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僕色百景

100
とりあえずやる気と勢いだけで100日継続して綴った風景です。
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2020年11月の記事一覧

第三十六景 内に潜む狂気の話

第三十六景 内に潜む狂気の話

書き出しを迷っている。高校生終わりから、大学に入学するまでのことを書こうと思っているのだが、なかなかうまく書き出せない。よく覚えていないということもあるし、そもそも書くことがないのかもしれない。

僕は「第五景」で紹介したように、過疎地域で育った。人口数十万人の都市部のことなど知るはずもなく、田んぼと老人と木に囲まれて育った。ご近所さんの家は、数百メートル先にあるし、幼馴染と言われるような友達もも

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第三十五景 しいたけ占いと僕の話

第三十五景 しいたけ占いと僕の話

僕には信じているものがある。それは自分としいたけ占いだ。人間誰しも最後の最後に信じることが出来るのは自分だと思う。他人は他人のことをそれほどよく見ていないし、自分を生きるだけで精一杯だ。

僕もそうだ。他人のことにはそれほど興味がない。あるといえば自分の好きな人とかろうじて両親くらいだ。周りには冷たい人間と思われているかもしれないが、実は周りもよく見ている。

あの人はこれが得意なんだ、苦手なんだ

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第三十四景 マッチングアプリ大戦記 episode3

第三十四景 マッチングアプリ大戦記 episode3

「3人目 Nさん 20歳半ば ?似」

2人目のYちゃんと途中まで平行していた人がNさんだ。正面、横顔が分かっていたし、かなり安心感があったが、Yちゃんを好きなってしまったため、1回きりで放置してしまった。

この人はとても小さくて150センチなかったので、そんなに大きくない僕とでも20センチは違った。立ったままだと見下ろす必要があって、首が疲れた。

1回きりになってしまったアポは、夜ごはんでも

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第三十三景 マッチングアプリ大戦記 episode2-2

第三十三景 マッチングアプリ大戦記 episode2-2

3回目のアポは、映画に行ったが一度すっぽかされ、キャンセルできずに2人分の料金を払い、ひとりで見た。思ったより映画がつまらずひとりで見てよかったなあと思いつつ時間を無駄にしてしまったことを後悔した。

リベンジで見に行った時には、そのことを言わずに黙って見た。どちらも原作小説があるものだったのだけど、原作の方が面白くて残念だった。

4回目のアポは旅行に行くことになった。僕は付き合っている頃の感覚

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第三十二景 マッチングアプリ大戦記 episode2-1

第三十二景 マッチングアプリ大戦記 episode2-1

2回目のアポはロティサリーチキンの有名なダイニングバーで飲むことになった。前回のお店の系列店だったので、とても雰囲気がよさそうだった。

僕は再度、遠征アポだったので泊まることにした。今回は都市部だったので寝る場所だけでも確保できればと思い、ホテルを取った。

約束は夜だったが、日中する事も無かったので、行ってみたかったイタリアンで昼食をとることにした。海老のトマトクリームパスタを食べた。ソースが

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第三十一景 マッチングアプリ大戦記 episode2

第三十一景 マッチングアプリ大戦記 episode2

「2人目 Yちゃん アラサー カバ似」

初めてのアポに敗北感を味わった翌日、特にすることもなかったので、図書館に本を借りに行った。人生を狂わせる本の特集で紹介されていた、末井昭の「自殺」を借りた。

当時生きる希望がなかったので、強烈に惹かれた。今となっては、中身を伝えられるほどの感想を覚えてはいないが、その時は生きる力になったのだと思う。

その本を借りた後、次のアポで役に立ちそうな喫茶店の下

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第三十景 ここ数週間の話

第三十景 ここ数週間の話

ここ数週間、これを書き始めて過去のことを振り返ることが多くなった。時には、思い出したくないことも浮かぶし、できなかったことを後悔することもある。どうしようもない状態になる夜も増えた。

