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ミステリーよりも人間関係

これまで多くの本を読んでまいりました。

移動時間の多かった時には、年間250冊くらい読んでいて上司に制止させられたこともあります。

そして、家に置いている未読の蔵書数は1,800冊あまり。

今から月間10冊ずつ読んだとしても、あと15年かかります。

どうするのでしょう(-_-;)

様々なジャンルの本を読んでくると、不思議なものでどれも嫌いにはならないのですが、今の時期にはこういったジャンルはあまり読みたくないとか、なぜかひたすら同じジャンルばかりにハマってしまう周期もあったりします。

以前は、ミステリー色の強い話が好きでした。

いわゆるフーダニットというジャンルですね。

「Who done it?」の略。
「誰が犯行を行ったか」という意味。
犯人の解明を重視した推理小説。

ところが、だんだんとトリックの種明かし的な話よりも、物語の中の人間模様や、主人公の生き様の方に興味を持つようになってきて、ミステリー色よりはハードボイルド色の強い小説に惹かれていきました。

トリック物があまり馴染めなかったのは、作家によってはストーリーそのものよりも、そのトリックを物語の中で使いたいがために無理やりな展開に持っていっているような傾向が見受けられたからです。

また、そうした中で理不尽に犠牲者が出るストーリー展開というのもあまり好みませんでした。

漫画の名探偵コナンに未だに興味が持てないのも、そんな理由からかもしれません。

海外小説のシリーズものなどは本当によく読み漁りましたし、今でも沢山ストックの中に含まれています。

ところが、ハードボイルド物もどうしても主人公が探偵だったり警官だったりすることが多いため、やはり犠牲者がつきものです。

どうやら私は物語の展開そのものというよりは、やはり主人公の内面描写や周囲の人たちとの関係性の構築の在り方やその空気感に浸ることが好きなのでした。

そして、徐々に穏やかな感じの話を好んで読むようになっていきました。

私が特に好きだったハードボイルド小説であり、人間模様が楽しめたのが、後期の方の「スペンサー・シリーズ」です。

寅さんではありませんが、主人公とパートナーの女性、そして頼れる相棒や仲間たちとの心地良くもシニカルで思想的なやり取りとその関係性は、いつ読んでもいつまで読んでも飽きない偉大なるマンネリズムとでも言えるものがありました。

機知に富んだ、ユーモア溢れる会話と言えば、伊坂幸太郎の小説なども好きでした。
これも、できれば事件性の少ないものがいいですね。

娘も、私の本に囲まれて育ってきましたから、小学生の高学年になってからは本棚から勝手に手にして読みふけっていました。

中には、「おいおい、それは子供が読んでいいのか」というような大人な内容のものもありましたけど。

たまに、「何かおすすめある?」と連絡が入りますので、伊坂幸太郎の本などは何冊か紹介した覚えがあって、読後に「面白かったよー」と連絡が入るのは嬉しいものですね。

最近案内したのは「東京バンドワゴン」。

小学生の時にチャレンジして難しかったようですが、また読んでみると返事がありました。

残酷な事件を解決していく物語でハラハラドキドキするのもいいですが、「人間っていいな、人との繋がりっていいな」とほっこりと温かいものを胸に沢山抱いて暮らしていて欲しいなと、離れて暮らす娘への勝手な親心が生じるのです。

人を立てて戸は開けて万事朗らかに行うべし ー 「東京バンドワゴン」 堀田家 家訓より

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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