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Track#02 "Hold me" (from "Affirmation" by Savage Garden) Guitar1204

"Hold me"はSavage Gardenの2ndアルバムの表題曲"Affirmation"の後に位置付けられた曲。そしてアルバム発売後一年弱の2000年3月にシングルカットされ、おそらくSavage Gardenとして最後にPVを製作した曲となった。

前回歌ったのは10月11日。録音を聞くと背後にまだ虫の声が響いている。ギターは変速リズム等も弾くようになってきた頃だろうか。残存音活用などもしていて、少しずつできることが広がってきていた模様。しかし、それらに取り組もうとして歌の意識が吸われているのがわかる。今はこの頃よりだいぶ楽に弾けるようになった(このレベルのものなら)。

ちょうど"It's getting so loud"のあたりらへんでカラス達がギャーギャー騒ぎ出したのが面白かった。いったい何があったんだろう?この日は相当鳴いていた。

前回、散々暗い暗いと書きまくったPVだけれども、「なんかもしかしたらこの映像はSavage Gardenが解散するって決まった後に、ダレンへのねぎらいも踏まえて彼のリクエストを汲んで撮ったものなのでは、と思えた。」というのは、当たらずとも遠からずな推測だったのではと、アルバムデータを整理しながら感じた。

Savage Gardenの解散は2001年。wikipediaにはダニエルが去ることを決めたと書いてあった(この曲の映像に彼が出てこなかったこと、気になっていたんだよね)

ダレンについても、ビジュアルに以前と明確な変化があって(バキバキの黒髪→茶系メッシュ、黒を基調としたシャツやジャケット中心の服→水色&ちょっとストリート系のトップス)、その背景には女性パートナーとの別離、アメリカへの移住、精神の不調、性自認の明確な転換等、色々なことが絡んでいるんだろうなと思った。
撮影場所はやっぱりオーストラリアではなくアメリカだったんだろうね。そう言えば、結局編集投稿を飛ばしてしまった(ロブごめん)Matchbox Twentyの"Back 2 good"のPVを見ていた時(先月末)に、この曲の映像と「暗さ」の雰囲気が似ていると感じたんだよな。社会の暗部やアウトサイダー、マイノリティーへの着目があるという点においても。
ダレンロブも、家庭環境や被害のベクトルが違うからパーソナリティーもだいぶ違うけど、非虐待者だし、そういう、理不尽や暴力に傷付けられつつも「魂まで持っていかれずになんとか踏み留まった者」には、同じように傷付けられた、あるいは傷付きやすい人々に関心が向きやすく、かつ自分が何かできることをと考える傾向があると、自身のこれまでの経験に照らしても再感する。私も気付けば何故か、マイノリティーの問題について考えていたし、実際に支援などにも関わっていた。不思議だね。

この曲の歌詞で私的に目を引いたのは、まず"enemies at war built defenses and secret hiding places"の部分。ダレンも日常が常に「戦乱」状態で、自分を守るための防衛拠点、秘密の隠れ場が必要だったんだろうな、と。これは精神的な虐待だけでなく物理的な暴力に怯えていた者のリアル。
私も完全に誰も来ない場所で独りになれないと安心できない。前に"The lover after me"を歌おうとして「あ、、」ってなった時にも、部屋に逃げ帰って鍵をかけて、やっと泣いた。
"Affirmation"に"I believe I'm loved when I'm completely by myself alone"(完全に独りである時に愛されたことになる)というフレーズがあるんだけど、これも、いつ何をされるのかと怯える日常、そこから染みついた「人は自分に危害を加えてくるものだ」という感覚の裏というか先にあるんだろうなと感じる。
野獣のいるあの家に(どんなに嫌でも)いざるを得なかった頃には、私は自分で柱等に穴を開け南京錠を取り付けて、外出時の侵入を防ぎ、内側にいる時は物をつっぱりにして侵入を防いだ。それでもガラスが割れたりしていたけれど。。
アルバム内で明確にDVが描かれている"Two beds and a coffee machine"にも"Silent fortress built to last"というフレーズがあるんだけれども、これも一緒。
私達は「自分で」自分の身を守らなければいけなかった。だから、隠れ場や要塞やSanctuaryを求めることになる。「攻撃されず」に、「息ができるはず」の場所として。そしてそれらはいくら「巣」の中に作ったところで無駄。
DVは離れることでしか解決しない。理性のない人間もどきが変わることなんか絶対に無い。(だから理不尽や暴力に苦しめられている人は躊躇わずに「逃げて」。自分の身の安全が第一だよ。自分を大切にね。)

「息」についての言及も曲内にある。"It's getting hard to breathe."ー息をするのが難しくなってきた、私達はまさに「息ができない」状態になるのである。クリスティーナアギレラの曲にも、ロブの曲にも、呼吸困難についての言及がある。勿論比喩的な側面もあるにはあるだろうけれども、非虐待者にとってはその物理的な切迫感も伝わる表現ではないかと思う。そう言えば私、"just a reason to believe"のところを"just a reason to breathe"に空耳してたな。「(最近僕は膝を折って祈っているんだ、奇跡を探してなんかじゃない、)ただ息をするためにだよ」って。

