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2021

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#畑仕事

期間限定・菜飯定食

期間限定・菜飯定食

お待たせいたしました菜飯定食でございます。

ご飯は麦飯。

千切りにした生姜をたっぷりいれて

白だしにちょいと醤油を加えて炊き込んで

炊き上がったら塩揉みしたかぶの茎を混ぜ込みます。

お味噌汁は豚汁。

畑でとれた里芋、蕪、人参、長葱と豆腐に椎茸。

切れ端の豚肉の油がいいお出汁。

仕上げに蕪の葉っぱを散らして。

付け合わせには

菊芋の甘酢づけと白菜の漬物。

どちらも柚子の香りがい

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キッチンガーデンの夢

キッチンガーデンの夢

食べる分だけをちょっとずつ。

そんなふうに野菜を畑から摘んでくる。

今日の収穫は

菊芋3個とカブ2つ小松菜と水菜をふた株ずつ。

それとネギとにんじん2本ずつ。

小さな畑にいろんな野菜を少しずつ育てて

食べる分だけをちょっとずつ。

形が悪くても、ちょっと虫が喰っていても、

自分で食べるなら問題なし。

そんなふうに

みんなが小さな畑で

自分で食べる野菜を育てたら

きっともっと食

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菊芋の収穫

菊芋の収穫

初めて育てた菊芋4株

背高のっぽの黄色い花が

根元にたくさんのみのりをこしらえた

背高のっぽを支えるために

四方に張り巡らせた根っこの先の

あちらこちらでみのらせたので

小芋まで残さず掘るのは大変そう

なるほどそれが彼らの生き残り策

掘り残しから次の芽が

新しい命をつないでゆく

芋と言いつつシャキシャキで

百合根のような舌触り

甘味もホクホク感も少ないけれど

高血圧に効く

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キアゲハの子

キアゲハの子

晴れ渡る空 少し冷たい風

病明けの身体を慣らしながら

陽だまりで久しぶりの土弄り

ニンジンの畝で野の草退治 その最中

目に飛び込んで来たキアゲハの子

この親にしてこの子ありの美形

葉茎を喰らい ムチムチのマルマル

ニンジン色のドットが可愛らしい

が よく見れば 周りに仲間もいるし

放置すれば 畝ごと全部丸裸の予兆

ひとさま分の青果を確保するには

心を鬼に虫退治やむなしか

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九里四里うまい十三里

九里四里うまい十三里

数日続けて晴れた秋の週末

やや遅ればせながらさつまいもを掘る

5月の半ばに苗を植え付けてから150日

ほぼ手間なしで育ってくれた孝行者は

この夏の天候不順にもめげないで

四方八方に蔓を伸ばして葉を茂らせ

たっぷりしっかり芋を太らせた

数が欲しけりゃ苗を寝かせて

でかくしたけりゃ突き刺して

植え付けの時に先輩に教わった通り

今年の畑は大きめの芋がゴロゴロリ

数日寝かせてうまみを

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再起動

再起動

思いの外長引いた副反応を振り払おうと

明るい陽射しに包まれた畠に出れば

伏せる前日に播いた種が土を跳ね上げて

背伸びをしながら出迎えてくれる

ご無沙汰していたこの数日の

畑とお日さまの仕事ぶりに笑みが漏れ

くすぶっていた頭痛も一気に晴れ渡る

胸いっぱいに吸い込む久々な感じの大地の匂い

伸びる気満々の活力溢れる芽吹きの萌え色

よし、スイッチ入ったぞ

さぁ、ここから新しい季節を再起

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秋空高く菊芋の花

秋空高く菊芋の花

久々の、

本当に久々のしっかりした太陽

雲は高く流れは早く 

心地よい風が吹く

そこはかとなく 

秋を少しだけ感じながら

長雨に出鼻を挫かれた畑仕事に汗をかく

見上げれば 空近く菊芋の花

人さまの目などお構いなしに

もう手の届かない幹の先 

