かいわれのせか

大学院中退。主に、音楽、文學について、書いています。 お仕事の依頼は、bacte21…

かいわれのせか

大学院中退。主に、音楽、文學について、書いています。 お仕事の依頼は、bacte215@gmail.com、まで。 noteで、『黒木渚論』―黒木渚、そのイニシアチブに沿って―、『黒木渚論』―黒木渚、その芸術的可能性―、その他、発売中。

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『黒木渚論』ー黒木渚、その孤高とユーモアについてー

『黒木渚論』ー黒木渚、その孤高とユーモアについてー かいわれのせか 『はじめに』 今回の本論、ー黒木渚、その孤高とユーモアについてーは、まずこの文章を【序説】と…

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平野啓一郎論ー分人主義、小林秀雄を超えてー

平野啓一郎論ー分人主義、小林秀雄を超えてー ㈠ 拙稿、小林秀雄論ー序説、何故賢いのかー、において、芥川龍之介のあとを、文壇を引き継ぎ、客体として芥川龍之介を超え…

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詩人論、八名/批評

詩人論を、書きました。日本の詩人、四名。海外の詩人、四名。なかなか、苦労し、拙稿になりましたが、論ずることは、楽しいですね。また、論ずる対象を考えて、執筆して行こうと思って居ます。

詩人論ー海外の詩人、四人「アルチュール・ランボー、ボードレール、エドガー・アラン・ポー、ジャン・コクトー」ー

詩人論ー海外の詩人、四人「アルチュール・ランボー、ボードレール、エドガー・アラン・ポー、ジャン・コクトー」ー ㈠ 海外の詩人の詩を論じたことは、ほとんどない。原…

詩人論ー日本の詩人、四人「宮沢賢治、中原中也、伊東静雄、石川啄木」ー

詩人論ー日本の詩人、四人「宮沢賢治、中原中也、伊東静雄、石川啄木」ー ㈠ 序説で述べた様に、日本の詩人、四人について論じようと思う。宮沢賢治、中原中也、伊東静雄…

詩人論ー日本、海外の詩人論、序説ー

詩人論ー日本、海外の詩人論、序説ー ㈠ 詩人論というものは、今迄あまり書いて来なかった。小説が論ずる時の主体だったからである。詩人論を書く時は、詩の構造や、詩人…

日常/思考

考えようによって、物事の判断は変わるが、精神に根差したものは、考えようによって変えられはしないだろう。つまり、それだけ、自己の内部に、何かが住んで居るということだ。安部公房論を書く時は、安部公房が、小林秀雄論を書く時は、小林秀雄が、内部に住んでいたのだ。

文章を書く時の形式についてー考察ー

文章を書く時の形式についてー考察ー ㈠ 文章を書く、という行為は、昔は象形文字などから始まり、やがて、言葉の発達とともに、文というものが現出したと思われるが、今…

小林秀雄論ー総括と目次ー

小林秀雄論ー総括と目次ー ㈠ 批評家、小林秀雄を、批評するという困難が、最初にあった。どの様に書けば、適切に論が運ぶか、という事を考えもしたが、取り敢えず、必死…

小林秀雄論ーその批評と生涯ー

小林秀雄論ーその批評と生涯ー ㈠ 小林秀雄は、東大文学部を卒業している。学生時代は、様々な作家との交流があった。後に、奈良に住み、志賀直哉家に出入りしたこと、そ…

小林秀雄論/あと2論

小林秀雄論も、8論書けました。あと2論。9論目は、小林秀雄の批評と生涯。10論目は、総括と目次にしようと思っています。小林秀雄が如何にすごいか、ということは、学生時代に強く感じました。そして寧ろ、学生を終えてからのほうが、小林秀雄のすごさを感じています。

小林秀雄論ー志賀直哉について、対話集からー

小林秀雄論ー志賀直哉について、対話集からー ㈠ 今回も、『小林秀雄 対話集』から、対話の台詞を抜粋する。正宗白鳥との対話「大作家論」から、志賀直哉についての対話…

小林秀雄論ーゴッホについて、対話集からー

小林秀雄論ーゴッホについて、対話集からー ㈠ 講談社文芸文庫から発売されている、『小林秀雄 対話集』という文庫本がある。昔、気になって買って、現在でも時折、読ん…

