![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39119530/rectangle_large_type_2_36d1126292e8e0afce202e64fc33e69a.jpg?width=800)
第二十五景 噛み砕いて欲しい話
ビールを飲んでいると、美味い不味いだけではなく、香りや口当たりを表現したくなる場面がある。
その時にフルーティーとか、モルティーとか言われてもなんのことか分かりませんよね?
分かります!分かります?僕は分かりません。
だから一歩踏み込みたい。噛み砕きたい。
例えば、このビールはフルーティーさもありますが、モルティーでもありますね!と言われた場合。
フルーティーにしても、果物には色んな種類があるし、その人が思い浮かべるものが同じ果物とは限りません。
モルティーにしても、飲み慣れてる人、またはビアジャッジやビアテイスターの資格を持っている人でない限り、???が頭に浮かぶはずです。
違うビールなのに、同じようなレビューや商品紹介があると、もやっとしませんか?全部おんなじビールじゃんって!
フルーティーならなんの果物なのか。桃やバナナの香りがすると言われたらなんとなく分かりますし、モルティーなんて言わずに麦の風味が目立ちますねの方が伝わりやすい。
ビールを飲んだ時のことを想像してみよう。大手のものでも、小さいブルワリーが醸造しているものでもなんでもいい。
僕は銀色のヤツ!と呼ばれているビールを飲んだ時の味を思い出してみる。
キンキンに冷えた状態の缶を冷蔵庫から取り出して、程よく綺麗に洗ったグラスに注ぐとする。
始めはグラスを縦に持って泡が立ってきたら、グラスを傾けて、そろそろとグラスの壁に沿わせるように注ぐ。
よく言われる7:3の比率で注げたはずだ。綺麗に注げたことに満足し、今すぐにでも飲みたい衝動を抑え、しばし眺める。
満足したところで、グラスの半分くらいを一気に飲む。ノドで受ける。舌の上で味わうことをせず直接ノドに注ぎ込む。
これが僕的の銀色のヤツ!の飲み方だ。銀色のヤツ!は口の中で余韻を残すとそれほど美味しいとは思えない。
味わってしまうと、鉄のような血のような味を感じるから苦手だ。
でも一杯目として飲む銀色のヤツ!の美味さは飲み慣れているし、段違いで美味い。
確かにカタカナ言葉を使うことはカッコいいし、なんとなく上手く評価している感が出てとても便利だとは思う。
でも伝わるかどうかと言ったら疑問な部分が結構ある。
だから僕はそういった便利な言葉に頼ることなく、しょぼくてもいいから、噛み砕いて伝えるように心がけている。
難しさを感じながらもちょっとは上達している気がする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?