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#マンガ

コナリミサトの強迫的性善説と羅生門的語り――『凪のお暇』と『珈琲いかがでしょう』

コナリミサトの強迫的性善説と羅生門的語り――『凪のお暇』と『珈琲いかがでしょう』

コナリミサトと「他者の合理性の理解」「今さら!?」とぎりぎり言われなさそうなタイミングで、コナリミサト『凪のお暇』を5巻まで読み終えた。人間関係の描写もさることながら(特に嫌味のリアリティがすごい)、「生活」に必要なMPを回復させてくれる要素も持ち合わせる、定期的に読み返したい漫画だった。めちゃめちゃ面白かったので、そのまま『珈琲いかがでしょう』も読み終えた。人がいるのに少し泣いた。

コナリミサ

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2019年7~8月に読んだもの(抜粋)の感想

2019年7~8月に読んだもの(抜粋)の感想

溜めないように小まめに書いていきましょうね……。

山内長承,2017,『Pythonによるテキストマイニング入門』オーム社.
主ゼミで読了。「本書は、プログラミングの経験は多少あるけれども、言語処理の経験はないという読者を対象にして」いるらしく、プログラミングの経験がない自分はかなり苦労しながら読んだ。

が、書いてあるとおりにやれば、それなりの結果は出るように感じる。
本書のプログラム例のファ

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2019年3月~5月に読んだもの(抜粋)の感想

2019年3月~5月に読んだもの(抜粋)の感想

1月に「ゆるゆる月に1回ぐらいの更新を目指します」と書いて、すぐに3か月分溜めてしまった。

ジル・ドゥルーズ,1967=2018,『ザッヘル=マゾッホ紹介――冷淡なものと残酷なもの』河出書房新社.
マゾヒズムを、サディズムの裏面としてではなく独立した価値を持つものと考えることが、ドゥルーズのマゾッホ論の何よりの特徴。

このとき、いわゆるSMはマゾヒスト主体とサディスト主体との出会いではなく、マ

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2019年2月に読んだもののメモ

2019年2月に読んだもののメモ


『現代思想』2019年2月号:「男性学」の現在海妻径子「CSMM(男性[性]批判研究)とフェミニズム」の、「男性性について研究する上で研究者自身の男性としての被抑圧経験を重要視する当事者主義」を本質的な特徴とする日本の男性学のあり方は特異的だ、という指摘はとりわけ重要だと思う。
欧米様が偉いわけではないけれども、少なくとも日本の男性学はガラパゴス的であるということ。総論的な位置に置かれた論文が、

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2017年のブクログ★5

2017年のブクログ★5

2017年、ブクログに★5で登録した書籍・マンガ・映画をまとめました。

★は、内容の良し悪しというより読了後の僕のテンションの高低で決めちゃってる節があるので、「ふむ…?ふむ…!」っていう本より、理解が直感的なもの(というかマンガとか)が多めです。

※マンガの出版年は、最新刊の年。映画は公開の年。

〈書籍〉▶ピエール・バイヤール,2016,『読んでいない本について堂々と語る方法』

完読幻想

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