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境界線の私、国境の島

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孤島の端っこに1人いたい自分と。敢えて人との境界線に身を置く自分と。
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「芋仁」という名前

「芋仁」という名前

私はほとんどのSNSで「芋仁」という名前を用いています。

「いもじん」と読みます。
「imagine(想像する)」をもじって
「imogine」と綴ります。

幼い頃から想像することが好きでした。両親が共働きで、鍵っ子でお留守番の子ども時代を過ごしました。1人で絵を描いたり本を読んでいても、人形と遊んでいても、木登りしたり空を眺めていても。私の傍には空想という遊び相手が寄り添ってくれていました。

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白湯

白湯

白湯の音
白湯のにおい
白湯のぬくもり
白湯の湯気

鼻腔に世界の吐息を知らせ
喉元へおりる出会い

ひとりぽっちの時計が止まる

ひとりぽっちのからだに巡る

水がある
温める火がある

眠いと横になれる長椅子がある

温もりと安堵を手に

平和という水を飲む

🌿imo

( peace for essence )

人は「飽きる」ことができる

沖縄のことって、あとからあとから。なのだ。

飽きても逃げられない。

沖縄を飽きて去ることができる人が羨ましい。

「黙らせた」「口で負かした」「泣かしてやった」と誇るなら、それは立場の弱い相手ではなく、権力者や自分より強い相手の時だけだ。

都合よく弱者と強者を使い分けるのも怖い。
無自覚でも計算でも。

自分をそんな風に利用したくない。

自分を貶めたくないから
自戒をこめて、ここに記す。

『琉球譚』(Luchu譚)ショートショート〜創作へ至る道程と、心理状態を振り返る〜

『琉球譚』(Luchu譚)ショートショート〜創作へ至る道程と、心理状態を振り返る〜

立て続けに起こる島のつらいニュースに打ちひしがれています。
「慰霊の日」までは、と踏ん張っていました。が、それ以降もなかなか浮上できずにいます。
(個人的な事情にも追い討ちをかけられ精神的に参っています…)

連日の理不尽があまりにもしんどくて…
気を紛らわせるように想い(憂い)を箇条書きにしていました。
最近読んだ『カフカ断片集』の影響もあると思います。
最初は詩のような感じだったのが、だんだん

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『 Luchu 譚 』 (※初めての創作)

『 Luchu 譚 』 (※初めての創作)

幼な子の手
しっかりとつなぎ合い
丘をゆっくりと歩く
長らく刈り込まれた
異国のような芝生面は
やっと息を吹き返し
足元を島の植物が歌っている
しばらく抜けなかった轟音空耳は
今はなりをひそめ
戻ってきた鳥の声だけが響く
遠くに見える海からの風が頬をなでる

かつて
あそこに整然と並ぶフェンスがあった。
(未撤去の箇所には蔓性ゴジラ植物)
村の水源の音が聞こえる。
幼な子はもうすぐ学校がはじまる。

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Jアラート

Jアラート

5/27(月)夜。
私はいつも楽しみにしているEテレ「100分de名著」『魔の山』最終回の終盤を視聴していた。その前にはオンライン読書会にも参加していて、あとはこれを見て寝るだけ…と心地よい時間を過ごしていた。

22時46分
突然、画面が切り替わった。
スマホからの、心臓に悪い音。

「ミサイル」「飛翔体」
「TVは緊急速報ばかり」
いびつなニュースの実態と、
報道の「横並び」に辟易し、
分析・

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わたしの涙のささやきが
時を同じくして
海の向こうでも起こった
見えない涙の共振と気づく

ちいさな蝶のはばたき

どうか気づいてほしい
あのひとにも
あなたにも
まだ見ぬひとにも

透明な蝶々の
涙の振動が

やさしく そっと
とどいてほしい