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Guitar1125&26

この時の歌はMatchbox Twentyの"Bent"。いつの間にか半月以上前のことになってしまった。
ロブと再会後、しばらく(先月末)Matchbox Twentyの曲を続けて歌っていたんだけど、音域とロブの歌詞の乗せ方が慣れなくてきついのと、わりと頑張ってベースを追おうとしていたようで全体的に負荷が高く、安定的に歌えているところがあまり無くて、、しっかり聴き直してトリミングをしなければならず、その気力がなかなか出なかった。

音声ファイルの録音編集はデフォルトで入っているボイスメモでしていて、別のアプリを入れれば色々楽なんだろうとは思うんだけれども、私はプライバシー&セキュリティー的に特に無料の野良アプリは極力使わないようにしているし、そもそも「下手の過程を遺す」ことが目的で、「盛り」や「映え」は脇に置き加工はトリミングのみだからわざわざ有料のものを入れるまでもないかな、と。
しかし、ボイスメモだと冒頭と末部、あるいは中程の削除しかできない(カット&ペーストが行えない)から進行は常に一方通行の不可逆的なものになる。そうすると残す部分の選別に心的コストも時間もかかる(同じものを何度も行ったり来たりして聞かなければならない、しかも突っかかってばかりのものを、、)。だからエンジンがかからない。時期心境的にも。

という言い訳はほどほどに、残りの時間で控えている(既に歌った)曲をどうしていくかをそろそろ考えなければならない。現実問題として。

消耗しているのか全体的にあまり声が出ていないね。

野鳥版日本語↓
ーーーーー
もし俺が伸びていたら
起きあがらせて埃を払ってくれないか
もし消耗し過ぎてどうにもならなくなってしまっていたのなら
俺の息になってくれないか、歩けるようになるから
もし俺が他の愛を必要としていることあったらその時は
立ち向かっていける分以上をくれないか
笑顔が凝り固まって消えているような時には
周りで待っていてくれないか、また微笑むようになるから

そんなに複雑なことなんかじゃないだろ
ただ俺を強く抱きしめて、そして
嗚呼、もう一度強く抱きしめてほしいんだ

助けてほしい、俺はへし折られて曲がってしまっているのか?
とても恐れているんだよ、これまで無かったほどに
もう元に戻ることなんかできないんじゃないかって
俺を調教し続けてくれよ
そしてこれが俺たちの終わり方なんだ
君と俺と一緒に、折れ曲がっていってさ

もし俺が眠れない時には、眠ってくれるのか?
俺をよりよく見えるようにしてくれるのか?
俺のニーズに共感してくれるのか?
知ってるよ、君は俺が多くを求めてると思ってるってこと

きれいな状態で始まったはずなのに疲れ果ててしまったんだ
ただ電話を入れて
嗚呼、身体を傷めつけるだけなんだ

助けてほしい、俺はへし折られて曲がってしまっているのか?
とても恐れているんだよ、これまで無かったほどに
もう元に戻ることなんかできないんじゃないかって
俺を調教し続けてくれよ
そしてこれが俺たちの終わり方なんだ
君と俺と一緒に、折れ曲がっていってさ

俺をへし折って曲げてくれよ
君の全てを感じきるまで全然足りないんだ
俺をへし折って曲げてくれ
へし折って曲げてくれよ、俺が完全に破壊され尽くすまで

そんなに複雑なことなんかじゃないだろ
ただ俺を強く抱きしめて、そして
嗚呼、もう一度強く抱きしめてほしいんだ

助けてほしい、俺はへし折られて曲がってしまっているのか?
とても恐れているんだよ、これまで無かったほどに
もう元に戻ることなんかできないんじゃないかって
俺を調教し続けてくれよ
そしてこれが俺たちの終わり方なんだ
君と俺と一緒に、互いに理解し合うことなんかなく着地してさ
地獄だよ、でも俺はまた繰り返すだろう
助けてほしい、俺はへし折られて曲がってしまっているのか?
とても恐れているんだよ、これまで無かったほどに
もう元に戻ることなんかできないんじゃないかって
そう、君が俺を痛めつけているんだよ
そしてこれが俺たちの終わり方なんだ
君と俺と一緒に、折れ曲がっていってさ
ーーーーー

この曲は理不尽環境で痛めつけられ続けた者の視点や状態をよく現している。PVも非常によくできていて若干戦慄する。

映像は冒頭、madな感じで危険運転をしている男の車にロブが跳ねられるところから始まる。
跳ね飛ばされたロブは救助されることもなく(これは待っても助けは来ないという被虐待者の現実そのもの)そのまま道で伸びているんだけど、そこに一人の男が近づいてきて、(足で蹴って起きてこないのを確認した上で)辺りを見回しながらロブの財布を手に取り、中から札だけ抜き取って、財布は投げ捨て去っていく。
その後、ロブは一人で起き上がって(投げ捨てられた財布はそのままに)歩き始める。
すると今度は道すがらチンピラと小突き合いになる。厄介な感じの相手でもあるのにロブも絡んでいったりして("Could you paint me better off? Could you sympathize with my needs?"の部分を相手に言っている。いやいや初対面の相手にちょっとそれは、、と思うけど)ますます面倒な感じになって、小突かれながらも(ロブからは手を出していない)何とかその場は切り抜ける。
そして彼はまた歩き始める、強い逆風が吹く中、飛んできた障害物を払い除けながら。
やがて闇夜が訪れる。歩き続けているロブは暗がりで付けられている気配を察知し、後ろを気にしつつ全速力で駆け出し始める。しかし追いつかれてしまい、水溜りの中に引き倒され、勢いよく飛び蹴りされたりと暴行を受ける(この男が何故ロブを付け狙って危害を加えたのかは謎。物取りですらないから。しかしこういう意味不明な暴力も、被虐待者の日常)。ここでもロブは手を出さず一方的に攻撃を受けている。
暴漢が去った後、起きあがろうとするロブの前にはまた別の男性が現れる。この男性はロブに助けの手を差し伸べているんだけど、その気配を察したロブははっとした表情をして(不信感のかたまりで今度は何をされるのか、信じるもんかという感じ)、男性の手はとらずに自力で起き上がる。男性は半ば呆然としているんだけど、それをよそにロブはまた独りで歩き出す(男性は振り返ってその様子を眺めている)。しばらく歩いたところでロブも一瞬振り返ろうとするんだけど、頭を横に振り、そのまま歩き続ける。
その後、映像は同じ道の昼と夜、そこを変わらず一人歩き続けるロブの姿をしばらく交互に映し出す。
そして最後。日中にまた、冒頭のあのmadな男、madな運転、それを「何だ?」と訝しむロブの表情。
曲はそこで幕を閉じてはいるんだけど、これはループ構造になっていて、そこからまた同じこと、つまり延々と理不尽が繰り返され続けるということの示唆になっている。