陽の指す方へと咲き競う

収穫まではまだふた月 

願わくば台風 長雨を乗り越えて

秋が深まるその頃に

豊かな収穫を迎えられますように

青唐辛子醤油

青唐辛子醤油

猛烈な暑さと渇きが続いたと思ったら

前代未聞の長雨と低温と

制御不能な天候不順だった今年の夏

それを乗り越え実った頑張り屋の唐辛子

鷹の爪とペッパーソースにする分を差引いて

早目に収穫してきた100本余の青い実を

丁寧に水洗いして水気を切って

適当な大きさに小口切り

大きめのガラス容器は熱湯消毒

旨味の強い昆布醤油と放り込む

そのまま寝かせて五日間

青臭さと爽やかな辛みがたま

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背伸びし過ぎたスティックセニョール

背伸びし過ぎたスティックセニョール

秋冬野菜に向けてあれこれ走る秋立つ頃

畑の土を養生し植える種苗も万端準備

そこに来たのは時忘れの冷えと長雨

芽吹いたばかりの若い双葉が

太陽恋しと光を求め右へ左へ背伸びする

絵に描いたような徒長苗

これじゃしっかり育たない

好天を待って播き直しだがここから先は季節が早い

収穫時期から逆算すれば残り時間は長くない

降れよ晴よと恐縮ながら

今しばらくは日差し溢れる毎日を

我がはら

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秋のガーデンプレート

秋のガーデンプレート

大汗をかきながら鍬を振り

畑の土の夏休みを準備して

木陰で次の育苗を始めた途端

季節外れの長雨と異常な低温

よろず自然相手のものごとは

思い通りには進まない

どんなに力を込めようと

天気と泣く子にゃ敵わない

気を取り直して深呼吸

ブルーシートを部屋に敷き

畠の名札をリフレッシュ

泥を落としてきれいに拭いて

掠れた夏野菜の名前の上に

新しいペンキを重ね塗り

元気な黄色のプ

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畑の土の夏休み

畑の土の夏休み

茹だるような暑さが続く八月の畑

夏野菜たちも盛りを過ぎて終盤戦

命の水を切らさぬための水撒きと

次の季節への準備に大汗をかく

収穫が済みひと仕事終えた畝たちは

今年の実りに感謝しつつ残渣を撤去

腐葉土を漉き込みながら

よく耕して空気を入れて

たっぷり水を撒いたなら

黒いカバーでピッタリ密封

灼熱の太陽を集めた蒸し風呂で

草の根や地中の虫たちを追払う

そのまましばらく夏休み

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こっちへ来なはれ。

こっちへ来なはれ。

西に傾く炎天の太陽

陽射しの力はまだ強く

大地の熱は冷めぬまま

遥か彼方に立ちのぼる

大きな大きな入道雲

生き物のように湧き上がり

涼しげな濃い紫の影を拡げる

おーい、そこのきみー

そんなところで見てないで

さっさとこっちへおいでなさい

畑の野菜も学校の花壇の草花も

みんなで君を待ってるよー

狙われた縞模様

狙われた縞模様

それは、収穫適期まであと数日に迫っていた。

苗を植えてから2ヶ月半、小さな実をつけてから1ヶ月余

場所も時間もかかるけど、夏一番に収穫が楽しみな君。

日ごとに縞模様がくっきりと浮かんできて

叩けばコンコンと水分たっぷりの音を響かせて

あともう少しと楽しみにしていたのに。

ああ、それなのに、それなのに。

無常にも、それは空中からの刺客に襲われて

外壁を破られ、ぱっくりと傷口を開いてい

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麦わらの相棒たち

麦わらの相棒たち

酷暑続きの夏の日々。

炎天の昼間を避けて、朝と夕に畑に出る。

この時期、仕事は生育管理。

適期を迎えた夏野菜、その成長を手助ける。

朝は収穫・草むしり、夕の仕事は水やり・除虫。

同じルーティンの繰り返しでも畑の様子は刻々変化。

野菜の機嫌を伺いながら、虫や草とも言葉を交わす。

いい仕事にはいい準備。どんなことでも基本は同じ。

今日やるべきことをイメージし、道具を整え畑に向かう。

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