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140文字小説

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Twitterで日々投稿している140文字小説をまとめたものです。
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#恋愛

LINE教えて (Twitter140文字小説)

LINE教えて (Twitter140文字小説)

 LINE教えて。心で復唱する。

 一週間の練習の成果を漸く披露する。

 隣を向いて、何気なく訊くだけ。

 そう単純な作業なの。

 落ち着く必要など何処にもない。

 体の中にドラマーが棲みついている感覚はきっと気のせい。

 教室の引戸が開き、彼が席に座る。

 行け!

「ガビンのびべて!」

 噛んだ…

ままならない世界と私 (Twitter140文字小説)

ままならない世界と私 (Twitter140文字小説)

「今日も告白できなかった~」

 親友が私の机の前で嘆く。

 伝えたい焦れったさ、伝えられない臆病さ。
わかるよ。

 もどかしいね。

 あなたが羨ましい。

 伝えたい人が在るのだから。

 私が伝えたい人はもういない…

 世界はままならないね。

「ところで先生まだ登校しないね」

 来ないよ。

 私が埋めたから。

魔法使いたいとぼく (Twitter140文字小説)

魔法使いたいとぼく (Twitter140文字小説)

「魔法が使えたらいいのになぁ」

 彼女はよく本気か冗談か区別がつかない。

「それはどっち?」

 区別がつかない時、僕はこう訊くように自分に課している。

「本気」

 今日は本気だったらしい。

「だって相変わらず伝わらないしさ」

 彼女は何を伝えたいのだろう。

 僕は二択すらわからないのに。

あとがき

気持ちを伝えたい積極女子と鈍感男子の恋模様を、形にしたいと思って作りました。

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memo (Twitter140文字小説)

memo (Twitter140文字小説)

 パラパラと頁を捲る。

 書き写した授業の記録は綺麗に整えられている。

 彼女の几帳面な性格がよく伺える。

 ふと奇異なメモが目に止まる。

『KA好''き』

 K.A.?俺じゃない。

「坂口!やっぱ返して!」

 彼女は頬を真っ赤にして引ったくった。

 動揺する俺を周囲は冷やかす。

「一樹~振られたな~」

あとがき

ニヤニヤとしたい青春をイメージして作りました。

青春はいいで

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花冷えに紅葉 (Twitter140文字小説)

花冷えに紅葉 (Twitter140文字小説)

 想像よりスッと闖入された。

 抗うはずの腹直筋は盾の役目を果たさず、簡単に破れた。

 針の痛みがまだ脳に刺さるかもしれない。

 尖った痛みではなく、鈍い痛みがじわりと波紋のように広がる。

「……ごめんね」

 女が雫を垂らす。

 いいから行けと、おとがいで示す。

 掌に紅葉。

 花冷えだが、まだ早えだろ。

 あとがき

 悪い男なりの優しさを表現したく、執筆してみました。

 ラ

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記念日~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

記念日~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

「来週なにがあるか知ってる?」

 茜は水を向ける。

「梅沢富美男の誕生日だろ」と陸は空を仰ぎながらとぼける。

「なにそれ?そんなの知らないよ」

 茜はもういいと頬を風船にしてさっさと歩き出す。

「恥ずいから言わねぇよ」

 呟く陸の鞄には初デート記念のキーホルダーがきらりと煌めく。

あとがき

困った時の茜と陸シリーズです。

この二人は勝手に動いてくれるので、作者としては非常に楽です

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あれ (Twitter140文字小説)

あれ (Twitter140文字小説)

 掃除が終わったあとの気怠い放課後。

 机に突っ伏し、窓を見遣るとオレンジのような赤々と焼けた太陽がある。

 あの人が指で器用に転がす「あれ」によく似ている。

 今日も体育館で懸命にドリブルしてるのかな。

 あの人は「あれ」に恋してる。

 わたしは「あれ」に恋するあの人に恋してる。

あとがき

綺麗な夕陽がボールに見えて浮かんだ作品です😊

ちなみに私はバスケ経験は皆無です😅