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広島文脈の結晶・宏池会の源流5
これまでの流れは、
明けて昭和33戊戌年(1958年)、1月1日に欧州経済共同体と欧州原子力共同体が設立された。57年末にはフランスに続いてベルギーやスウェーデンでも原発建設が始まっており、ヨーロッパは本格的に原子力時代に入ろうとしていた。一方中東では、2月1日にエジプト共和国とシリア共和国が合併し、アラブ連合共和国が建国され、それに対抗する形で2月14日にイラクとヨルダンによる連邦国家、アラブ
広島文脈の結晶・宏池会の源流3
これまでの流れは、
前回一つ書き漏れたが、昭和29甲午年(1954年)5月11日に内閣諮問機関として原子力平和利用準備調査会が設置されている。これに先立って2月、原子力研究開始の可否について公聴会が開かれている。そして、3月の予算で原子力予算が2億5千万円計上された。これは、通産省の予算であり、通産大臣は愛知揆一、大蔵政務次官から1月に通産大臣に横滑りしており、さらに父親の敬一は物理学者でアイン
広島文脈の結晶・宏池会の源流2
今度は外交・原子力政策を軸にして宏池会を見てみたい。
これまでの流れは、
宏池会の話に入る前に、広島原爆投下から戦後の核をめぐる動きのところをもう少し詳しくみておきたい。
アメリカの原爆開発についてみると、まず、ルーズベルトは大統領就任直後にボーイングを含んだ総合飛行機会社を三分割し、ボーイングは機体製造の専業となり、創設者の手を離れて軍事企業として動き出していた。のちにアイゼンハワーが指摘し
フィギュアスケート隆盛の政治的背景
北京オリンピックが始まり、このところ日本のお家芸のようになっているフィギュアスケートにも、当然のことながら注目が集まっている。このフィギュアブームは92年アルベールヴィルオリンピックでの伊藤みどり選手によるトリプルアクセルの成功、銀メダル獲得が一つの起点となっているといえる。このフィギュアスケートブームというものを、国際的文脈の中でとらえてみたい。
今から20年前に開催されたアルベールヴィルオリ
オリンピック 名古屋からソウルへの事情
明後日9月30日は、名古屋が有力視されていたオリンピックがソウルで開催されることが決まって40年目に当たる。その背景には一体どんなことがあったのだろうか。
大平内閣の本質三木内閣の後に、福田赳夫が2年後に大平に総理を譲るという大福密約で1976年の末に内閣を組んだ。その2年後1978年に約束の大平正芳への禅譲の時期が来るのだが、福田の芝居じみた行動によって何が本筋だったのかが非常に見えにくくなっ
オリンピック−ロシアドーピング問題の根源はどこに?
コロナ禍の中、2020(2021)年(ここでは西暦で統一することにする)東京オリンピック・パラリンピックは、一応何事もないかのように終わった。その東京オリンピックで、一つ特徴的だったのが、ロシアの選手団だ。2014年のソチオリンピック以来、繰り返し指摘されたドーピング問題によって、国としての選手団派遣ではなく、ロシアオリンピック委員会の編成した選手団で、国旗・国家を用いない個人としての参加となった
もっとみる金融ビッグバンの国際的文脈
金融債、というか長信銀が以下にして表舞台から姿を消したか、ということを見るのに、様々な要素はあるのだが、98年の金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(金融システム改革法)の成立による、いわゆる金融ビッグバンの影響を見過ごすことはできない。この法律は、様々な金融制度改革を一括して行ったもので、それ自体に長信銀や金融債に直接関わる項目はないとはいえ、この法律によって金融制度をアメリカの
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