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#ショートショート
元気を出してコンドル
その女性は、斜め向かいのアパートに住んでいる。名前も年齢も知らない。
一年ほど前の日曜日、ベランダで洗濯物を干していた僕は、右斜め下(僕の部屋は三階だから、彼女は二階)の女性に初めて気づいた。
彼女は空を見ていた。ベランダに面した掃き出し窓を開け、床にぺたんと座り、空を見ていた。
毎週日曜日、彼女はそこにいた。
僕はベランダに出るたびにこっそり(のぞきをしている変態と疑われないように)
『忍者ラブレター』 # 毎週ショートショートnote
いわゆる置き手紙とでも言うのだろうか。
このところ残業続きで疲れ切っている。
もう化粧も落とさずに、何もかも放り出して眠りたい。
そう思って開けた1人暮らしのアパートのドア。
その足元にこの手紙は、置かれていた。
明らかにラブレターだ。
差出人はわからないが、私はその人の人生で一番大切な存在らしい。
待て待て。
宛先はどこにもない。
私の名前どころか、固有名詞など一切書かれていない。
そもそもど
【短編小説】真夜中の演奏会
夜中に突然始まる曲作り
…ポロン♪…ポロン♪
ピアノのぎこちない音と
鍵盤を押すカチッカチッという音が響く
夢中になってピアノを弾いていたかと思えば
「本当は俺、ギターリストだから」
と言い出しギターに持ち替えて歌い出す
そんな彼を横目に、私は夜のコーヒー&読書タイムだ
今読んでいる推理小説がクライマックスに差し掛かり
読み進めるのに夢中になっていた
突然「これ、なんの曲でしょうか?」と
ショートショート王様
裸ではないんだ。
ショート丈のミニスカート履いてる王様って。どうよ。
家来たちは最初、頭を悩ませた。
国を守るため、そして、一族の基盤の安定のため威厳を示したい。いままでだって、服装で表してきたではないか。頼りなかった先代だって、仕立てのいい服を着て、意識が変わっていく姿を間近で見てきた。
先代が亡くなった時「結婚する気はないが王になる」と言われた。あげく、ショートショートすぎるスカート。
「欲望のリインカーネーション」
夕暮れを迎える頃、花奈は空を突くように高い塀にもたれて立っていた。
手にはヒメジョオンの花が一輪。
花奈はこの花をこよなく愛していた。
指先でその茎をつまむようにして持ち、ゆっくりと、くるくる回すのが好きだった。
「花奈さん」
花奈が声のする方へ顔をむけると、そこには同じ練習生のまあやがほっぺたを赤くしてこっちを見ていた。
手には運動会の玉入れ競技で使うようなカゴを抱えている。中にはタオルが