でも思いだして、書いてしまう。その時々を振り返るとその時の感情をその場で発散させることはほぼ無かったと思う。抑え込んできた、言い出すことをしなかった、その反動なのかなとも思う。

心の中で考えたことを100とすると

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第二十九景 支配される話

第二十九景 支配される話

普段寝る時間より早く寝たような気がする。そういう時は大体、夜中に数回は目が覚める。

今回は、寝返りを打った拍子にインナーが捲れて腹が出て寒かったり、窓の外から聞こえる雨の強い音や風の吹く音で目が覚めた。

そのたびにTwitterをスクロールして、表示されないツイートが無くなるようにしている。Twitterに支配されている。ライトのせいで目が冴えてしまってしばらく寝付けないこともある。

昨日の

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第二十八景 マッチングアプリ大戦記 episode1

第二十八景 マッチングアプリ大戦記 episode1

これは僕が離婚したことで味わった喪失感を埋めるために手を出したマッチングアプリでの戦いの記録である。

マッチングアプリとはこういうものである。

僕が初めて使ったのは、「ペアーズ」という恋活にも婚活にも使える使い勝手のいい種類のものだった。男性会員はお金を払わないとメッセージ交換を続けることが出来ない仕様になっている。

いいねというものを送り、相手からもいいねが返ってきて初めてやり取りができ、

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第二十七景 仰向けで天井を見つめる話

第二十七景 仰向けで天井を見つめる話

どこで間違ったんだろう?小学生の時なのか、中学生の時なのか、働き始めてからなのか。最初からなのか。どこで間違ったんだろう?

自分の弱さを認められなくて、自分を偽りながら生きていた時から少しは変われたんだろうか?

変わった気もするし、変わっていない気もする。まだ自分を騙しているような気もする。

むしろ騙し騙ししていかないと生きていける気がしない。本当は何もしたくない。もう生きたくないのかもしれ

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第二十六景 世界が見たい話

第二十六景 世界が見たい話

何も考えずにぼーっとしているとふと疑問に思うことがある。

高速道路を運転している時かもしれない。一直線だし、かなりのスピードが出ているし、風景を見る余裕もない。

髪をただ乾かすためにドライヤーを当てている時かもしれない。

会議の時間の5分前の何をしようにも何もできない中途半端な時かもしれない。

黙々と山を登って歩いている時かもしれない。

要は日常の生活の中にある狭間の時間だ。

そういう

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第二十五景 噛み砕いて欲しい話

第二十五景 噛み砕いて欲しい話

ビールを飲んでいると、美味い不味いだけではなく、香りや口当たりを表現したくなる場面がある。

その時にフルーティーとか、モルティーとか言われてもなんのことか分かりませんよね?

分かります!分かります?僕は分かりません。
だから一歩踏み込みたい。噛み砕きたい。

例えば、このビールはフルーティーさもありますが、モルティーでもありますね!と言われた場合。

フルーティーにしても、果物には色んな種類が

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第二十四景 余裕がない時の話

第二十四景 余裕がない時の話

僕は余裕がない時、人の悪いところばかりが目についてしまう。

その人が持つ良さなどにも目もくれず、悪いところを心の中で責める。そして軽蔑する。冷めた目で見る。

なんと意地汚い人間なんだろうと、自分で自分のことをそう思う。

なんであの人は先のことを考えて動かないんだろう?なんであの人はあんなにも仕事が遅いんだろう?なんであの人はそれをしたら失敗するって想像出来ないんだろう?なんであの人はあんなに

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第二十三景 名前の由来の話

第二十三景 名前の由来の話

このnoteを始める時にペンネームなるものを考えてみた訳だけど、どうもしっくり来なかった。

自分の本名に使われてる漢字を音読みにし、それをアナグラム風にしたものに「〜さん」をつけた名前でしばらくやってみた。

しっくりこない。誰だこいつ?という感覚に陥ってしまった。

という訳で呼ばれ慣れてるTwitterでのアカウント名の「おき」にしてみた。

このTwitterの名前にも変遷がある。

まず

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