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脳内を記述する技術(ハート・トゥ・ワード)

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タイトルはHUNTER×HUNTERの念能力名っぽくしました(笑)。 文章技術から悩み相談、僕の経験の紹介など「モヤモヤとした思考を言語化すること」をキーワードにいろいろと書いて…
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#エッセイ

恋人と話し合うのは「妥協点」じゃなくて「おたがいが心地よい関係性」。

恋人と話し合うのは「妥協点」じゃなくて「おたがいが心地よい関係性」。

先日、「恋人と喧嘩しちゃって、どうしたらいいかな」という相談を受けた。

僕が答えたのは、「おたがいが意見を主張し合って、どちらかが折れて、妥協点を見つける」っていう話し方そのものを変えた方がいいんじゃないかな、ってこと。

二人でお互いに話し合うときに、「どっちが悪い」とか「あなたのここが嫌だからこうしてくれ」みたいに二人が対立軸になってしまうと、結果的にどちらかが折れたとしてもそれから先の関係

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人を愛せる大人になりたい、けれど恋にも未練あり。

人を愛せる大人になりたい、けれど恋にも未練あり。

恋とは。愛とは。

また考えてる。
恋は求めるもの。本質はたぶん「欲」だ。したい。なりたい。
愛は穏やかだ。ただただ、相手のしあわせを願う気持ち。

頭で考えるならば、恋よりも愛がいいと思う。
安定してるし、暖かいし、嫉妬も不安もない。
……でもさ、恋って楽しいんだよね。

恋に恋してるんだよな、僕は。いつまでたっても。
「愛に愛してる」って言わないもんな。恋はさ、やはり「乞い焦がれる」ものなん

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「誰かに必要とされないと生きていていいと思えない」からの卒業。

「誰かに必要とされないと生きていていいと思えない」からの卒業。

好きな人と話していて、僕、いい感じに歳を取って38歳まで来たなぁ、ってあらためて話した。
若い頃からわりと、メサイアコンプレックス気味でつらそうな人を助けてあげたくなるんだけど、それって誰かに頼られて必要とされていないと自分が生きていていいって思えなかったから。

要はそれって、「自分を削って誰かを助けていることに、生きている意味を感じる」ってことで、破滅的なんだよね。
自分の手の届く、できる範

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5/18は「ことばの日」らしいので

5/18は「ことばの日」らしいので

僕はたぶん、こどもの頃からの発達特性もあって、頭の中にはいつだって言葉があふれている。
頭の中のイメージは映像や画像ではなくて文字。
何でもかんでも言葉にしてしまうし、言葉じゃないと理解できない。
おかげで、言葉を生み出す仕事に就いてしまった。

言葉があふれすぎるのは苦しいこともあるし、他の人との人間関係でも言葉を求めすぎて、嫌がられてしまうこともある。
だけど僕はやっぱり言葉が好きで、言葉を信

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変わること、手放すこと、また手を取ること。

変わること、手放すこと、また手を取ること。

「一生変わらず好きでいたい」という気持ちはあるけれど、変わらないことは枷でもあって、かつて好きで好きで仕方なかった人のことを、今ではそれほど好きじゃない、というかあまり気にならなくなっていることもある。寂しいような気もするけど、それもいいのかもしれないな。関係性も都度更新制で。

僕は単純だから、好きな気持ちを返してもらえていると、何度でも僕からの好きの気持ちも更新できるんだけど、連絡が途絶えたり

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フリーランス編集者、2年目になります

フリーランス編集者、2年目になります

すっかり忘れていたけど、今日5月11日は、僕がフリーランスになって1周年だった。
決して志高く「よし、今日からフリーで行くぞ!」ということではなく、前に勤めていた職場が立ち上げのときとはすっかり方針が変わってしまったため、これ以上この場所でがんばり続けることはできないと思っての、やむにやまれぬ独立だったし、そもそも僕にフリーランスで生き抜くほどの根性があるとは思えなかったので、すぐに別のところに就

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グレーのままで抱え続けるということ

グレーのままで抱え続けるということ

白と黒のあいだ、1と0のあいだで、簡単には決めつけられないもどかしさに耐えながら考え続けること、その場しのぎのインスタントではなく、じっくりと時間をかけて消化し、深化させていくこと。今、なによりないがしろにされていて、でも本当はいちばん大切なこと。

