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Guitar1001-2

Savage Gardenの2ndアルバム"Affirmation"に向き合ってみようシリーズ?
今回の課題曲は"The lover after me"。

ロマンスの香りがするところから(それは失恋、喪失の方向ではあろうとは思いつつ)タイトル避けしてしまっていた曲だったんだけど、実際に聴いてみると初めて耳にした時から、直感的にこれは好きなやつだと感じた。そして、聴きながら自分の理解を越えたところで、何故かだらだらと涙がこぼれ落ちていくことの意味がわからず、戸惑いを覚えていた。(絶対音感のせいで)まだ歌詞が頭に認識されない段階でである。

当初、それは(わりとギターが効いている)サウンド的にも好みでありかつダレンの魅力を最大限に引き立てるアレンジやダレンのemotionalな表現が刺さっているのかなと思っていた。
音に馴染んだところで歌詞を読んだ。"Am I all alone in the universe?"という部分に、以前、1stアルバムの"Universe"も自身の認識を越えたところで刺さってしまったんだよな(そしてその後飛び火シリーズが始まった)、ダレン"Universe"は「孤独」とセットで現れるんだよな、等と思い返しながらも、全体的にはやはりパートナーとの別離、その未練を歌った曲であり、特にその別れた相手に対して、7ヶ月経っても全く同じように想い続けている、あろうことにか相手の家のドア口に立ち、相手の名前を呼んでいるという部分には全く共感が持てず、恐怖すら覚えていた。頭の中で考えている時点では。

けれども、いつもの場所でギターを手にして歌詞を声に乗せ、体内から体外へ放出しようとし始めたところで突然、「あ、、、」となった。

私、一緒だ。
相手は「人」ではない、「ロマンス」でもない。けれど。

私は本当に失いたくなかったんだ。私にとって大切な場所。絶望の後、それだけではないと教えてくれた、理性が保証され優しさに溢れた公平で公正で安全であったはずの、私のsanctuary。
その前提条件があったから、「人」もある程度平気だった。防波堤が無くなってしまったから、私は絶望の世界に戻りになってしまった。

けれどもその「場」には消化できない想いが残っている。最終的にはこの「場」だからこそあってはならない理不尽と「組織としての場」には絶望したけれど、手を尽くそうとしてくださった個々の「人」もいたことは知っている。けれどもどうにもならなかった。私は理不尽を憎むから、理不尽に人を憎むこともしない。ただ、どうにもならない。仕方ない。けれども。でも。

だから私は舞い戻ってしまう、そしてここでエレジーやレクイエムを歌おうとしている。

その先を続けられなくなった。とはいえ限られた練習機会を無駄にするわけにはいかない。急遽予定を変え、Coccoの"Blue bird"をさらって歌うことにして、さくっと歌い、帰宅した。
そしてドアを閉め、鍵をかけ、誰も入ってこない場所を確保して嗚咽した。
この曲もまさしく私のエレジーになるだろう。文脈は違うけれど。これも「作者の死」なんだろう。

ひとしきり泣いた後(日が落ちるのが早くなり、早めに出ていたこともあったから)、今からならまだぎりぎり歌えるかと気分を立て直し、再度出かけることにした。私が声を出せる場所は他に無い。この曲も私のエレジー。だから歌う。私は冷めた現実主義者だ。

野鳥版日本語↓
ーーーーー
こうしてまた僕は今日は君のことを考えないようにしようって決めたんだ
あれからもう7ヶ月とどれくらいになるんだろう
君はとっくに動き出しているのに
僕はまだ以前と全く同じような気持ちのままでいるんだ
どこへ行っても全ての建物が君の名前を知っているよう
まるで僕らの愛の思い出写真みたいに
鋼とみかげ石の記念品
皆君を新しい名前で呼んでいるけど僕はそれをまだ受け入れられない

君がいなくなってしまってからも
変わらず光は失われる
唯一の違いは
君が別の名前を呼んでいること
愛を
君が今愛している人に向けて
愛を
僕ではない次の人へ向けていることなんだ

