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社会人教育

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東洋大学「井上円了AIワンダーランド」から考える、大学発わからない人に寄り添うイベントの重要性

東洋大学「井上円了AIワンダーランド」から考える、大学発わからない人に寄り添うイベントの重要性

大学が発信する情報を見ていると、いろいろな大学が社会に向けて魅力的なイベントや講座を開催していることに気づきます。今回、取り上げるのも、そんな大学の社会に向けたイベントの一つ。近年話題のAIを使った、だいぶぶっとんだ取り組みなのですが、こういうものこそ大学がやるべき取り組みなのだと強く感じます。

創立者✕AIという、これまでにないユニークなイベント

取り上げるのは、東洋大学による「井上円了AI

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アウトリーチの質を上げる必須条件!オーキャンの模擬授業が感じさせる、ターゲット設定することの大切さ

アウトリーチの質を上げる必須条件!オーキャンの模擬授業が感じさせる、ターゲット設定することの大切さ

3月に入ってから大学のプレスリリースを見ていると、よく春のオープンキャンパスを伝えるものが目に留まるようになりました。もうコロナの“コ”の時も感じさせないなーと思いつつ、いくつか見比べていると、ちょっとした気づきがあったので、今回はそれについて取り上げます。ちなみに、入試広報ではなく、社会人向けの広報につながる話です。

ターゲット像が見えているオーキャンの「模擬授業」

じゃあ何が気づきになのか

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生涯学習どころか大学の学び全体を底上げする?佛教大学が取り組む、公開講座の学習履歴可視化の意義を考える

生涯学習どころか大学の学び全体を底上げする?佛教大学が取り組む、公開講座の学習履歴可視化の意義を考える

ここ最近の学び直し関連では、リスキリングが注目されているものの、生きがいとしての学びも、平均寿命が伸びている日本社会にとっては非常に重要です。今回、見つけた佛教大学の取り組みは、この生きがいとしての学びを活性化させる有効な一手になりそうなうえ、大学教育とは何かを考える良いきっかにもなりそうだと感じました。

公開講座のジレンマを学習履歴の可視化が救う?

プレスリリースの内容は、佛教大学オープンラ

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武庫川女子大の取り組みから考える。学内にリカレント教育の機会を提供することの、けっこう多彩な意味と価値。

武庫川女子大の取り組みから考える。学内にリカレント教育の機会を提供することの、けっこう多彩な意味と価値。

学び直しの振興は、突き詰めていくと大学だけでどうこうできるものではないのですが、そうはいっても大学はこれを行ううえで非常に重要なアクターであるのは間違いありません。では、大学はどのように学び直しに向き合うべきなのでしょうか。今回、見つけた武庫川女子大学の取り組みは、これをやったら解決する!というものではないものの、推進していくうえでとても重要なところを抑えているように思いました。ぜひ他大学にも広が

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リカレント教育を展開する企業は、ライバルではなく仲間。企業とつながり開拓する、これからのリカレント教育。

リカレント教育を展開する企業は、ライバルではなく仲間。企業とつながり開拓する、これからのリカレント教育。

オンライン環境が急速に整ってきたからでしょうか、ここ数年、大学だけでなく民間でも社会人に向けて学びの機会を提供する取り組みが急に増えてきたように思います。民間が本気になるとサービスを拡充させるスピード感がすごく、たとえばコロナ禍以降のNews Picksの動きなんかを見ているとリカレント教育業界に黒船がやってきた!と、かなりドキドキしました。

今回、紹介したいのは、そんな民間の取り組みと大学とが

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学問を”スパイス”として扱う?学問に無頓着な人にも響く公開講座、龍谷大学の「RYUKOKU CINEMA」を考える。

学問を”スパイス”として扱う?学問に無頓着な人にも響く公開講座、龍谷大学の「RYUKOKU CINEMA」を考える。

大学の公開講座というと、気軽に学問の世界に触れる機会、みたいな位置付けだと思います。今回、見つけた龍谷大学の取り組みも、この範疇に入るのですが、ちょっとアプローチが違うんですよね。こういう学問の伝え方も、門戸を広げるうえでは、けっこうアリなのかなと思いました。

ではどのような取り組みなのかというと、これは「RYUKOKU CINEMA(龍谷シネマ)」といって、映画の上映会とレクチャーがくっついて

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奈良県立大学の濃ゆい教育プログラムから考える。大学が社会に向けて教育プログラムを実施する意図と意義。

奈良県立大学の濃ゆい教育プログラムから考える。大学が社会に向けて教育プログラムを実施する意図と意義。

大学だけでなく企業や自治体など、いろいろな組織が社会人向けの教育プログラムに取り組んでいます。では、そのなかで、大学のプログラムにはどういう特徴があるのでしょうか。今回、見つけた奈良県立大学の教育プログラムは、この問いに対するわかりやすい答えの一つなのかなと思いました。また、これをきっかけに少し考えてみたのですが、どういう公開講座が大学にとって正解なのか、というのは、けっこう悩ましい問題なのかもし

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興味のない人との出会いをどう作り出すか?大学の社会向け広報の大きな課題に立ち向かう、中央大学の教養番組。

興味のない人との出会いをどう作り出すか?大学の社会向け広報の大きな課題に立ち向かう、中央大学の教養番組。

新型コロナウイルスによって、大学の授業だけでなく、公開講座のオンライン化であったり、オンデマンド化も一気に進みました。でも、このような変化が起きるずっと前から、映像による公開講座の提供に力を入れている大学があったのをご存知でしょうか。その大学は中央大学。今回は、この大学が取り組む教養番組『知の回廊』について取り上げていきたいと思います。

この取り組みは、年6本、ケーブルテレビ局であるジェイコム東

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甲南女子大学の公開講座の打ち出し方をヒントに考える、オンライン学習に慣れた世代との新たな関係性のつくり方。

甲南女子大学の公開講座の打ち出し方をヒントに考える、オンライン学習に慣れた世代との新たな関係性のつくり方。

新型コロナが流行ってから、公開講座をオンラインでやる大学が増えてきたというか、それがニューノーマルな開講方法として定着しつつあるように思います。公開講座の担当者からは、オンライン化したことで受講生が増えたという声もちらほら聞いており、少なくともこの種の取り組みに関していうと新型コロナは追い風だったのではないでしょうか。

今回、見つけた甲南女子大学のリリースも、そんな公開講座の変化を感じさせるもの

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大学×”何か”で演出する新たな魅力。学術系イベントを社会に広げる、東大のチャレンジングな取り組みを考える。

大学×”何か”で演出する新たな魅力。学術系イベントを社会に広げる、東大のチャレンジングな取り組みを考える。

大学の講演会やシンポジウムのなかには、参加してみると面白いものがたくさんあります。でもそうはいっても、こういった学術系イベントへの参加に二の足を踏む人が多いのは事実です。今回、見つけた東京大学のオンライン特別講義は、こういう学術系イベントの苦手意識を取りはらう、またとないきっかけになりそう。

……どうでしょうか。イベント名は、『オンライン特別講義シリーズ「東大吉本対話」vol.1 言葉力が世界を

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