先日、深い話ができる大好きな友人と、そんなことを語り合った。
「若者たちが生きていく未来の世界を少しでもよいものにするためにできることはなんだろう」

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「失敗」が、今の僕をつくったんだ。

「失敗」が、今の僕をつくったんだ。

愛しい人が失敗して落ち込んでいたので、慰めようと思って「失敗は、した方がいいんだよ」という話をした。
失敗しないためのいちばんいい方法は「挑戦しないこと」なんだけど、失敗の少なさを誇るのは虚しい。
もっと失敗しておけばよかったって思うくらい。

もし僕が、最初の職場で挫折しなかったら、我慢できてしまっていたらというのをときどき考える。
きっと、今みたいな僕は存在していなかっただろう。
今の僕は、失

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いつでも離れられるからこそ、離れないでいようとする行為が尊いと思う。

いつでも離れられるからこそ、離れないでいようとする行為が尊いと思う。

ずっと前から何度も同じことを言ってるんだけど、僕はいつまで経っても「去る者は追わず」の境地にはたどり着けてなくて、「仲良かったはずなのに急に去って行った人たち」のことを定期的に思い出してはウジウジしてしまうな。
ネット上での繋がりだからこそはかないし、それはいいことなのだけど。

でもいつでも離れられるからこそ、離れないでいようとする行為が尊いんだよね。
そう思うと、今つながっている人たちのすばら

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「未来はわからない」と認めること。

「未来はわからない」と認めること。

「一度メンタルを壊すと一生元には戻れない」みたいな表現、よく見かけるし、「だからメンタルを壊さないように無理するな」っていう注意喚起なのはわかるけど、これはこれで「呪い」な気がして嫌になっちゃうな。
未来のことは断言できないんだからさ、あんまり決めつけた言い方しない方がいいと思うな。

「過去に囚われるな、未来を見据えろ」みたいな言葉はもてはやされるけど、僕は「過去にも未来にも囚われるな」がいい

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「整理整頓が苦手」なことがコンプレックス

「整理整頓が苦手」なことがコンプレックス

実家を出て、一人暮らしをしてからもう15年経っているけど、未だに「整理整頓」的なことにコンプレックスがある。
それをおくさんに指摘されたらちょっとヒステリックに反論してしまって、自己嫌悪になったりする。

これまでどうにかこうにか生きてこられたのは「細かいことは気にしない!開き直る!」と心に決めたからなんだけど、コンプレックスを完全に克服したというわけではないんだよな。

洗い物を効率的な順番で片

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歳を重ねたよ。

歳を重ねたよ。

38歳。

「人生の中で、今がいちばんしあわせ」って、いつまで言い続けられるだろう、ってときどき思う。

少なくとも今は、胸を張って言えるね。

たとえば自分が10代だったころ、38歳になってそんなふうに言えるだなんて思っていなかった。38歳って、10代にとってはちょうど親の世代かな。

親たちもひとりの人間なんだ、って今なら思えるけど、自分が10代のころにそんなふうに思える余裕はなかった気がする

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思考の層とSNS。同じ深さで息をしている人と、つながりたい。

僕は、職場の飲み会とか、それほど仲良くもない人と一緒に行く交流会がとても苦手だ。何を話していいかわからない。当たり障りのない「浅い」雑談ができなくて、いつもうまく笑えなくなってしまう。

おそらく思考には、深さというか層のようなものがあって、同じ話題で話しているのに話が噛み合わないのは、存在している層が違うからかも、と思ってる。僕の場合、層が合う人と話すことができることはかなり限られていて、一致す

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コロナの時代の生きづらさ 〜人には「異文化交流」が必要だ

コロナの時代の生きづらさ 〜人には「異文化交流」が必要だ

2020年は、新型コロナ一色の一年だった。
そしておそらくはその影響で、2020年の日本の自殺者の数が11年ぶりに増加したという報道があった。

日本は、世界的に見ても自殺が多すぎる。

それはずっと言われてきていることだけど、こうやって具体的な数字が出てくると、その数の大きさにくらくらしてしまう。
記事によると増えているのは女性と若年者で、特に若者については、

「小中高生の自殺者は68人増の4

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