花岡 正樹

株式会社hotozero代表、ウェブマガジン「ほとんど0円大学」編集長。大学関連のニュースや出来事について思ったことを思いつくまま書いています。著書『年齢不問! サービス満点!! 1000%大学活用術』(中央公論新社)ほか →hotozero.co.jp

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株式会社hotozero代表、ウェブマガジン「ほとんど0円大学」編集長。大学関連のニュースや出来事について思ったことを思いつくまま書いています。著書『年齢不問! サービス満点!! 1000%大学活用術』(中央公論新社)ほか →hotozero.co.jp

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    限られた私立学校法人のみに与えられたアドバンテージ。長期的な一貫教育をどう捉え、どう活かすのか。

    小中高大、場合によっては幼稚園や大学院までを含めた長期的な一貫教育が行えるというのは、限られた私立学校法人にしかできない大きな強みです。学校法人聖学院は、この長期的な一貫教育を伝える新たな取り組みをはじめたようです。聖学院のリリースを見てあらためて思ったのですが、一貫教育の価値をどうアピールするのかって、実はこの先けっこう大事になってくるのかもしれませんね。 組織ごとに異なる一貫教育の価値をどこでどう伝えるか 聖学院の取り組みは、法人サイトに一貫教育ページを新たに増設した

      • 成功の鍵は”しっくり感”!? 日本女子大のリリースから考える、誰にどう伝えるとブランディングは動き出すのか

        大学だけではないのですが、組織の在り方を印象的に伝え、ブランディングに寄与するものとして、タグラインというものがあります。タグライン?という方は、よく大学名や会社名のロゴタイプの上や下についている、アレというとピンとくるかもしれません。 今回、日本女子大学が創立120周年を記念して新たなタグラインと、その意味内容を伝えるステーツメントをつくったようです。タグラインの内容もそうですが、リリースの出し方がいいなと思いましたので、今回はこちらについて取り上げていきます。 策定の

        • “興味がある人軸”から“興味をもって欲しい人軸”へ。視点を変えないとはじまらない、超少子化時代の入試広報。

          大学や短大の募集停止のニュースを見る機会も増え、18歳人口減少による「大学、冬の時代」の到来が“少し先の未来”から“いま”に変わりつつあることを、肌感覚で理解できるようになってきました。こういった状況もあり、どの大学も入試広報に必死だと思うのですが、そもそも入試広報に力を入れるって、どういうことを指すんでしょう?流通経済大学が新たに開設した高校生向けウェブサイトを見て、頑張る方向性にとても共感が持てたので、今回はこれについて取り上げたいと思います。 伝えるべくは、自大学の魅

          • 近大ではじまり近大で終わった?大学✕コロナの代表例として走り抜いた、近大広報の地力を考える。

            2023年5月8日以降、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行することが正式決定しました。少し考えればわかることですが、新型コロナがある日、突然、世界から消えてなくなるということはあり得ないことなので、社会がどこかで線引して、アフターコロナをスタートさせなくてはいけません。今回の5類への移行は、まさにその境目なのだと思います。このアフターコロナへの一歩を感じさせる大学のリリースを見つけたので、今回はこちらについて取り上げようと

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            ヒントは成蹊大の特設サイトにあり!? “学び方のレシピ”の集積から考える「学修者本位の教育」への向き合い方。

            「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」で示された「学修者本位の教育への転換」は、これからの教育の方向性を示す指針として、どの大学も大いに意識しているように思います。とはいえ、これをどのようにすれば教育に実装できるのでしょうか。多くの大学が模索段階だとは思うのですが、このたび成蹊大学が公開した特設サイトは、この難問を考えるうえで、いいヒントになりそうに感じました。 複雑に絡まり合いながら深まる”学び方をイラスト化”する 成蹊大学の特設サイトの名前は「成長する成蹊大

            ChatGPTは、大学の学びを加速させるのか壊すのか。いま大学が求められる生成系AIとの向き合い方を考える。

            インターネットやスマートフォンの登場で、私たちの生活が大きく変化したように、いま話題になっているChatGPTも、私たちの生活を根っこのところから変えていくテクノロジーのように感じています。連日、ChatGPT関連のニュースが出ており、各大学もこのオーパーツの卵とどう向き合うか、いろんなスタンスを表明しています。進化のスピードが早すぎて、来月ぐらいにはまた状況が変わっているかもしれないのですが、とりあえず流行りにのって、今回は大学のChatGPTに対する対応について書いていき

            学術・研究系オウンドメディアの課題を、”みんな”で解決する「フクロウナビ」プロジェクト開始!

            ホトゼロでは、いろんな大学の学術・研究系の情報を発信するオウンドメディアの運営をパートナーとして協力させてもらっています。これら運営は楽しい業務なのですが、何年もやっているとジレンマというか、このメディア特有の弱みのようなものが見えてきて、これを何とかしたいと思い、「フクロウナビ」という新しい試みをはじめました。年末にこっそりスタートしたものの、年度末まで忙しくて白目を向いていたのですが、そろそろギアを上げていけそうなので、今回はこれについて取り上げようと思います。 学術・

            入試広報にもブランディングにも使える!?駒澤大学の「MiMi KOMA」が伝える、音声ARと大学の相性の良さ。

            街を歩くと至るところで桜が咲いており、春らんまんといった感じです。大学では先々週、先週ぐらいに春のオープンキャンパスを開催するところが多かったようで、それに関わるプレスリリースをいくつか目にしました。今回、取り上げるのも、そんな春のオープンキャンパスのひとつ、駒澤大学の取り組みです。このアプローチは、大学と相性がいいというか、すごく可能性を感じるのですが、いかがでしょうか? 人気芸人の学生時代を現地に訪れて聞く、というエンタメ では、どのような取り組みなのかというと、「駒

