2021

95

残り色

西に傾いた弱い日差しの逆光に

散り残った紅葉を透かしてみると

それはステンドグラスのように

鮮やかな色彩のハーモニーを奏でた

雪虫がちらちらと飛び交い

ひよどりの甲高い声が響く

森を満たす冷たく乾いた空気

記憶の片隅を暖かい紅が染めて

色のない季節が深くなっていく 

ありがとうございます。これからもよろしくです。

晩秋の森にて -11月の星々-

書いておこうと思った。

たとえば、敷き詰められた落ち葉のほんのりとした暖かさを

たとえば、木々の年輪にくっきりと刻まれる厳しい寒さを

たとえば、冬枯れの枝に始まる新しい芽吹きを

たとえば、沈黙した森に響く陽射しが降り注ぐ音を

せめて、言葉を超えたものがあるということを

明日も覚えておくために

ありがとうございます。これからもよろしくです。

期間限定・菜飯定食

お待たせいたしました菜飯定食でございます。

ご飯は麦飯。

千切りにした生姜をたっぷりいれて

白だしにちょいと醤油を加えて炊き込んで

炊き上がったら塩揉みしたかぶの茎を混ぜ込みます。

お味噌汁は豚汁。

畑でとれた里芋、蕪、人参、長葱と豆腐に椎茸。

切れ端の豚肉の油がいいお出汁。

仕上げに蕪の葉っぱを散らして。

付け合わせには

菊芋の甘酢づけと白菜の漬物。

どちらも柚子の香りがい

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ありがとうございます。これからもよろしくです。

木漏れびカフェ

甘い香りの深煎豆を挽き

細砕かれた粉を濾過紙に敷く

一巡りの湿湯でしばし蒸らせば

極上の芳香が立ち上る

細口のケトルから湯を注ぐ

膨らむ泡を壊さぬように

静かに静かにゆっくりと

三角に窄まった錐先から

琥珀の雫が滑り落ちて

白い陶器を満たしていく

こもれび踊る森の窓辺で楽しむ

一連の手作業と淹れたての風味は

どこぞの店にも負けなかろうと独言つ

贅沢な時間 午後のひととき

ありがとうございます。これからもよろしくです。

静けさの森

森の中を通り抜ける晩秋の風

ほんのかすかなそよぎにも

木の葉はさらさら舞い落ちる

かさかさと乾いた音が降り積もる

あとからあとから降り積もり

見る間に大地を埋めつくす

落ち葉に埋もれた木の実を探し

あちらこちらで小鳥の地鳴き

のぞき見る窓越しにあたたかなこもれび

一年の生命のにぎわいのその後

穏やかに来る森の静寂

やがてくる厳しい寒さに凍てつく前に

暖かな毛布で包み込むよう

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ありがとうございます。これからもよろしくです。

キッチンガーデンの夢

食べる分だけをちょっとずつ。

そんなふうに野菜を畑から摘んでくる。

今日の収穫は

菊芋3個とカブ2つ小松菜と水菜をふた株ずつ。

それとネギとにんじん2本ずつ。

小さな畑にいろんな野菜を少しずつ育てて

食べる分だけをちょっとずつ。

形が悪くても、ちょっと虫が喰っていても、

自分で食べるなら問題なし。

そんなふうに

みんなが小さな畑で

自分で食べる野菜を育てたら

きっともっと食

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ありがとうございます。これからもよろしくです。

秋の田んぼとSDGs

毎一日の氏神詣の帰り道

澄み渡る空を見上げて散歩道

水路沿いを歩いて出会ったのは

昔ながらの田んぼの景色

たわわに実った稲を根本から刈りとって

田んぼに建てた竹竿に袈裟懸け天日干し

お日様と秋風を受けて十分に乾いたら

実の部分だけを千歯扱きで梳きとって、

籾殻付きの美味しいお米へ

実を取って残った部分も捨てることなく有効利用

稲藁は家畜の餌や畑の優れた保温保湿材として

精米し

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ありがとうございます。これからもよろしくです。

生姜の掘り起こし

若葉の頃に植え付けてから

春夏秋をじっくり育った生姜の子

ピンと伸びた緑葉が枯れて

いよいよ そろそろ収穫のサイン

土くれの中の立派な塊をイメージし

そろりそろりと掘り出せば

鼻先に感じる爽やかないい香り

薄紅の根本が現れてその先に連なる新生姜

さらにその先にお馴染みの根生姜が顔を出す

煮物に焼き物に炒め物

和食に中華に洋食

どんな料理も引き立てる名脇役は

身体を芯から温め

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ありがとうございます。これからもよろしくです。

秋の風景

冬越し野菜の植え付けを終えて

あれこれ芋掘り作業もひと段落で

今日は畑をひと休み

好天に誘われて近所を散歩

秋ど真ん中をからだに浴びる

見上げれば、天高く遥かに浮かぶ銀の翼

緩やかな川の流れには染め始めの紅と青空、そして白い雲

社の紅葉は陽の当たる場所から染まり始めてグラデーション

銀杏葉は黄色く、桜葉は茶色く

足元の枯葉の間には鮮やかな藍色の竜胆

畑に続く畦の坂道には菊の花

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ありがとうございます。これからもよろしくです。

菊芋の収穫

初めて育てた菊芋4株

背高のっぽの黄色い花が

根元にたくさんのみのりをこしらえた

背高のっぽを支えるために

四方に張り巡らせた根っこの先の

あちらこちらでみのらせたので

小芋まで残さず掘るのは大変そう

なるほどそれが彼らの生き残り策

掘り残しから次の芽が

新しい命をつないでゆく

芋と言いつつシャキシャキで

百合根のような舌触り

甘味もホクホク感も少ないけれど

高血圧に効く

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ありがとうございます。これからもよろしくです。