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#小説
トーンダウン・メテオノール #風景画杯
文字数:23,907字
沙口(さぐち)が大学生の頃から乗っている自転車を漕いでいると、田圃道を並走する電車が横を通過していく。電車のフロントにはキオ3244という識別番号が記してある。
時間は朝の9時半を少し過ぎていた。家を出た時は曇りの天気だったが、だんだん小雨がパラついてきた。今日は曇り雨の天気になると新聞に書いてあったので、レインコートを羽織って自転車に乗っているが、やはり着て正解だ
『怪対本部 序章 赤手事件』#パルプアドベントカレンダー2019
「これで出来上がりだ。最終的に全ては五芒星に帰結する。だから……あちこちにこれを描いたが、これを作れば晴れて完成なんだ。ついてきてくれてありがとう。正直心細かったんだ。こんなバカをするのは俺だけかと思ってた」
「なるほど。しかし疑問があるが、どうして今日なんだ? 別にクリスマスじゃなくても、仏滅だったり節分の日だって理由になり得る。時期なんていつだって妥当だろう」
「いってなかったか」
彼は