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Guitar0930

Savage Gardenの2ndアルバム"Affirmation"に向き合ってみようシリーズ?
今回の課題曲は"Chained to you"。この曲をタイトル避けしていたのはやっぱりロマンスの香りしかないからで、しかもそれが「鎖」的(かたく強く簡単に断ち切れない)ってさらにこわいって思ってしまったから。
切れない繋がりに恐怖を怯えるのは私の背景のせいだろう。一般的には「運命の赤い糸」とか「絆」とかがポジティブな意味合いで使われるけれども、私はこれらも苦手。自由に断ち切れるけれども繋がっていたいと思える相手と、互いに尊重し合いながら繋がりを維持することはできていた、危険のない環境条件下では。しかしもうその環境条件も崩壊した。人間、特に他に危害を加えて構わないと思う、それを隠そうともしない理性を欠いた野獣の群れ、社会はリスクでしかない。

8ビートの連続はまだやっぱり厳しい。均一に刻めないし時々止まったり音が抜けたりしている。あとどうしても別の弦を触ってしまう。でもある意味一定リズムは変速リズムよりは楽な面もあった。しかしダレンの英語は乗せにくい。。


聴いてみて、内容は概ね予想の通りだった。"Break me shake me"に近いところもあるかな。ファムファタール的な相手への強い執着。"madness"という語も共通して出現している。"Break me shake me"では相手、この曲は自身に向けて使われているけれども、両者に共通しているというのが実際のところだと思う。

この曲はいわゆる一目惚れに近い状況で運命的な出会いをした(と思い込んでいる?)語り手が、その異常な?執着について狂気的だと自ら自覚しつつも翻弄され相手に向かっていこうとする様が描かれている。けれども、お相手も初対面で即誘惑的にキスをしているわけで、必ずしもone wayのみの妄想的な恋慕ではない。
私からすればこの関係性は共依存的には成立するだろうけど、凸凹の付き合いになって互いに傷つけ合う結果になるように見える。互いの役割は固定化し、対等な、互いに思いやりつつ維持される穏やかな日々が訪れることはそうそう無い。そして想う側も想われる側も決して満たされることがなく、気持ちが大きくなればなるほど、傷も深くなる、特に想う側が。それでも離れられない。それでも運命だと思ってしまう。いつか変わるんじゃないか、そうしたら本当の運命になる、そんなことを思いながらずるずると消耗が続き疲弊する。
こんな風に考え、「運命の赤い糸?何それおいしいの?」状態の私は、だからロマンスの香りがする曲名に鳥肌注意報が出てしまう。普通に「恋がしたい」とか「結婚したい」とか言って(思って)みたい人生だった。「糸」でも鳥肌なのに「鎖」だなんて、恐怖だよ。。

私はダレンと似ているところがあるけれども、決定的に違うのはここ。ダレンは闇が深くても外に気持ちが向く。愛を、人を、絶望しながらも強く求めている(屈折しているから狂気的な部分もある)。Coccoも外向き。「撃ち殺す」とか「ぶっ殺す」とか言うけど。私は通路が遮断されている。外への道が無い。
「撃ち殺す」と言えば、Coccoは相手(&自分)、ダレンは多分相手はなく自分、私は相手も自分も撃ち殺したくない(対象として銃口が向くのは自分)っていう方向性の差が出そう。なんとなく。

そうそう、この曲は(も?)歌詞にはあまり共感しないけど、サウンドはわりと好みで、しかもこれもCoccoのポップ系のアレンジに近いものを感じるところがあった。年代的なものもあるのかもしれないけど、もしかしたらCoccoの周りでCoccoを支えているチームと、ダレンの周りでダレンを支えていたチームには近いものがあったのかもしれない。
きっとこの頃のダレンは、不安定な時期のCocco並みに不安定だったはずで、おそらくだから会社や周りが総出で彼を繋ぎ止めようとしていたはず。
アレンジを聴いていると、本当にダレンの良さ、ボーカルを活かす形がとられているなと感心する。1stアルバムのギターサウンドとのギャップも大きくて、だからこそ戸惑うところも多かったけど、一曲一曲じっくり聴いて、味わうようになると、確かにこれはこれでありだったのかもしれないと思えるようになってきた。

そんなこんなで野鳥版日本語↓
ーーーーー
皆一人で来ている中
君は僕に話しかけようとしている
大物のように振る舞いマドンナに合わせて踊りそして僕にキスをした
そのことをいつも考えているんだ
甘い誘惑が僕を凌駕して
そのことが頭から離れなくなってしまった
情熱も欲望もあまりに高まっていてもうこらえきれそうにない、だって

君はあまりに魅力的だ
そして僕を屈服させる
熱狂的なファンにさせて
鎖に繋がれているように釘付けにする

君が僕の瞳を覗き込んだ時は緊急事態だったよ
鎖が魔法をかけて君は神秘を超えた存在になった
そして僕は君のことをいつも考えているんだ
この定めは僕の宿命なんじゃないだろうか
そうだよ僕は君のことが頭から離れなくなってしまった
僕にはもう自らハンドルを握れるふりをすることはできない、だって

君はあまりに魅力的だ
そして僕を屈服させる
熱狂的なファンにさせて
鎖に繋がれているように釘付けにする
君はあまりに魅力的だ
そして僕を屈服させる
熱狂的なファンにさせて
鎖に繋がれているように釘付けにする

僕はあの時のことをいつも考えているんだ
僕はあの時のことをいつも考えているんだよ
君のことをほとんど知らないのにそんなの狂ってるって言ってくれていい
皆一人で来ている中君は僕に話しかけようとしている
十歩戻れば君はまだ神秘だった
でも大物のように振る舞いマドンナに合わせて踊りそして僕にキスをした
僕はもう耐えられない、だって
ーーーーー


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