでいたい

でも
足元には海溝が在る

あの砂浜でくつろいで
何もなかったことにしたい

でも私の宇宙は水の中

怖いけれど
潜れば抱きしめられる

息の続くかぎり

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(※「抱きしめられる」のは、
「抱きしめてもらえる」の感覚。
水に潜れば潜るほど水圧を感じる、あの感覚です。
息も圧も苦しいけれど、包まれる。
“自分”という、

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