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褒美か?罰か?脳内物質から見た演技
芝居の登場人物は究極の状況の中で、決断と行動を迫られます。ロミオはジュリエットに会うため、敵対するキャピュレット家の庭園に捕まったときのリスクをかえりみず忍び込みます。そうした状況下にいるキャラクター、つまりそれを演じる役者は、ただならぬ高揚感、切迫感、焦燥感を抱いており、観客はその鬼気迫り臨場感のある演技を観て心動かされるわけです。俳優はそうした役が経験しているだろう特別な感情や感覚を体験しな
もっとみる自己紹介:マイケルチェーホフ演技テクニックの演技講師になった理由
初めまして東京を拠点に活動している演技講師、演出家、役者の秋江智文と言います。中でも演技講師という活動をとても大切にしています。一言に演技といっても様々な手法やアプローチが存在します。私はその中でもマイケルチェーホフ演技テクニック(以下チェーホフテクニック)という手法を専門で教えています。
このテクニックは20世紀を誇る役者であったマイケルチェーホフが考案した演技メソッドで、直接の教え子には「
感情と身体感覚のリンク:からだことばを使った演技トレーニング
「あのデアゴスティーニが喉から手が出るほど欲しい。」、「店員は鼻息を荒くして期間限定商品を勧めてきた。」、「彼の指摘を聞くのは耳が痛い。」などの文章は、実際には体は動かしてないけれど、感覚や内的な動きを通して意味を生んでいます。私たちはそれを頭だけでなく、身体感覚を通して直接的に知ることができます。
こうした身体と心がつなげ意味を作り出している慣用句をからだことばと言います。こうした慣用句で私た
ベーシッククラス「演技の使える基礎作り:理論から実践」
演技で悩む俳優は、「基礎を知らない/習ったことがない。」、「メソッドはなんか聴いたことがあるけど使えない」、「色々やったけど、何が基礎かが分からない。」ということを言います。こうした基礎がないということで俳優は不安で悩み続けます。
このベーシッククラスのテーマは「演技の使える基礎作り:理論から実践」です。演技の土台を求める俳優のために、演技に必要な基礎、その応用方法、実践まで学びます。またで
3日間集中インプロ・演技ワークショップ~ 演技のための即興、即興のための演技~
一瞬のひらめきや反応から生まれる表現はとてもクリエイティブで個性的です。今、まさに目の前で起きる即興的な表現に観客は感動し、やっている本人でさえも自分のパフォーマンスに驚きさえします。
スタニスラフスキーシステム、チェーホフテクニック、マイズナーテクニックなどの演技トレーニングの目的には、「今、ここで」の表現を生み出すための即興力の向上もその中に入ってきます。また即興(インプロゼーション)は、キー
真実は心と身体のどちらからやってくる?
映像や舞台の世界の中で自分が演じる役が、その存在を違和感なく信じられることは、どのようなジャンルや作品にやるにせよ、必要になってきます。演じている本人にもとっても、観客からも役が生きていると信じられる演技を「真実」であると形容されます。外からも内からも演技が真実であると作品を楽しむことができます。
ではそうした「真実」と言われるような演技にはどのようにたどり着けばいいのでしょうか?またそうした
伝え方で演技は変わる
「演技の学び場」の意図
日本では演技の指導方法は確立されていない。ほとんどの指導者が、かつて先輩や演出家に言われたこと、日々の研鑽で発見したことから、自らの教授方法を確立していっているんだろうと思う。そして日本には演技書はたくさんあるけど、私の知る限りでは演技講師のための教材がない。(洋書では講師のための本はある。)しかし演技を教えたり学んだりすることは、演技レッスンだけでなく、現場や稽古場に
演技は人から学べない、演技は自分の体から学ぶ
演技は人からは学べません。演技はクラシックバレエ、日本舞踊、狂言などとは違って型ややり方がありません。そうした伝統的な表現には、初心者のレベルともなれば、その技術には明確な間違いがあります。
けれど演技は他の役者や先輩を真似てみても、何か不自然で表面的な表現になってしまいます。また先輩や演技講師から、言い回しや動き方を教えられても、そこに自分なりの意味を見つけないと、中身のない表現になってしまい
能力を妨げ、誤解を生む演技の「癖」
セリフを言うときに前のめりになる、演技をしていて肩に力が入ったり瞬きが多なったりする、相手から目線を外してしてしまうなど、どの俳優には必ず多かれ少なかれ癖があります。また決まったパターンの演技をしたり、言い回しに頼ったりするのも俳優にとって習慣化した精神的な癖と言えるでしょう。
ここでいう癖は、朝は早起きして読書をしたり、何の苦も無く常に深い呼吸ができたり、相手と自然と目を見て会話できるといっ
役の力関係「ステータス」
関東を中心に演技を教えている秋江智文です。専門はマイケルチェーホフ演技テクニックですが、どんな俳優でも必要だと思う、演技の基礎についてお伝えしていきます。
芝居におけるステータス
王様が信頼していた家臣に裏切られる。馬鹿にしていた部下が出世して追い抜かれ逆の立場になる。子どもだと思っていた息子に助けられる。
芝居の登場人物にはステータスが与えられ、これが芝居中に逆転したり、人に譲ったり、
【大阪開催】マイケルチェーホフ演技テクニックWS役作り:想像力で構築するキャラクター
マイケルチェーホフ東京の代表の秋江智文です。大阪の一心寺シアター俱楽さんの協力で9月17/18/19日で、劇場を使用しての3日間のWSが行います。
今回のレッスンのテーマ「想像力で役を構築する」ですが、3日間という限られた時間の中で「家や稽古場で行える、想像力を使った効果的な役作り」に取り組みたいと考えています。
そのためにWSでお伝えすることは、大まかに「普段のトレーニング」、「役を体で探
小規模でもできる講師とクラスを結ぶ「ハイブリッドオンラインレッスン」の可能性
コロナによってのもたらした良い点の一つは、オンラインでの可能性が大きく広がったことだと思います。
継続的な演技のレッスンを届ける団体「マイケルチェーホフ東京」の代表として、2020年4月から緊急事態宣言が発令された当初から、様々なレッスンや講演をオンラインで行ってまいりました。こうしたオンラインでの企画は遠方からの参加ができ、自室でできる気軽さなどの利点がある一方、空間の制約、パートナーの欠如
「今ここにいる」意識を高める~俳優のための演技の基本『集中の円』~
東京で演技講師、演出家、俳優をしている秋江智文と言います。マイケルチェーホフ演技テクニックを専門で教えています。
ここでは演技初心者の方に分かり易く、演技のイロハをお伝えできればと思っております。
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演技をしていて自分のセリフや動きに必死になって周りの人やものを忘れてはいませんか?
この集中の円(注意の輪)は、俳優が相手やものに集中して「今