僕は宇宙でたった独りきりなんだろうか
通りのどこにも愛は見当たらない
僕の愛?そんなの欲しくもないところへ捨ててしまったよ
だからこれは新しい自由なんだ
おかしいだろ
僕は繋がっていたことを思い出せないんだ
もう全てに辻褄が合わなくなってしまった
君がいなくなってしまった世界はいつも20分遅れなんだ

君がいなくなってしまってからも
変わらず光は失われる
唯一の違いは
君が別の名前を呼んでいること
愛を
君が今愛している人に向けて
愛を
僕ではない次の人へ向けていることなんだ

そして時はあまりにもゆっくり進む
夜は冷たくそして寂しい
しがみついていちゃいけないってわかっているのに
それでも僕は君から離れることができずにいるんだよ

こうしてまた僕は今日は君のことを考えないようにしようって決めたんだ
けれども僕は今、君の家の戸口に立って
君の名前を呼んでいるんだ、とても動き出すことなんかできなくて

君がいなくなってしまってからも
変わらず光は失われる
唯一の違いは
君が別の名前を呼んでいること
愛を
君が今愛している人に向けて
愛を
僕ではない次の人へ向けていることなんだ
ーーーーー

ベースはオリジナルそのままだときついので今の技術でぎりぎりできるかなというところに調整をしたんだけど、それでもきつかった。。特に速い「ソラシー」の部分と変速リズムの部分。一曲丸ごと歌う時には特に一本録りは厳しく(流れが中断されないミスはそのままにしつつ)失敗したところをあちこちトリミングをしているんだけど、ぶつぶつ切れているつっかかったところはだいたい前述の課題の部分である。速い「ソラシー」は向き的に親指で弾いていたら楽だったんじゃないかと帰宅後気付いたけど後の祭り。そもそも向きを混ぜられないし。。
歌の口が回っていないのも仕方ない。ダレンの英語は乗せにくいのだ。ちょっと聴いてすぐうまく歌えるほど私は英語を使っていない。
色々残念だけど、これが現状。そしてその記録。

さて。前に"I don't know you anymore"でちょっと意味がよくわからないと書いた"The picture frames have changed, so has your name(写真立てと名前が変わった)"の部分の伏線があった。
この曲の内容からすると、おそらく別れたパートナーは新しいお相手と生活しているのだろう。そしてそれを知りながら、それでもおそらくダレンに限りなく近い語り手はかつての相手の街や家を、7ヶ月後や1年後に訪問し、名前を呼んだり会おうとしたりしようとしている、のだよね?????

うーん、ものすごい未練、深すぎる愛着。やっぱり恋愛や人に対するものだとして考えると私の理解を越えてしまう。。ダレンが自身に"madness"とか"monster"とかいう単語を使っているのもこの辺の愛の深さ・強さ・激しさにあるのかな。
そしてやっぱり語り手は大きな混乱や矛盾を抱えている。そしてそれを自覚してもいる("Nothing seems to make sense anymore")。この表現の前には"I don't remember being chained"と言っているんだけど、そのくせ元お相手の家を訪問しているんだよ?????恐怖。そうそう、"being chained"の"chained"と言えば、"Chained to you"に使われていた表現。運命的な出会いをしたはずのファムファタール的な女性と別れてしまって(捨てられた?)、女性はサクッと立ち直り、というか落ち込むこともなく次の生活を始めており、それを知りながらも語り手は未練たらたらで相手を訪ねている(7ヶ月後)、という展開?????(さらにその3ヶ月後にも再訪している曲もある?????)ダレン大丈夫???いや、大丈夫じゃなかったよね。。。

この曲の中では今のところ"steel and granite reminder"や"always 20 minutes late"の部分の文脈がよくわからなかったんだけれども、もしかしたらこれも別の曲などにヒントがあるのかもしれない。

あと、やっぱり"the lights go out the same"で光が生まれる方向ではなく消える方向へ注目しているのもダレンらしいなと感じた。"Affirmation"も"sun rise"ではなく"sun set"だったし。この辺りには親しみを覚える。

似ているところ、違うところ、それぞれだね。


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