第二十七景 仰向けで天井を見つめる話
どこで間違ったんだろう?小学生の時なのか、中学生の時なのか、働き始めてからなのか。最初からなのか。どこで間違ったんだろう?
自分の弱さを認められなくて、自分を偽りながら生きていた時から少しは変われたんだろうか?
変わった気もするし、変わっていない気もする。まだ自分を騙しているような気もする。
むしろ騙し騙ししていかないと生きていける気がしない。本当は何もしたくない。もう生きたくないのかもしれないし、そうでないのかもしれない。
先のことは分からないし、想像も出来ないけど、自分が愚かなことだけは確かだ。
仰向けになり、暗闇の中で天井を見つめている。涙が溢れる。
どこで間違ったんだろう?自分のためだけに生きていけるんだろうか?
頭の中が、どろどろでぐちゃぐちゃで、感情が渦巻いて、目を瞑ってもどこか落ち着かなくて、また涙が伝う。
考えても考えても時は戻らなくて、ただ進むだけで。
どこかへ行ってしまうのが悲しくて、でももう縛り付ける理由もないし、追いかけても無駄に終わるかもしれないし。
待っていないのかもしれないし、待っていてくれるのかもしれないし。
また会いたいという相手の言葉を信じようとしても、自分から離れたいから遠くへ行ってしまうのかもしれないし。
それを聞いてみれば解決するのかもしれないけど、それを聞いてもいい理由がない気もする。
どこで間違ったんだろう?
目を閉じればまだ浮かぶ気がするけど、いつまで思い出せるんだろう?
心の中にいる気もするけど、いつまでいてくれるんだろう?
鼻が詰まって息苦しいし、涙を拭った手はベタベタするし。
考えれば考えるほど辛くなるし。
どこで間違ったんだろう?いつまでも持つんだろう?
こんな考えても仕方のないこと。朝には忘れているだろうか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?