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やりたいことは自分で決められる

子どもたち二人も大きくなりました。

上の娘は、「保健師になる」と親元から離れた大学で勉強しています。
下の息子は、「農業をやる」と県立の農業高校を選んで、今後の進学先も自分で見つけてきました。

こんなこと言ったら身も蓋もありませんが、私は何もしていません。

実際に8年間も離れて暮らしている身ですし、一緒に暮らしていた時でさえ出張ばかりでしたから子供の勉強に関わったことは自慢じゃないですが一度もないくらいです。

ただ、大事にしてきたのは関係性でしょうか。

人に迷惑をかけずに、笑顔を忘れずに生きてくれてさえいたらそれでいいかな、というのが根底にあります。

妻もうるさく言う人ではありませんので、子供たちの居場所は充分過ぎるほどに用意してくれていましたが、それ以外は特に何か親が示唆することなく、子供自身が自分の進路を選んでいました。

相談されたら選択肢を増やす手伝いはしましたが、基本的には子供たちが自ら選び取った選択を否定することなく、ただ後押ししてきただけです。

こうして、何も親らしいことをしてきていない私ですが、世間的には一応親ではありますので、同じ親としての悩みを抱えている人の相談に乗らないといけない場面がたまにあります。

正直、他人の家のことなんてどうでもいいですし、関わりたくないというのが本音なのですけどね。

聞いてみると、子供の教育方針で夫婦喧嘩をしたと。犬も食わないやつです。

どうやらお母さんとしては「小学生のお子さんのため」にと、放課後のスケジュールは毎日習い事を学ばせるために詰め込んでいるようです。

それに対して、普段少しでも意見をするとおそらくはその何倍もの勢いで言い返されてしまうからか、たまにお酒の勢いを借りて遠回しに「子供がかわいそうだ」という意見を伝える旦那さん。

普段は何も言わないくせに、いざという時だけ母親である私を悪者にしてくる、とそんな訴えでした。

私の教育方針は前述したとおりですから、当然このお母さんとは価値観が全く合わないのですよね。

面倒に思いながらも、一応訊いてみました。

何をもって「お子さんのために」と考えているのか、と。

すると、「将来、路頭に迷わないように勉強したら選択肢は広がるし、そのための教養は大事だと思って(私が)塾を選んだ」との答えでした。

話を聞いていてずっと気になっていたというか、お子さんのために泣きたくなってきたのが、このお母さんはずっと「私が」という主語なのですよね。

お子さんの話なのに「私が」なのです。塾を選んだのも「私」なのです。どこにも「お子さんが」という話やお子さんの選択がないのです。

案の定、塾に通っているのに成績は上がっていないようです。その反面、これだけは続けたいとお子さんが楽しんでいる英会話教室の成績は良いとのこと。

やらされていて結果を出さないのは、お子さんの精一杯の抵抗なのでしょうね。

わざわざ私に相談されてきたので、私なりの意見は伝えました。

・ お子さんご自身がどうしたいのか、一切口を挟まずに最後まで訊くこと。
・ 「お母さんの発言イコール圧力」なのだと自覚すること。
・ すべてはお子さんが自分と向き合って決めていけばいいこと。

これが私の考えだとお伝えすると、「子供に決めさせて放置したら、勉強が全く出来なくなると思う」と返事がありました。

それが何かお母さんに関係ありますか、というのが私の答えです。

勉強できなくて困るのは子供であってお母さんではありません。

困った時に、どうするのか、どうしたいのか考えるのは子供自身です。その子の課題です。

あなたが嫌なのは「勉強できない子の母であること」や世間体であって、それはあなた自身のエゴであり、お子さんには関係のない感情であり、本当に嫌なことを言うけれども私の中ではあなたみたいな人も「毒親」のくくりに入っている、とお伝えしました。

我ながら酷い発言だとは思いましたが、わざわざ相談してくださったのに、なぜ共感せずに厳しく伝えたかと言うと、同じように親にスケジュールをぎゅうぎゅうに詰め込まれて自ら命を絶った妹の同級生とその姿が重なったからなのです。

とても聡明な子でしたけれども、自分の感情を押し殺したまま親の言いなりに習い事を続けた上で、最後は追い詰められてしまいました。

成績にどれだけ二重丸があるかどうかよりも、家族や友達と一緒にいる時にどれだけ笑ってくれているかの方が大事だと、私は思っています。

私自身、自分たちの人生を楽しむことを優先させている両親のもとで育ってきたことも関係あるかもしれませんが、親がこういうスタンスでいる限り、子供の教育方針について夫婦喧嘩をすることさえありません。

我が子が路頭に迷った時には、頼られる親子の関係性があることの方が大切なのだと思っています。

「お子さんが自ら決められるようになるような関わり方」ができれば、親子の関係も夫婦の関係も今よりは改善できるのではないでしょうか。

変わるのはお子さんでも旦那さんでもなく自分自身の在り方、と結局いつも同じことしか言っていないのですよね。

放任主義の私に教育ママさんが相談することが、そもそも間違えているのだと思います(笑)

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