小林秀雄論/見通し

小林秀雄論を、6論書きました。全部で、10論書く予定です。『小林秀雄 対話集』からも、取り上げると思います。多方面に渡って、芸術を論じた小林秀雄を超える批評家が、新しく現れない限り、日本の文壇は、危機的です。小林秀雄が、頭が良すぎたんだと思います。

小林秀雄論ー徒然草についてー

小林秀雄論ー徒然草についてー ㈠ 小林秀雄程、徒然草の兼好に、魅せられた人はいない。というより、小林秀雄程、兼好の本質を吐露したものもいなかった。実に難しいこと…

停滞する/日常

少し、とは言えない程の、疲れが溜まっているようだ。しかし、その疲れとうまくやりながら、日々を過ごそうと思う。停滞する様に、ぐるぐる頭が回りながら、少しでも日常を過ごしていく。その先にあるものなら、小林秀雄論もまた、書けるだろうから。

『黒木渚論』ー黒木渚、その孤高とユーモアについてー

『黒木渚論』ー黒木渚、その孤高とユーモアについてー

『黒木渚論』ー黒木渚、その孤高とユーモアについてー

かいわれのせか

『はじめに』

今回の本論、ー黒木渚、その孤高とユーモアについてーは、まずこの文章を【序説】とする。【第一章】は、様々な角度から、黒木渚について述べてみた。どこにも発表していないものばかりである。また、【第二章】は、やはり、今迄通り、エッセイ調である。『黒木渚、MVに見る動き』、『黒木渚論・・・その位置』、『黒木渚さんの、グッ

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平野啓一郎論ー分人主義、小林秀雄を超えてー

平野啓一郎論ー分人主義、小林秀雄を超えてー



拙稿、小林秀雄論ー序説、何故賢いのかー、において、芥川龍之介のあとを、文壇を引き継ぎ、客体として芥川龍之介を超えた、小林秀雄論を、依然書いた。以下に記して置く。

こう言った日本の文壇の状況は長く続いていて、なかなか小林秀雄を超える人物は現れなかった。ところが、である。最近の動向を見ていると、芥川賞の選考委員の中でも最重要人物として平野啓一郎が頭

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詩人論、八名/批評

詩人論を、書きました。日本の詩人、四名。海外の詩人、四名。なかなか、苦労し、拙稿になりましたが、論ずることは、楽しいですね。また、論ずる対象を考えて、執筆して行こうと思って居ます。

詩人論ー海外の詩人、四人「アルチュール・ランボー、ボードレール、エドガー・アラン・ポー、ジャン・コクトー」ー

詩人論ー海外の詩人、四人「アルチュール・ランボー、ボードレール、エドガー・アラン・ポー、ジャン・コクトー」ー



海外の詩人の詩を論じたことは、ほとんどない。原文を読んだこともほとんど記憶にないし、今迄、論じようと思ったこともなかった。それ故、何分、拙稿になるだろうが、書くことにしたので、書いてみる。少なくとも、外観からの構造論、方法論、人生論になるだろうが、この有名な四人の詩人を読み直す良い

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詩人論ー日本の詩人、四人「宮沢賢治、中原中也、伊東静雄、石川啄木」ー

詩人論ー日本の詩人、四人「宮沢賢治、中原中也、伊東静雄、石川啄木」ー



序説で述べた様に、日本の詩人、四人について論じようと思う。宮沢賢治、中原中也、伊東静雄、石川啄木、の四人である。主観的印象批評になると思うが、主に、構造論、方法論について述べようと思う。

㈡「宮沢賢治」

宮沢賢治は、岩手県の生まれである。恐らくは、その自然環境に、随分と影響を受けているはずだ。有名な、「雨ニモマケズ」

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詩人論ー日本、海外の詩人論、序説ー

詩人論ー日本、海外の詩人論、序説ー



詩人論というものは、今迄あまり書いて来なかった。小説が論ずる時の主体だったからである。詩人論を書く時は、詩の構造や、詩人の方法論を書けばいいのか、それも良く分からない。ただ、書いてみるからには、書いてみるしかない。日本と、海外の、詩人を論じようと思う。海外の詩については、日本語に翻訳されたものを、論じようと思う。本来は、原文を論じるのが適切なのだろうが、

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日常/思考

考えようによって、物事の判断は変わるが、精神に根差したものは、考えようによって変えられはしないだろう。つまり、それだけ、自己の内部に、何かが住んで居るということだ。安部公房論を書く時は、安部公房が、小林秀雄論を書く時は、小林秀雄が、内部に住んでいたのだ。

