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お客様を巻き込まない

以前のコラムでも同じようなことを書きましたが、飲食店における店員同士の人間関係について。

より良い関係性は、そのままお店の雰囲気へも表れますから、来店したお客様にも直接関係していくことではありますが、その関係性の詳細については正直お客様は与り知らぬところですし関係ありません。

問題なのは、悪い関係性の場合です。

本来であれば、こちらの要素こそ共有したくない事柄ではあるのですが、店員同士の関係性が悪く、雰囲気の悪いお店に限ってお客様を巻き込みます。

今日は久しぶりに会社の近くの洋食屋さんに行きました。

結構量が多いので、小食の私としてはあまり足が向かないのですが、たまに食べたくなるのですよね。

会社のスタッフたちと3人で入店。

まだ早い時間でしたので、店内は先客が3名ほどいるばかりで意外と空いています。

4人掛けのテーブルが2つ空いていたので座ろうとすると、「そちらでなくて、こっちに」と挨拶もなかった店員のおばちゃんから狭い方のテーブルを指し示されます。

オーダーして座って待っていると、私たちの後に入店した4人客が少し広い方のテーブルに案内されていました。

まあ、3人よりも4人の方が広く使えていいですからね。

その後、1人客が2名入店したのですが、先に案内された客の方は放置されており、後から入店した客に水とおしぼりを出してオーダーを取っていました。

先客が日替わりランチを頼んだ時には、後から入った客が既にもう頼んだ後で、「今日はもう日替わり終わりました」という非情なひと言。

いやいや、おばちゃん、それはないでしょ。

私のいるテーブルからは両者とのやり取りが見えておりましたが、幸いにもお互いの状況は分かっていなかったようなので、先に入店した客もゴネることなくすんなりと別のメニューをチョイスしていました。

ここまでは、まあある程度仕方がないとしても、最悪だったのがこの先です。

私の横にキッチンのカウンターがあって、店員とキッチン内にいるマスターとのやり取りが丸見え丸聞こえなのですが、とにかく店員の要領が悪過ぎることもあって、マスターの声も段々イラついてきます。

店員に対してイラつく声を聞かされるのもたまったものではありませんが、極めつけが、叱られた店員が小声で文句をボソボソと私に聞こえる声でつぶやくのです。

「何言ってるんだか分からないのよ」

「うるっさいなぁ」

「もう嫌だ」

そしてとどめの溜息。

はぁぁぁ。

こういう不平不満が絶えない職場だということは見ていてよく分かりましたが、心の中の声を何で出すのでしょうか。

もう嫌なのはこっちだよ。

聞きたくもないことを食事中に聞かされてしわ寄せを受けているこちらの方こそ、あなたが何を言っているのかわかりませんし、うるさいな、と思うわけです。

このような行動や態度をとる店員自身に大きく問題がありますが、そもそもはこんな店員を雇ってしまっているマスターにこそ問題があります。

私は、美味しい食事にはそれを食べる環境も含まれていると考えています。

来店するお客様にどのように向き合っていきたいのか。

どのように感じて欲しいのか。

その想いを無くしたところが、店員同士が喧嘩をしたり、お客様に聞こえる音量でついつい愚痴をこぼしてしまうような環境破壊を起こすのだと思います。

見ると壁に「スタッフ急募」とあります。

一緒に行った仲間とは、「本当の本当に急募だね」と囁き合っていました。

もうしばらく洋食ランチは食べなくても大丈夫そうです。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。


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