私はこの世界、ノーガード、ノーマスク野獣暴力と理不尽の渦、ループの中ではもう息ができない

あともう一点。"I might need you to 〜"の"I might"、これ。アダルトチルドレンの直面する環境は本当に色々だけれども、特に精神的な抑圧が強い機能不全家庭において、自己防衛のために「(聞き分けの)いい子」として振る舞うことを身に付けたタイプの人間は、ストレートに自分の感情を表明することが非常に難しくなる。
私達は自分の本心を外に出すことが許されなかったから、常に周りを見回し警戒しながら観察し続け、その場や対象に合うよう言動を調整してきた。そして、無条件で受け止め受け入れた経験の不足から相手を信じることができないという点も相まって、婉曲や逆説的な物言いを多用するようになる。
こういった表現の傾向は、一般には理解されにくいのかもしれないのだけれども、「似た者」センサーを引くものでもあるのであろう。何だか何故だか、どこかで気付いて、繋がっていくんだよな、と、この間の振り返りの中でも思った。自分が超ハイコンテクストな世界にいるから、他人のハイコンテクストにも気付くんだろうね。

そう言えば、非虐待者とかアダルトチルドレンの人間不信や対人恐怖、対人以外のものへも警戒心や不安の非常に強い傾向って、端から見れば、例えば発達障害のうちのASDとか統合失調症とかと区別がつきにくいんだろうと思う。
私から見て別だなと感じるのは、私達は「一般」の考えや心境等を理解想定し場合によっては必要以上に合わせることもできる(アダルトチルドレンは異常に「察し」がきくし合わせてしまう)んだけど、絶対的に自分はそことは違うって思っている(自分の立ち位置を知っている)し「加害」が自分に向かうことが日常だから絶望していて、それが人を遠ざけたり用心深かったり不安が強かったりに繋がっているってところかな(理解想定できなかったり、根拠が無かったりするわけではない)。
あと、人にもよると思うけど、人間関係が築けないわけではないから、孤立したり虐められたりしないケースもわりと多いんじゃないかな。特に比較的「真面目」で「(聞き分けの)いい子」と捉えられる大人しい優等生タイプの(他人からすると)「良い家」で「良い学校」に通い「良い教育を受け(環境を与えられ)」ながら教育虐待をはじめとする精神的な強い抑圧にあっているアダルトチルドレンなんかは。陽キャパリピで友達わんさか状態ではなかったとしても。ダレンもショービズの華やかな世界で活躍し成功をおさめた人だけど、クラスの中心にいるタイプでは無かった思う(し、ダレンは学校で虐められていたらしい、、悲しい)。
このタイプは気疲れしたりそれによって悩んだり煩わしくなったり、ということはあるのかもしれない(この手のタイプのアダルトチルドレンは、好きか嫌いか、楽しいか楽しくないか、快か不快かという当人の感覚より優先して、それを望もうが望むまいがとにかく相手の意を汲んで合わせてしまうから、、身体に染みついた防衛戦略として、、)。
でも幸か不幸か、私は人間関係に悩んだことはほぼ無いんだよな。それは不毛な気配を感じる相手からは即はぐれメタル逃げしてきたのと、そもそも世界も人間も諦めていて根本的に人に期待をしていないからだろう。私のように記憶が欠落したり痛みや感覚が麻痺して気づかなくなるレベルの(多くは抑圧に加えて強く積極的な加害、暴力を継続的に受け続けた、特に精神的なものだけでなく物理的に殺害される寸前の体験をした)者よりも、それ以前の段階の人のほうが、むしろ学校就労人間関係などの日常で悩むことが多いのではないかという気がしている(私にとってはそれらの中で生じる様々なことは、基本的に「退職前のパワハラ」ーコロナ対策について管理職に物申したことをきっかけに組織集団の「敵」としてロックオンされ始まった嫌がらせ報復&最終的には業務の剥奪を除いて、些細なことだった。他の究極的に「どうしようもないこと」と比べて、だけれども)。

ダレンと色々話してみたかったな。"To the moon & back"の"hold on"は結局どっちの意味だったんだろう?他にもよくわからない部分がまだまだあるよ。
またライブにも行きたかった。

でももうすぐ、全ては終わる。延々続く苦しみも。それでいい。
ずいぶん長く"hold"してきたよ。色々なものを"hold"しながらね。やっと、時が来た。


↑は12月4日のもの。
↓は最近。
日曜に里芋も収穫?したんだけど、ほとんど芋がつかなかった。。
ウコンも収穫。何故かウコンはいつもよく育つ。
黒豆、食べておくことにした。

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