            この動画は“お菓子”か“薬”か?大学が高校生向け連載動画をつくる上で意識しておきたい、動画の位置づけ・考え方。

            YouTubeやSNSを通じて高校生が日常的に動画と接するようになっていたところに、コロナ禍に入って大学の通信環境が一気に整備されたことで、大学広報での動画活用は急速に広まりました。今回、見つけた東京経済大学と札幌学院大学の取り組みも、そんな動画を使った広報活動のひとつです。両方とも似た方向性の取り組みで、コロナ禍を経た今だからこそできる取り組みのように感じたのですが、はたしてこういうアプローチは有用なのでしょうか。少し考えてみたいと思います。 コロナ禍を経た、今だからこそ

            大学広報必見!東洋大「LINK@TOYO」から考える、大学メディアの記事特性を活かしたPVアップのアプローチ。

            専門性や独自性のPR、社会に向けた情報発信の意義が高まってきたことで、研究等の情報を伝えるオウンドメディアの運営に力を入れる大学が増えてきています。今回、取り上げるプレスリリースは、そんな大学発オウンドメディアの一つ、東洋大学の「LINK@TOYO」に関わるもの。私が代表を務めるホトゼロでは「ほとんど0円大学」以外にも、複数の大学メディアを運営しているのですが、その経験を踏まえても、今回の「LINK@TOYO」のような取り組みは大学メディアのPV数アップに役立ちそうだと思いま

            武庫川女子大の取り組みから考える。学内にリカレント教育の機会を提供することの、けっこう多彩な意味と価値。

            学び直しの振興は、突き詰めていくと大学だけでどうこうできるものではないのですが、そうはいっても大学はこれを行ううえで非常に重要なアクターであるのは間違いありません。では、大学はどのように学び直しに向き合うべきなのでしょうか。今回、見つけた武庫川女子大学の取り組みは、これをやったら解決する!というものではないものの、推進していくうえでとても重要なところを抑えているように思いました。ぜひ他大学にも広がってほしいので、今回はこちらを取り上げようと思います。 受講するからこそわかる

            ”ジョブ型雇用に対応する”新コース開設告知から考える。広く曖昧なテーマを強く打ち出すことの危うさと難しさ。

            研究者育成に特化した一部の大学をのぞけば、ほとんどの大学は社会や就職を意識して学生の教育にあたっているように思います。今回、見つけた多摩大学経営情報学部に新設される2コースも、この視点が色濃く出たコースです。ただ、これら新コースの売り文句にある「『ジョブ型雇用』に対応する2コース」というのが、めずらしい視点であるとともに、なんとも考えさせられるフレーズだと思い、今回はこれを取り上げることにしました。 「ジョブ型雇用」に対応する学びとは何か 今回、新設される2コースは「実践

            実は”のびしろ”がだいぶある?つぶしがきかない系大学&学部学科の入試広報のあり方を考える。

            存在を伝える、魅力を伝える、入試情報を伝える。ほとんどの場合、入試広報はこの3つの情報を伝えることが目的のように思います。とはいえ、これら活動はとても重要なのですが、これだけでいいのかというと、はたしてどうなんでしょう…?いい大学や学部学科もあるけど、実はそうでない大学や学部学科もあるように思うのです。今回、見つけた清泉女子大学のイベントは、そうでない大学や学部学科について考えるきっかけになったので、こちらについて取り上げたいと思います。 自校のことを伝えるより、まず先にや

            近畿大学「なら近大農法」のプレスリリースから考える、ブランド化のためのリリースという考え方とアプローチ。

            言わずもがななことですが、大学の広報活動においてプレスリリースは大きな意味を持ちます。私もこのnoteやほとんど0円大学のネタ集めのために、毎日チェックをしていますが、大学が伝えたい大学情報を得るうえで、プレスリリースは非常に効率がいいです。今回は、そんなプレスリリースの使い方で、ちょっと面白いなと思ったものがあるので、こちらを取り上げようと思います。発信元は、大学広報の異端児かつ先生といえる大学、そう近畿大学です。 認知拡大を意識して、丁寧にプレスリリースを展開 今回、

            評価が変わると学びは変わる!?金沢工業大学のイベントから考える、これからの学習評価のあり方、伝え方。

            企業が内定を得ている学生の保護者に内定確認の連絡を入れる「オヤカク」というものがあります。最初に聞いたときはけっこうビックリしましたが、今は昔より大学生であっても親の影響力や発言権が強く、また親の子への関心も高いのでしょう。 今回、見つけた金沢工業大学のイベントも、親を意識した取り組みなのですが、こういうやり方もあるのかと興味深く感じました。またよくよく考えると、こういった取り組みを続けていくと、教育そのものも変わっていくのかもしれません。 社会に向けて、学びの成果をまと

            考えれば考えるほど難しい…。地方ができるI・Jターン就職を促進させる、たった一つの効果がありそうなアプローチ

            地方にとって、人口をいかにして維持・増加させていくかは、最重要ミッションといってもいいように思います。人口を増やすには、仕事ができる場を増やす、子育て支援を充実させるなど、いくつかのアプローチがありますが、学生に就職してもらう、というのもそんなアプローチの一つではないでしょうか。今回、見つけた聖心女子大学と北海道との協定締結は、まさにこれを狙ったもののようです。とはいえ、この取り組みだけではないのですが、地方への就職促進というのは、あらためて考えてみると、すっごく難しい取り組