理不尽は続くんだよ。日常的に、エンドレスに。何故自分だけが?って思うんだけど、どうしても起こり続ける。抜け出せない。
助けも来ない。誰も信じられない。自分で歩いていくしかない。だって頼りにできる人なんてどこにもいないんだから。いるのは危害を加えてくる人間ばかり。あるいは直接手を下すわけでなくとも傍観者。傍観者だって消極的加害者であることに変わりは無い。たまたま別でそうしてこなそうな人が現れたとしても何の保証も無い。救いの手が自分に差し伸べられることがあるなんて、とても思えない。

端から見れば「被害妄想」だとか統合失調症(旧称分裂病)的な発想なのかもしれないけれども、被虐待者のこういう認識や考え方は(統合失調症とは別で)根拠のないものや妄想では全くなくて、どうしても避けられない環境の中で繰り返された理不尽や暴力、その記憶、具体的な体験の積み重ねによって心身に嫌というほど刻み込まれたものなんだよ。一般には理解されようもないのかもしれないけれど。私にはこの"Bent"の映像は、まさに「あ、(察し)」の世界だった。

物語じみている?作りごとみたい?理解できない?私達の現実は小説や映画よりもよっぽど「奇なり」なんだよ。意味不明。そして残酷で切迫している。残念ながら全て現実の出来事なのだから。フィクションや妄想だったのならどれだけよかったことか。

しかし不思議だったのは、私、この曲のメロディーは多分リリース当時に聞いて覚えていた気がしたんだけど、映像の記憶が全く無かったこと。今回、確認のために動画を見て、「これは、、」となった。
実際には当時見ていたのに防衛のため記憶が消されたのか、それとも「外篭り」の時期に部屋でAFNで音源だけ聞いて知っていたのかは謎。

私の部屋にはテレビが無かったから、私は外から戻って野獣や親がいる時には自分で鍵を取り付けて侵入リスクを多少軽減させた自室に篭ってAFNをひたすら聞いていた。(私と違って野獣の部屋にはテレビがあったし(VHSも)、母親は野獣にはMDコンポもCDも漫画も無条件で買い与えていた。ノートパソコンだって。私はCD雑誌も漫画も自分の小遣いで買っていた。パソコンも自分のものを買い与えられたことなど無かったし、そういえば携帯電話も私の所持については拒絶し続けていたのに野獣にはすんなり買い与えていたんだよな。。)
時期的にはラジオで知った可能性が高いかな。

理不尽って続くんだよ。どんなにおかしいって思ったとしても、現実は変わらない。救いはどこにも無い。

そう言えば、"Bent"は映像は完全にロブ独りの世界なんだけど、歌詞的には相手がいるっていうことも興味深い。
ロブのほうからの依存が強く、彼自身が「with you and me bent(共に折れ曲がった状態になる)」な「終わり方」についても言及しているように、幸せなパートナーシップが安定的に続くようには思えないんだけど。あと、そういう関係や相手に強く依存しているようなところも含めてデフォルトで自傷傾向が身についてしまっているところも伺える。"just breaking the skin"(これは自分)とか"start bending me"とか"keep bending me until I'm completely broken in"(こっちは相手に依頼)とか。破滅願望とでも言うのかな。
ロブもCoccoやダレンのように相手の存在を信じて望んで想定できた人だから、その破滅が相手と結びついている。
私は絶望し世界を諦めて相手を想定できなかったから自己完結型。とっくに壊されているんだから自分は自分で壊してもいいというか(他害は禁忌、なぜなら加害欲にまみれた野獣どもを私は吐くほど忌避しているから。同じ次元に堕ちるくらいなら死んだほうがまし)、危害を加えられたり殺されたりするくらいならそれを避けるために自ら死んでいこうという発想。結果は一緒でしょ?だったらせめて尊厳を維持できたほうがいい。踏み躙られ続けるより。苦痛が続くより早く終われるほうがよっぽどいい。

加えて興味深いのは、この曲にも"breath"が入っていること。普通は当たり前にできるはずの息が、できなくなるんだよ。
あと、不眠についても入っている(If I could't sleep could you sleep?)。

やっぱりロブには再会すべくして再会したんだなと感じる。この時期に。不思議だね。
多分チバさんも同じ。相変わらずROSSO「シャロン」ばかり聴いている。

Savage Garden"Affirmation"(アルバム)歌い直しは、9日に"Crash & Burn"、10日に"Chained to you"を歌った。昨日は"The animal song"を歌っていたんだけど、疲れていたのか最後までいかなかった。今日また続ける予定。



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