「旅立つ青空。」(詩)

朝、目が覚めて。

窓の外から、覗くセカイは

いつまでも綺麗で。

一瞬だけ
暗く、透明に滲む。

この目に移る景色。

流れていって。

影に隠れて。

想い出は
とおく、遠く。

僕はそおっと、背を向けて。

夕日から逃げた。

囲う灯りから遠ざかった。

走って、走って、繰り返して。

……またひとつ、誰かとの関係を失う。

暗い部屋の中。

後悔したって、寂しく想ったって。

わかっているんだ。

「別れは、そのうちやってくる。」

それはきっと。

好きか嫌いかなんて、関係はないんだ。

苦しみのあと。

新たに踏み出す一歩。

見知らぬ他人にとっては、

とても小さいものだろう。

けれど。

僕にとっては、明日を生きる為。

心の穏やかな日常を夢見るため。

……そして、望んだ末路を迎えるための。

大きな一歩なんだ。

旅の終わりと、確かな始まりなんだ。

痛みの中。

心をボロボロと刻み落とす。

滲む傷痕に、それでも微笑んで。

そよ風が僕を導いて。

空を見上げた、その先に。

これからを。

----僕が取り戻した、旅する青空が見えた。

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