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元企業コンサルタントのマッチョが語る、ボディビル・フィジーク競技最大の問題点。

先日、FWJ(Fitness World Japan)という団体が主催した
「EVOLGEAR HIDETADA YAMAGISHI, IRIS KYLE JAPAN CLASSIC REGIONAL」
という大会が開催されました。

簡単にいうと、IFBBという世界最大のフィットネス団体の日本支部が開催した、ボディビル/フィジークの大会です(正確には、今回は5つのカテゴリがありました)。
結果として5人の日本人プロが誕生しました。

諸々観ていく中で、競技のおもしろさはもちろん、有名な選手が多数出場していたり、良い面もあったのですが、、、、

今回は良い機会なので、大手コンサルティングファームでスポーツ系のプロジェクトにも関わった経験がある筆者が考える【ボディビル・フィジーク競技の問題点】についてお話しようと思います。


●EVOLGEAR HIDETADA YAMAGISHI, IRIS KYLE JAPAN CLASSIC REGIONALについて

まずはプロになった5名の方、おめでとうございます。
どなたも本当にすごい仕上がりで、信じられないほどの努力をされていたことと思います。
特に筆者はフィジークが好きで、実際フィジークは今回5つあったカテゴリの中でもダントツの人気・競技レベルを誇っていました。

アマチュアのフィジークは通常、身長ごとに4つのクラスに分かれて審査を行い、各クラスの勝者同士がオーバーオールという形で優勝を争います。
簡単に言うと、ワールドカップの一次リーグと決勝トーナメントみたいなものですね(だいぶ違う)。

今回はオーバーオールで優勝した1名にIFBBプロカードが与えられます。
オーバーオールに進出した4名はどなたも世界で通用するポテンシャルを持っている方々で、どなたが優勝してもおかしくなく、本当にレベルの高い大会でした。


問題点①大会運営に関して

今回の大会は市川市文化会館というホールで行われたのですが、新型コロナウイルス対策で入場者をかなり絞っていたようです。
その代わりに、スカパーオンデマンドで大会を中継していました。

大会運営上、収益を上げることも大切なのは理解できますが、フィットネスの発展という観点ではネットで無料配信してほしかったというのが本音。。
おそらく、投げ銭制度なんか作っておけばマニアはお金払ってくれるんですよね。それじゃだめなの?とは素直に感じました。
まあ、外からは計り知れない経営上の事情がいろいろあるんだとは思います。

「海外は~」とか言うのはあんまり好きじゃないのですが、FWJの親玉であるIFBBは、Mr.OlympiaArnold Classicといった世界最高峰の大会をYouTubeで中継していたりします。

個人的には、マニアックなマイナースポーツで終わるのではなく、もっとボディビルやフィジークといった競技が普及してほしいですし、マッチョの存在を皆さんにも身近に感じてもらいたい(?)

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●問題点②競技特性上、審査基準が曖昧

これはボディビル/フィジークだけでなく、体操やフィギュアスケートなど得点系のスポーツ全般に言えるのですが…
印象で順位が決まるので、審査基準がよくわからない

特に世界最高峰の大会は、言うまでもなく世界最高峰の選手たちが集まります。彼らを比較してジャッジするのは困難の極み。
ですので、前年度優勝した人の身体が評価基準になり、特定の選手が連覇し続けるという訳のわからない現象も起こります。

実際、Mr.Olympiaボディビル歴代優勝者を見てみると、連覇が異様に多い
もちろん、ボディビルという競技の特性上、強かった人が一気に衰えたり、無名の人がいきなりデカくなって優勝したりすることは稀です。
…が、それにしてもこんな競技は他になかなかないと思います。

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Mr.Olympiaボディビル歴代優勝者。Wikipediaより引用


●問題点③健康を謳うのがフィットネスのはずなのに、不健康

元々は、フィットネスとは「健康」という意味。
皆さんがダイエットしたり運動したりするのも、「健康」になりたいからですよね?

しかしボディビルやフィジークの競技で勝つためには、

・限界を超えて筋肉を増やすため、週6回のトレーニング
・体脂肪を極限まで減らすため、過激な食事制限、有酸素運動
・筋肉をキレイに見せるため、過度な日焼け
・試合前にはコンディショニングのため、水抜きや塩抜き

など、どう考えても不健康極まりないことをする必要があります。
実際、マッスル北村さんは過度な減量による餓死で亡くなっていますし、Mr.Olympia8連覇のロニー・コールマンは背中のケガで二度と歩けない身体になってしまっています。

筆者も大会に出るために減量をしたことがありますが、人付き合いが犠牲になることも。

減量中はお酒はもちろん、食事にもかなり制限がかかります。
筆者はどちらかというと制限するというよりはカロリー計算ができないのが嫌だったので、居酒屋で味玉とウーロン茶しか頼まないなんてこともありました。。。


●問題点④ドーピング(ステロイド)の問題

筆者は過去のnoteで何度かステロイドのことに言及してきました。

世界最大のフィットネス団体IFBBがドラッグテスト(薬物検査)をしていないのは事実ですし、IFBBの傘下であるFWJ(元NPCJ)も同様です。

一部のボディビル/フィジーク競技がドーピング前提になってしまっているせいで、ドーピングする人としない人の間でものすごい差が生まれるようになっています。
例えるなら、ソシャゲの課金と無課金くらい違う。もはや別競技です。
こんな"スポーツ"は他にありません。

「ボディビルはスポーツではなくショーなんだ!」という反論があります。
そもそも、ドーピングは犯罪ではないので、した人を非難したり裁いたりする理由はありません。
そして確かに、人智を超えたデカいモンスター達が迫力のあるポージングをしているボディビル競技を見ているのは楽しいです。それは認めましょう。

じゃあ、なぜそれを「公然の秘密」として隠すのでしょう?
ドーピングをしてもいい競技です!と公表できないのは何故でしょう?

あまつさえ、ドーピングしてるボディビルダー/フィジーカーが
「このトレーニングをすれば自分のようにデカくなる!このサプリを摂れば自分のようにバキバキの身体になれる!」
と言ってお金を稼ぐのは、どう考えてもおかしい

大前提として自分の身体のだらしなさに言い訳はできないですが、YouTubeやインスタの凄いマッチョはほとんどがステロイドユーザーなのに、それを知らない人がステロイドユーザーの身体を基準にして「そんなに筋トレしててその程度なの?」と言ってくるのは癪でもあります。

他のマッチョを見て、「この人でけえなー!(でもステロイドやってるのかな…?)」とか考えてしまう自分自身にも、ステロイドが裏で蔓延っている昨今のフィットネス業界にも嫌気が差します

「ドーピングしたい人はしてもいいが、自分はしないし、公正を期すためにドーピングしている人は公表すべき。」
というのが筆者の立場です。


●まとめ

ボディビル/フィジーク競技のここがおかしい!

・このご時世に有料配信?
・審査基準が不明瞭
・フィットネス本来の目的とは外れた不健康さ
・ドーピング(ステロイド)が蔓延る世界

以上の理由から、筆者はフィジーク競技ではなく、自分のペースでボディメイクしつつ、扱える重量をしっかりと伸ばすようなトレーニングをしています。


●終わりに

今回は、ボディメイク/フィジーク競技への違和感を記事にしてみました。
自分と違う意見があることは大歓迎ですし、自分の意見が全てとも思いません。
もし知らないことがあったなら、何か考えるきっかけになれば幸いです。

途中でいろいろな人の意見も貼っているので、興味があればぜひ!


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