文章を書く時の形式についてー考察ー

文章を書く時の形式についてー考察ー



文章を書く、という行為は、昔は象形文字などから始まり、やがて、言葉の発達とともに、文というものが現出したと思われるが、今はそう言った、文章を書くことの歴史についていうのではない。もう、日本において、古事記や日本書紀、万葉集などが出来始めた時から、その文章には形式というものがあったはずだ。形式は、現代の日本語に辿り着くまで、進化/変化、して来たし、その紆余

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小林秀雄論ー総括と目次ー

小林秀雄論ー総括と目次ー

小林秀雄論ー総括と目次ー



批評家、小林秀雄を、批評するという困難が、最初にあった。どの様に書けば、適切に論が運ぶか、という事を考えもしたが、取り敢えず、必死に書いてみると思いもよらぬものが現出する。しかしそれを捨て去ることは出来なかったのであって、其の侭、小林秀雄論として、ここに記載して来た。幾分、小説家を論じることは過去にもやったことだったが、批評家を論じることの難しさを痛感した。しかし

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小林秀雄論ーその批評と生涯ー

小林秀雄論ーその批評と生涯ー

小林秀雄論ーその批評と生涯ー



小林秀雄は、東大文学部を卒業している。学生時代は、様々な作家との交流があった。後に、奈良に住み、志賀直哉家に出入りしたこと、その後、文學界の編集責任者になったこと、1938年に明治大学文芸科教授になった、など、紆余曲折を経ている。後は、精力的に作品を発表し、地位を築いて行く。



1951年 日本芸術院賞 第一次『小林秀雄全集』
1953年 読売文学賞 『

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小林秀雄論/あと2論

小林秀雄論も、8論書けました。あと2論。9論目は、小林秀雄の批評と生涯。10論目は、総括と目次にしようと思っています。小林秀雄が如何にすごいか、ということは、学生時代に強く感じました。そして寧ろ、学生を終えてからのほうが、小林秀雄のすごさを感じています。

小林秀雄論ー志賀直哉について、対話集からー

小林秀雄論ー志賀直哉について、対話集からー

小林秀雄論ー志賀直哉について、対話集からー



今回も、『小林秀雄 対話集』から、対話の台詞を抜粋する。正宗白鳥との対話「大作家論」から、志賀直哉についての対話である。小林秀雄は、青年期に志賀直哉文学に救われた過去があるから、評論でも、志賀直哉への批判は一切していない。尊敬する小説家に対しては、批評家であっても、批判はしないものの様だ。



これは、物を見る眼においても、広域があるというこ

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小林秀雄論ーゴッホについて、対話集からー

小林秀雄論ーゴッホについて、対話集からー

小林秀雄論ーゴッホについて、対話集からー



講談社文芸文庫から発売されている、『小林秀雄 対話集』という文庫本がある。昔、気になって買って、現在でも時折、読んでいるが、小林秀雄の口調などが文字化されていて、非常に興味深いのである。様々に論じたいが、大岡昇平との対話、『現代文学とは何か』から、抜粋してみる。



ここでは、「ゴッホについて」を、考察する。

ここで言われていることの、重要性

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小林秀雄論/見通し

小林秀雄論を、6論書きました。全部で、10論書く予定です。『小林秀雄 対話集』からも、取り上げると思います。多方面に渡って、芸術を論じた小林秀雄を超える批評家が、新しく現れない限り、日本の文壇は、危機的です。小林秀雄が、頭が良すぎたんだと思います。

小林秀雄論ー徒然草についてー

小林秀雄論ー徒然草についてー

小林秀雄論ー徒然草についてー



小林秀雄程、徒然草の兼好に、魅せられた人はいない。というより、小林秀雄程、兼好の本質を吐露したものもいなかった。実に難しいことを、簡単に言って居る、徒然草は、すごいことをした、小林秀雄はそういうのである。兼好を批評家と見た小林秀雄の眼に、恐らく狂いは無かったであろう。引用して、論を進めてみる。



以前、物を見る眼を発見したのは小林秀雄が初めてだと書いたが

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停滞する/日常

少し、とは言えない程の、疲れが溜まっているようだ。しかし、その疲れとうまくやりながら、日々を過ごそうと思う。停滞する様に、ぐるぐる頭が回りながら、少しでも日常を過ごしていく。その先にあるものなら、小林秀雄論もまた、書けるだろうから。