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大切な人に話してますか【クロコダイル・ティアーズ】

「自分の気持ちを伝えられないと
こんなに不幸になるのか」

読了後真っ先に思い浮かびました。

・一度信じたり疑ったりしたことを覆すのは難しい

久野康平は、妻想代子の元彼に殺されました。
その裁判で、元彼は「想代子に頼まれた。旦那のDVがキツイって」と言いました。

その言葉が、康平の母である暁美に重くのしかかりました。それ以来、彼女への疑念が晴れません。
その結果、病気になってしまいました。

それに対して康平の父貞彦は、
想代子を信じ切ってました。
康平の息子那由太(貞彦にとっては孫)を
失いたくないという気持ちが強かったでしょう。

元々仲が良かった夫婦ですが、
この件以来、ギクシャクしました。
どちらも、一度信じたり疑ったりしたことを
「ホントかな?」と考えることはありませんでした。
覆すことが難しいと思いました。

・正直な気持ちを言えない不幸

最終章は想代子の話になります。
「一体この人は何を考えているんだろう?」と
思いながら読み進めました。
それまで、想代子の心情について
全く触れられていませんでした。

最終章を読み出して
「自分の正直な気持ちを言葉にできない人なんだなぁ」と感じました。
そのせいで、人間関係の構築に苦労してました。

「こう振る舞えば相手は喜ぶ」
そうは思いつつも、上手くできないため、
相手の神経を逆なでしてしまいます。
時には暴力で返ってくることもありました。

「繕っても上手く付き合えない」
こんなことを想代子から学ばされました。

・感想

「お互いの気持ちを言えないとこんなに不幸なことになるのか」

特に想代子と暁美を見て感じました。

夫が死んで悲しいけど、涙が出てこない。
泣こうとしたら、姑から「嘘泣き」と言われる。
悲しいはずなのに、そう言われて哀れでした。

暁美も、息子が死んでからも一緒にいる嫁に対して、疑ってることを口にできずに抱え込んで重い病気になりました。
心筋梗塞、後にうつ病にもなりました。

この2人がお互いの気持ちを話せたら、
もっと違う人生だったのではないかと感じました。
その気持ちは口にしないと相手に伝わらない。

以上、ちえでした。
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