記事一覧
先日、Audiostockに私の制作した楽曲を登録しました。
https://audiostock.jp/audio/1268058
近日中にこの楽曲の制作過程について書こうと思います。
ボン・ジョヴィとGFRを繋ぐミッシング・リンク STARZ
1976年にデビューしてアルバム4枚を残した、ニューヨーク出身のスターズというハード・ロック・バンドをご存知だろうか。
当時、全米Top40に入るシングル・ヒットも出したが、本格的なブレイクには至らないまま解散。だが、80年代にビッグになったボン・ジョヴィ、モトリー・クルーといった後続のメタル・バンドに先達としてリスペクトされたハード・ロックとパワー・ポップを繋ぐ音楽性は、時代を先取りしていた。
世界が公平だなんて誰が言った? ホール&オーツ / モダン・ポップ
再ブレイク前夜のアルバム
モダン・ポップ(原題:X-Static)は、80年代を席巻したロック&ブルー・アイド・ソウルのデュオ・チームが、1979年に発表したアルバム。
本作からは「ウェイト・フォー・ミー」のスマッシュ・ヒットを生んだが、ホール&オーツとしてはセールス的に低迷期の作品とされる。と言うのも、このチームは次の作品、モダン・ヴォイセズ(Voices)を皮切りに、半端ない黄金時代を迎え
原点回帰か、レイドバックか Queen / The Works
Hot Spaceの不発で生じた迷い
何事にも過剰で程々を知らないバンド。それがクイーンだ。やり過ぎなぐらいで良しとするその姿勢は、加齢とともにレイド・バックして行く姿を想像できなかった。
そんな際どいポリシーがどこかで臨界点を迎えるのもまた必然だった。飽くなき挑戦を続けるバンドが、Hot Space(1982)で試みたファンク・ディスコ路線。それがファンから不評を買った事は、前回の記事で触れ
らしさと、らしくなさの狭間で Queen / Hot Space
異色のアルバム Hot Space
Hot Spaceはクイーンのディスコ・グラフィの中でも、とりわけ異彩を放つ1枚として知られている。理由ははっきりしていて発表当時のディスコ、ファンクの要素を大胆に取り入れた音楽性が「らしくない」と、ファンの不評を買った経緯があったからだ。
とは言え、筆者自身は発表当時から結構気に入っていたし、今もその印象は色褪せていない。よく言われる「クイーンが進むべき方
まだ私の歌声が聞こえていますか
本日、公開予定だった題材が纏まらないので、別の話題で書こうと思います。
リンダ・ロンシュタット / サウンド・オブ・マイ・ヴォイス
先週から公開されているこの映画、私の周辺でも観に行った方が何人かいて、概ね好評の様です。
自分もこの公開期間中に、何とか映画館に足を運びたいと思っていますが、未見ながら少し思うところがあったので、書こうと思います。
この映画のタイトルが、彼女がカバーしたグレン
モーニング・ページが可視化するジャンク思考
毎朝、続けている習慣
毎朝、モーニング・ページという習慣を続けている。昨年の秋に始めたので、もう半年以上になるだろうか。
まず、この記事を書く前に、noteで "モーニング・ページ" を検索してみた。やはりと言うか、noteで投稿する方には、それなりに浸透している様だ。たくさんの記事が出て来た。
なのでモーニング・ページの紹介は、最低限に絞って書こうと思う。ご存知の方には、読み飛ばし推奨の部
初めて買ったLPについて A Day at the Races / Queen
フランク・ザッパが初めてではない
noteが募集するテーマ「はじめて買ったCD」で以下の記事を公開してから、何だか引っ掛かっていた。
媒体はLPでも、CDでも、カセットでも何でもいいけれど、初めて音楽パッケージを買う経験は、その人にとって何かしら特別な事だと思う。そんな「初めて」にまつわるストーリーが、このテーマの意図だったのではと想像する。
ザッパのCDを買った経験は自分なりに特別ではあっ
初めて買ったCDはFrank Zappaだった
本格的なCDの普及には少し早い1986年、とある渋谷のマンションの一室に店舗を構えた某ショップで入手したこの1枚こそ、自分が初めて買ったCDだ。
Apostrophe (') / Over-Nite Sensation
今回は作品の内容に触れない。ただ簡単に言うなら、2枚ともとっつき易い作品なので、初めてザッパを聴いてみたい方にはお勧めだ。
なお、当時はLPより長いCDの収録時間を利用して、
ロックとSFの関係 Deep Purple / The Mule
ロックとSFの相性の良さ
60年代から70年代初期にかけての黎明期だった頃のロックは、ある意味SFとの親和性が高いと思っている。それは、ダンス・ミュージックだった50年代までのロックン・ロールには無かった要素だ。
ロックが、ロックとして成立する過程で、ロックン・ロールの歌詞には無かった文学性や、イデオロギー的な要素が加味される様になって行った。最初にそう仕向けたのはボブ・ディランだと思うけど、
書評:プラチナ・ディスクはいかに生まれたのか テッド・テンプルマンの音楽人生
キャリアを俯瞰した内容
ドゥービー・ブラザーズや、ヴァン・ヘイレン他、多くのビッグ・アーティストのアルバムを手がけた稀代のプロデューサー、テッド・テンプルマンが自身の半生とキャリアを回想した語り下ろし本。
聞き手はグレッグ・レノフ氏。ヴァン・ヘイレンのデビューまでを関係者への圧倒的な量のインタビューと、丹念なファクトの積み上げで検証した「ヴァン・ヘイレン・ライジング」の著者だ。また、その取材で
The WhoのBaba O’Rileyのタイトルが暗示するアイルランドの要素
名実ともにThe Whoの代表曲
The Whoの最高傑作とされるアルバム、Who's Nextのオープニング1曲目を飾る、Baba O’Rileyという曲がとにかく好きだ。あらゆるロック曲の中で個人的なベストを一つだけ挙げろと言われたら、躊躇なくこの曲を選ぶだろう。
そんな自分の思い入れは別にしても、今なおライブの定番曲であり、各種の編集盤にも必ず収録されている。名実共にバンドの代表曲だと言
The Doobie Brothers ソロ・ワークス<マイク・マクドナルド編⑤
3年ぶりにリリースされた新作
Take It to Heart(1990年)から3年後の1993年、ソロ4作目となるBlink of an Eyeがリリースされた。
ここに来てテクノロジーの使いこなしも洗練され、2ndからのサウンド志向も落ち着きを見せた。そのぶん、歌をじっくり聞かせる作風が戻って来たと感じさせる。結果、Sweet Freedomの様な知名度こそないものの、本作には新たな代表曲