直木賞候補

『熱源』

『熱源』読んでいるけど、とてもいい。先日文庫化された宮内悠介著『カブールの園』と共通するところがたくさんある。前者は北海道や樺太を舞台にした19世紀末から40年近くをアイヌのヤヨマネクフとサハリンに流刑されたポーランド人のブロニスワフふたりを主軸に描いている。後者は現代アメリカのIT企業に勤める日系三世を主人公にしている。
どちらも祖国、母なる国から離れた場所で生きる、そのためには母国語ではなく今

もっとみる

柚木麻子『BUTTER』(新潮社)

2017年の読書記録。

柚木麻子『BUTTER』(新潮社)読了。木嶋佳苗をモデルにした梶井真奈子と、彼女のインタビューを取ろうとする週刊誌記者里佳のぶつかり合いの物語、に、途中から第三の主役も浮かび出て、物語の展開が全く読めない。これは柚木麻子の4回目の直木賞候補作で、そろそろあげようよ、とも思うが、余りに肩に力が入りすぎている感じで、読んでいてちょっと疲れる。彼女が描こうとしているのは、一貫し

もっとみる
読んで下さってありがとう♪♪♪
4

森見登美彦『熱帯』(文藝春秋)

「汝にかかわりなきことを語るなかれ しからずんば汝は好まざることを聞くならん」

佐山尚一という消息不明の作家が書いた『熱帯』という小説、入手した人は心を掴まれながら、読了する前に本が消息不明となり、読み終わった人は誰もいないという。『熱帯』の結末に執着する人々が集まり、自分の記憶の中にある『熱帯』の断片を披露し合い、少しでも核心に迫ろうとする読書会、その参加者の駆け引き、抜け駆け、対話の中から浮

もっとみる
是非他の投稿も読んで下さいね!
1