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163回直木賞候補どれ読む?

羽田椿です。

noteに読書感想文を書くことにしたので、直木賞縛りで本を読んでみることにしました。

本を買いに大きめの本屋さんに行くと、レジの横に本屋大賞の特設コーナーがありました。

本屋大賞強いなあと横目に見ながら、直木賞の特設コーナーもあるよねと、平積みのところをぐるぐる見て回ります。

…全然見つかりません。

仕方ないので店員さんに聞くと、
「まだあんまり入ってきてないんですよね」
と言いながら、文芸書棚の隅の一画に案内してくれました。

直木賞候補作が五作、平積みではなく、棚に立てて、表紙が見えるように並べてあります。
直木賞のポップはあるものの、どの本も一、二冊ずつしかなく、コーナーというよりは、とりあえずかためて置いてあるという感じでした。
それでも全部の作品があったので、ぱらぱら眺めながら選ぶことができました。

で、最初にどれを読もう?

注意)本の選び方が非常にネガティブです。


一冊目『少年と犬』

まずは受賞作、馳星周さんの『少年と犬』

表紙の犬さんが凛々しくていいです。

でも、あんまり気が乗らない…

「動物を使うのは、ずるいとわかっている」
受賞会見で、馳星周さんがそんなようなことを言っていました。

ずるいとまでは思わないけど、「ここを押せば大抵の人は感動するんでしょ?」というボタンのひとつだとは思います。

けど、わたしの動物感動ボタン壊れてるみたいで。

小説に限らず、動物ものの作品はたくさんありますが、落としどころのバリエーションはそんなにない気がします。

先が読めてしまうと、よほど上手く誘導してもらわない限り、きっと冷めた気持ちで読んでしまう。

これは後にしよう…


二冊目『 じんかん』

次は、今村翔吾さんの『じんかん』

表紙がかっこいいです。

こちらは時代ものの長編。けっこう好きなジャンルです。

ん? そういえば、時代ものも先が読めるというか、むしろ結末を知ってるのに、楽しめちゃうのはなんでだろう。

単に、わたしが愛とか絆とかの話で感動しにくいのか、飽きてるだけなのかもしれないなあ。

…話が逸れました。
『じんかん』にもどります。

主人公は松永弾正。

この人は作品によって悪人だったり志のある人だったり、いろんな書かれ方をするので、本作ではどういう解釈がなされているのか気になります。

けど、戦国時代はそこまで好きじゃないしな。

松永久秀のビジュアルイメージが、信長協奏曲の変なまゆげのヤクザおじさんで止まってるのもマイナス要因です。
(年末くらいには吉田鋼太郎になってるかもしれません。)

読んだら絶対おもしろいとは思いますが、とりあえず保留です。


三冊目『能楽ものがたり 稚児桜』

次は澤田瞳子さん『能楽ものがたり 稚児桜』

能の曲目を澤田さん解釈で新たに書いたという感じのもの。

これも時代もの。短編集ですね。

これでもいいかな。

でもタイトルと表紙がなんかな。

能の曲目って幽霊がよく出てくるイメージがあるし、うらみつらみの話かもしれない。

主人公をバチバチに辛い目にあわせて、切ない感動にもっていくみたいな感じ。
(あくまでもタイトルと表紙からの勝手なイメージです。)

うーん。


四冊目『雲を紡ぐ』

伊吹有喜さんの『雲を紡ぐ』

「分かりあえない母と娘」と帯に大きく書いてあります。

あと、布を作るみたいです。
染めて、紡いで、織って。

手仕事を通して、自分と向き合うとか、家族を再生するとか、そういう話になるのかな。

けど、わたし家族もの感動ボタンも壊れてるみたいで。

こういう話も落としどころはひとつという気がするし、そこに到る道のりもだいたい似たようなものじゃないのかな。

という疑いが拭いきれない。

表紙の絵も題字のフォントも、いかにもな感じで、好きになれません。

これも後まわしにしよう。


五冊目『銀花の蔵』

最後は、遠田潤子さんの『銀花の蔵』

タイトルと表紙がまったくそそられないな。
最後の一冊なのにどうしよう。

タイトルで勝手に江戸ものだと思ってました。
貧乏人の娘が江戸の商家に奉公に出され、艱難辛苦を乗り越えて、みたいな話。

実際は昭和の醤油蔵の話みたいです。
「圧巻の家族小説」と帯にはあります。

家族小説はなあ。
ボタン壊れてるから。

ちょっと気になるのは座敷童が出るらしいというところ。
妖怪とか好きなので。

あと著者の方がファンタジーノベル大賞出身というのが意外でした。
当たりの多い賞という印象があるし、いいかも。


そんなわけで、まずは『銀花の蔵』を購入してきました。

普段の読書の間に読んで、感想文をnoteにあげてみたいと思います。

来月、直木賞の選評が載ったオール読物が発売になるので、それまでに五冊読めるといいなと思っています。

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