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雑記

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#資本主義

主義から共義へ 資本主義と情報共義

ismという言葉、それには限らないが、近代的な外来概念を日本語に翻訳したとき、考え方、というような意味を主義として訳したが、主義とは主たる義でありいわば主観的価値観だと言える。主観的価値観をベースにして社会の考え方を定めるというあり方自体に大きな問題があり、とは言っても価値相対主義の観点からはどの価値観も主観的であり、では一体どのように社会についての考え方を定めるべきだろうか。

ismとcrac

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資本主義の限界を越えるために

ちょっと連載が行き詰まってしまったので、久しぶりに雑記。

資本蓄積のメカニズム

資本がいかに蓄積されるか、ということを考えるのに、価値観という目的があり、それに対する問題意識の具現化としての商品があり、そして方法論として商品の企画、製造方法、販売方法、原料といった様々な要素がある。そして、その方法論を組み込んだ全体としての商品の付加価値を上げるか原価を下げるか、ということで利益の出方が変わって

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リーマン・ショック15年の年に

あと8ヶ月で、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破産申請を行なったリーマン・ショックから15年を迎える。資本主義をどのように理解し、この先どのように展望するのか、ということについて重要な示唆を与えることになりそうなので、その総括を試みてみたい。

リーマン・ショックの概要

リーマン・ショックとは、大雑把にまとめれば、サブプライムローンと呼ばれる低所得者向け不動産融資を証券化したデリバテ

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社会的分業の形成

社会的分業の成立

分業がいかに成立するかについて、スミスの原始社会から連綿と続く社会的分業の系譜では、例えば狩猟や農耕、その道具作り、捌き方など社会的価値観から生ずる問題意識があり、その解決のために仕事の分配がなされるという形が主たるものであったと思われる。それは、人的資源が有限の状態ではうまく機能していたのかもしれないが、貯蓄が発生するような状態、つまり社会的余剰が生まれるような状態となってか

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民主主義を通じた資本の力の等身大化

マルクス批判から一転して資本主義を見てみる。

資本の力が強くなり過ぎている、という感覚は持っており、それはマルクス的な資本蓄積理論もさることながら、個人的には資本による他資本の支配というところに起因しているのではないかと感じている。会計的には他社株は資本の部に計上され、労働を迂回して配当だけが利益として計上される。これについては、労働がそのシェアを求めることができるか、と言えば、理論的には営業利

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マルクス的労働価値説の帰結

昨日マルクス主義批判を行ったが、そんなマルクス主義が魅力的に見えるのは、革命による解決という結論を別とすれば、労働価値説に基づいた経済分析がそれなりに当時の経済状況をよく説明していた、あたかも科学的であるかのようにみえた、ということがあるのだろう。もっとも、単純でわかりやすい構図が本当に現実を説明していたかは全くの別問題であり、結局のところ革命理論が現実の革命を説明しており、経済理論はその理論的根

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マルクス主義と環境問題

こちらで大変興味深い討論が紹介されていましたので、勝手に触発されて記事にしてしまいます。

番組自体見ていないので、リンク先内の討論内容のリンク記事からの推測となりますが、大雑把に言えば、資本主義の限界が環境問題として現れている、という内容であると解釈しました。

マルクス主義の文脈で資本主義批判すれば、環境問題に行き着くのはある種の必然なのでしょう。生産要素が土地・資本・労働からなっており、資本

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新たな信用制度について

信用とは一体何か、と考えると、経済学的には債務の返済能力ということになり、そのために債務残高の逆数としてしか信用は定義し得ないことになる。現状、債務というのは現在支払いができないから金を借りてそれを返す、ということであり、そうなると支払いができない、という時点でもはや信用という言葉からは外れるような気がして、定義的にどうも整合性がないように感じる。

そこでどうすべきかを考えると、いわゆる契約と呼

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民主主義の危機

どこかで書く、と書いた民主主義の危機について書いておきたい。

現在の民主主義の基本は、選挙で選ばれた代表が民意を代表して意思決定を行う、というものであるといえる。しかしながら、その意思決定が民意を代表しているかどうか、などというのは直接確認のしようもなく、”民意”なるものが実際に行使できるのは、選挙によって、選択肢がなんであれ、消極的選択として他の候補者に投票して反対の意を表明する、という非常に

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バリューチェーンの進む道

産業化された資本主義においては、バリューチェーン無くして経済を語ることはできなさそう。バリューチェーンは、サプライチェーンから顧客まで続く価値の連鎖で、理念的には市場を価値の源泉として、そこで顧客を獲得することで、原材料から一貫して流れるチェーンの中で価値を分配する仕組みだといえる。

しかしながら、バリューチェーンが支配的となった社会では、顧客もすでにバリューチェーンの一員であることがほとんどで

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納得の作る社会

納得の作る社会

技術の高度化によって複雑化した社会においては、わかることよりも分からないことの範囲の方が多くなり、そうなると、個々人がどの範囲で納得しているか、ということによって社会が円滑に動くようになるのではないだろうか。多くの人が納得していることに関しては滑らかに動くし、そうでなければどこかで摩擦が発生し、うまく動かないことになる。そして、組織による情報共有というのが強い力を持ち、組織の価値体系により、そこに

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新しい資本主義とエネルギー/環境問題

新しい資本主義とエネルギー/環境問題

新しい資本主義というのは、今ひとつのトピックになっているのかもしれないが、資本主義という感覚自体がすでに古ぼけ始めているのかもしれない、と感じる。
元々、経済学は、資本主義の勃興に伴い、その在り方を規定するために研究が進み、特に新古典派あたりからは定量化が進み、資本の最適配分をどうすれば実現できるのか、ということにテーマが絞られてきたと言える。しかし、いかに経済が資本に大きく規定されているといって

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