マガジンのカバー画像

228
noteに投稿した詩をまとめました。 (pixivでは、過去作や詩集等も投稿されてます。よければそちらもよろしくです!→https://www.pixiv.net/users/6…
運営しているクリエイター

#傷

「綺麗に見えた」(詩)

「綺麗に見えた」(詩)

この目に移る肉体も。

心も。

傷口なんて見えやしないのに。

理解してしまう。

少しずつ削られて。

再生を繰り返している。

どれだけ醜くても。

どれだけ傷ついたとしても。

気付けば、前に進んでいて。

とうとうここまで来てしまった。

ただ、死にたくなくて。

どれだけ辛くても

生きることを諦めたくなかったから。

ネガティブな心の毒を

吐き出すように。

素直な言葉を詠い出した

もっとみる
「消えない傷に誓う。」(詩)

「消えない傷に誓う。」(詩)

例えば、幼かったあの頃。

誰にも認められずに生きてきたとして。

誰かに傷つけられたとして。

それが過去の記憶だとしても。

どれだけ時間が傷を癒しても。

思い込みでも。

もう大丈夫なんだと、知っていても。

心の底では、怖がっている。

出来た傷から、溢れた血。

補うことは出来ても、元の血は戻ってこない。

いつかの傷は、記憶に残っている。

手は動いている。

足にも血は巡っている。

もっとみる
「青色の紫陽花。」(詩)

「青色の紫陽花。」(詩)

溢れた傷から、流れている。

包帯から、滲んでく。

卑屈になっていく。

認めて、その上で自ら傷つける心。

水に生けた心の花。

雨の中、青色の紫陽花。

花言葉は「無常」

この世に不変のものなどない。

この花だって、散ってしまう。

自分の弱さを深く悟る。

変われない臆病さを。

精一杯、強がっている。

それは、明日を生きる為に。

きっとどこまでも行けると、そう信じて。

心の花と

もっとみる
「なき痕。」(詩)

「なき痕。」(詩)

目立つ傷は心の中。

何度泣いても枯れない涙が。

僕を僕だと証明してくれている。

霧の先は雨で。

心を覆う。

だんだんと笑えなくなってくる。

劣等と劣情。

足りないものばかりだ。

思考回路すら回らない。

曇り空は、些細な時間の経過で晴れるけど。

笑顔は辺りに転がっているけど。

僕が過去に目を背けるのは、きっと。

もうこれ以上、

傷つきたくないからなんだろう。

後には引けな

もっとみる
「夢と逃避行。」(詩)

「夢と逃避行。」(詩)

心に溢れる言葉を

綴って、さらけ出す。

傷だらけの夢と恐怖。

じわじわと蝕む手前には神社。

誰かが自分の目の前に現れる。

その瞬間に焦燥を。

破滅へと導くファムファタール。

手を引いた夕日の海へと

沈んでいくイメージ。

思い出しては。

駅から見える景色

此処が始まりのスタートライン。

現実から逃げ出しても、

すぐに追い付かれてしまうのが。

どうしても痛くて、苦しいけれど

もっとみる
「過ぎ去った過去へ。」(詩)

「過ぎ去った過去へ。」(詩)

過ぎ去った過去は

もういない。

取り返すことも出来ない程遠く。

新たな人生へと進んでいく。

失ったものは多くても

得たものも多かっただろうから。

多分、一生忘れない傷。

弱い自分に深く刺さって。

治らないだろうけど。

それでも。

青空の下

これからも生きていく。

空には羽が舞い

雲は相変わらず風に流れていく。

これが正しかったかなんて知らない。

今が正しいのかなんて分

もっとみる
「青春。」(詩)

「青春。」(詩)

きっかけは些細なことで。

誰かに背中を押されて。

僕は天国へも地獄へもいける。

手探り寄せた唯一が、

誰かに誉められた時。

頑張ったことを、

誰かに認めて貰えた時。

誰かが、

自分を必要だと言ってくれた時。

僕はそれに打ち込んだ。

マフラーから吹き荒れる風。

ちぎれたメモを拾う。

(……そこに、何が書いてある?)

きっかけは

ほんの些細なことで。

何かが背中を押したか

もっとみる
「re·overdose.」(詩)

「re·overdose.」(詩)

幻覚の中、私は動けない。

遠くを見つめるごとに視界が霞む。

思考が奪われ、

体に空気が滲んでいく。

とおくで。

アイスみたいな香りがした。

冷たくてあまい

そんなかんじ。

焼き菓子みたいな香りがした。

あたたかくてふわふわ

そんなかんじ。

掻き鳴らす自分。

理想の中の自分は

綺麗で。

腕になんか傷はない。

心になんか傷はない。

絆創膏になんか頼らなくても。

包帯な

もっとみる
「ドレスアップ·ナイフ!」(詩)

「ドレスアップ·ナイフ!」(詩)

着飾った心の痛み。

精神崩壊に追い詰められた

誰かにとっては、

どう足掻いても僕は滑稽だ。

目の前の他人を傷付ける魔法。

呟いた言葉のナイフで

知らない人を刺して蔑む。

周りの人への態度。

自分と相手の違いなんて分からない。

他の人がダメで、

僕が許されるだけの意味が分からない。

「……飽きるまで、僕を刺せよ。」

心の深く、ひび割れた傷に痛みが走る。

他人の目の前を遮った

もっとみる
「傷だらけの逢瀬。」(詩)

「傷だらけの逢瀬。」(詩)

わかりたい。

心は止まらない。

想う度に苦しくなるのは。

足だけは止まってしまうのは。

きっと傷があるから。

きっと生きているから。

生きたい

死にたい

二分されては、皆繰り返している。

楽しいこと。 

痛いこと。

モルヒネじゃ和らぐだけだ。

包帯じゃ傷を塞ぐだけの延命だ。

根本を覆したい

心に青いバラを生ける。

水面に揺れる自分に

物憂げな表情を見る。

白い息を

もっとみる
「取扱注意と説明書。」(詩)

「取扱注意と説明書。」(詩)

抱えるもの

心と傷と後は全部忘れた。

止まらない言葉

慕う想いが溢れて。

自分の中の衝動

収まることを知らない。

傷付けて、傷つけられて。

繊細な心に嫌気が差した。

色んな人の面倒を見ては擦り減るばかりで。

自分の事を後回しにする。

ダメだと分かっていても止まらないんだ。

歪な状態。

目の前の人は何を思う?

愛してほしいと願うばかりだ。

大木に寄り添って

目を瞑る。

もっとみる

「旅立つ青空。」(詩)

朝、目が覚めて。

窓の外から、覗くセカイは

いつまでも綺麗で。

一瞬だけ
暗く、透明に滲む。

この目に移る景色。

流れていって。

影に隠れて。

想い出は
とおく、遠く。

僕はそおっと、背を向けて。

夕日から逃げた。

囲う灯りから遠ざかった。

走って、走って、繰り返して。

……またひとつ、誰かとの関係を失う。

暗い部屋の中。

後悔したって、寂しく想ったって。

わかってい

もっとみる