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モーニング・ページが可視化するジャンク思考

毎朝、続けている習慣

毎朝、モーニング・ページという習慣を続けている。昨年の秋に始めたので、もう半年以上になるだろうか。

まず、この記事を書く前に、noteで "モーニング・ページ" を検索してみた。やはりと言うか、noteで投稿する方には、それなりに浸透している様だ。たくさんの記事が出て来た。

なのでモーニング・ページの紹介は、最低限に絞って書こうと思う。ご存知の方には、読み飛ばし推奨の部分になる。次いで、モーニング・ページをやっていく中での、自分の気づきを書いて行く。こちらがメインだ。


モーニング・ページとは何か?

まず専用のノートを用意する。そのノートに毎朝起きてからすぐ、頭に浮かんだ事をランダムに書き連ねる。内容に制限はない。何を書いてもいいが、分量は決められていて、毎朝3ページ分。

たったそれだけだが、これをやる事で頭の中がすっきりする。何となくモヤモヤした気分を抱えながら一日のルーティンを始める、と言う事がなくなった。そんなモーニング・ページの効果を、瞑想に例える向きもある。

この「起きてすぐ」というタイミングは、まだ頭脳が覚醒し切っていない。前頭葉の働きが鈍いその状態で、頭の中にある事をどんどん書き出す事に意味がある。

ルールはシンプルだが、自身がその時点で抱えている懸案事項、怒り、悲しみ、不安、悩みなど、いろんなを物事を整理、把握するのに非常に役立つ。自分が心の中で望んでいても、表層では意識していなかった事があれば、その気づきも得られる。

そもそもは、アメリカの作家・脚本家である、ジュリア・キャメロンが書いたこの本で、主要なメソッドとして紹介されているものだ。

本書は主に芸術家、創作活動を生業とするクリエイター、および、それらを志す人に向けた内容ではある。だが、どんな職種であっても、そこにクリエイター的な役割を見出せる人なら、誰にでも有用な本だと思う。

次にモーニング・ページを実践する中で、自分が得た気づきを書く。


意外と断片的な自分の思考

例えばnoteで記事を書く時、何となく構想はあるのに、文章にまとめようとして意外に苦労するケースは多いと思う。

あらかじめ自分の中で充分な対象化、論理化が出来ている場合は別として、もともと人間の思考とは、文章の様に整ったものではない。そうなるのは、むしろ自然なことだと考えている。

そんな、文章として論理化される前の、断片的な思考の数々。筆者はそれをジャンク思考と勝手に名付けている。


ジャンク思考を可視化する

頭の中で生まれては一瞬で消えて行く、思考の断片。それが、ジャンク思考だ。だが、そんな断片に過ぎないものが、時として自分の中で既成事実の様になっている。結果として、自由な発想を妨げている事がある。

モーニング・ページを始めて暫くした頃、そんな自分の「考え」が、初めてノート上の文字になって可視化された。それで、その事に気づいたのだった。

頭の中に散らばった思考の断片。それを繋げたものを見せられた気がしたのだ。これはパソコン用語に例えるなら、思考のデフラグだと言える。

可視化された事で、自分が実はこんな事を考えていた、こんな事に煮詰まっていた、など気付かされる事が多々あった。モーニング・ページをされている他の方の記事にも、同様の経験が書かれている。


ジャンク思考を把握できない理由

いきなりの結論になるが、それは、人間の思考するスピードが意外に早いという事に尽きる。他ならぬ自分が考えている事なのに、一瞬で消えてしまう思考は、一瞬であるがゆえに自身でも把握しきれていない。

にも関わらず、それが自分の中で思いこみや、固定観念になっているとしたらどうだろう?もし、自身の成長のため踏むべきステップの障壁になっているとしたら、やはり問題ではないか?

では、それがモーニング・ページだと可視化されるのは、なぜだろう。


モーニング・ページの利点はクロック・ダウン

もし、この一瞬に自分が考えている内容を、余さず紙に書き出そうすれば、とても右手の動きが追いつかないだろう。思考のスピードに比べると、手で文字を書くスピードは圧倒的に遅いからだ。その落差は、文章を書く習慣のある方なら体験的に理解していると思う。

それをモーニング・ページでは、敢えてやっている。

その際、一瞬の思考が消え去るのに任せず「ちょっと待ってて下さい」と、思考をスピード・ダウンさせる必要がある。脳のCPUクロック数をあえて落とすのだ。その間に、右手の動きでテキスト化していく。この思考のスピード・ダウンこそ、モーニング・ページの肝の一つだと考えている。

テキストに起こす間だけ、自分の思考をフリーズ状態に置く。このステップを邪魔されずに可能なのが、朝起きて一番の、まだ脳が覚醒し切ってない状態なのだ。

なまじ脳がちゃんと機能していると、理性の働きで無意識のうちに自分の思考を取り繕ってしまう。結果、書いてはみたものの、なにか違うとなってしまう。自分も試して見て、やはりそうだった。


思考の排水行為

モーニング・ページの本質の一つは、理性で自分の思考を取り繕わないことにある。それを書き出すことは、脳内に溜まった汚水を排出する行為に他ならない。

モーニング・ページを補完するサブ・ルールの一つに、書き始めてから最初の数週間は自分でも読み返さないこと、と言うのがある。自分の心の内をさらけ出すのに慣れないうちは、自分が書いているものを意識しない事も必要なのだ。

もし、これを読まれて興味を持たれた方がいれば、早速初めてみる事をお勧めしたい。


ピート・タウンゼントも絶賛

音楽の記事をメインしている関係上、触れないわけには行かない(笑)

この自伝で、ピート・タウンゼントは前述のジュリア・キャメロンの著書を絶賛している。

自分の創造性に弾みをつけようとしたとき大いに役に立ってくれたのは、ジュリア・キャメロンの「ジ・アーティスト・ウェイ(原書タイトル)」という書物だった。二十冊買って配ってまわったほどだ。

ピート・タウンゼント自伝 フー・アイ・アム P401

なお、筆者がこの事を知ったのは、オタキングこと、岡田斗司夫のYouTubeチャンネルだった。岡田さんご本人は音楽の事に詳しくないそうだが、その情報収集力と、フラットな情報の評価能力は凄いと思う。

Fin

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