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「綺麗に見えた」(詩)

この目に移る肉体も。


心も。


傷口なんて見えやしないのに。


理解してしまう。


少しずつ削られて。


再生を繰り返している。


どれだけ醜くても。


どれだけ傷ついたとしても。


気付けば、前に進んでいて。


とうとうここまで来てしまった。


ただ、死にたくなくて。


どれだけ辛くても

生きることを諦めたくなかったから。


ネガティブな心の毒を

吐き出すように。


素直な言葉を詠い出した。


誰かに聞いて欲しい訳じゃない。


ただ、自分を証明したかっただけ。


生きてきた価値を

見いだしたかっただけだ。


この目に移る肉体も。


心も。


傷口なんて見えやしないのに。


分かってしまう。


時を重ねる内に。


他者と関わる内に。


少しずつ削られて。


そして、壊されていく。


他者と関わる内に。


大好きを愛する内に。


何度も再生を繰り返して。


新たな私が作られていく。


その痛みを誤魔化して。


ついに私は

ここまで来た。


ひとつの極点で、空を見渡す。


ほんとは

何もかも穢れているのかもしれない。


……私だって、そうかもしれないけど。


それでも

星は輝いていた。


それでも

空は青く輝いていたんだ。

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