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【大阪開催】マイケルチェーホフ演技テクニックWS役作り:想像力で構築するキャラクター

 マイケルチェーホフ東京の代表の秋江智文です。大阪の一心寺シアター俱楽さんの協力で9月17/18/19日で、劇場を使用しての3日間のWSが行います。
 今回のレッスンのテーマ「想像力で役を構築する」ですが、3日間という限られた時間の中で「家や稽古場で行える、想像力を使った効果的な役作り」に取り組みたいと考えています。
 そのためにWSでお伝えすることは、大まかに「普段のトレーニング」、「役を体で探求する」、「即興を使う」ことです。これらは程度の差はありますが、一人でもできますし、役者仲間とも使うことができます。

なぜこのテーマなのか?


 どうしても本番のための稽古だけでは、稽古の初めからある程度の役の成果や完成の片鱗が求められ、探求やトライ&エラーもなく、俳優はすぐに正解を探すようになってしまいます。結果、演じる役はどこか見たことがあるようなものになってしまい、内面を信じて独自性のある役を見つけることが難しくなってきます。次々迎える公演の連続では、毎回どうしても似たような演技になってきます。
 そこでいかに自分の想像性を使って、よりユニークで、内面から演じられ、そして自由な演技ができるのかを探求したいと思いました。

2019年に行われたWSの様子

日常的な訓練「通気性の良い体をつくる」

 私は、体の内側で起こっていることが、外側つまり身体的な動きや仕草や声にすぐに変換できることを「通気性のよい体」と言っています。こうした体は役者に欠かせませんが、これは日々の研鑽なしでは得られません。音楽家が毎日に稽古するように、役者も日々のトレーニングが必要になります。
 マイケルチェーホフテクニックでは、サイコフィジカルエクササイズ(心と身体を調和させるエクササイズ)があり、それを毎回レッスンでは使っていきます。WSで伝えるエクササイズは、自主稽古でも仲間内の稽古でも使うことができます。

2022年1月のWSの様子


役を体で探求する

 役は多面的に構成されていると考える必要があります。関係性、目的、行動、容姿、役のヒストリーなどの様々な要素が複雑に組み合わさっています。役を多面的にとらえることで、より生きた人間として役を演じることができます。また、こうした要素は机に向かって考えているだけでは役を演じることにはつながりません。チェーホフテクニックの基本は、「足」を使うことをモットーとしています。つまり頭だけでなく体全部を使って多面的な役を体験し探求するということです。こうした役の探求方法を「アクティブアナリシス(能動的読解)」と言い、より実践にむけた効率的な稽古ができます。こうしたアクティブな探求をチェーホフテクニックを使い行っていきます。

2022年1月のWSより

想像力で役を見つける


 チェーホフテクニックの特徴の一つは、役は自分と「違う」ということから出発します。自分の過去やアイデンティティーを役に投影させ、役と自分を「同一化」は基本しません。
 そうした自分とは違う役は、想像力によって見つけられます。小説を読んで、見たことも聞いたこともないような人を想像するように、役を捉えていきます。こうして想像力を使って見つけた役は、自分でも思いもしなかったようなユニークな役になるのです。
 そしてテクニックにはイマジナリィボディ(想像的身体)、イマジナリィセンター(想像的核)などがあります。

2022年1月WSより

即興を使う

 台本のセリフをすぐに使ってしまうと、どうしてもありきたりな言い回しに頼り、表面的な表現をしてしまいます。そのためにまず自分の言葉でセリフを置き換えて話してみることで、より内容を理解して話すことができます。また芝居に登場しなかった場面や、複雑な関係性などを抜き出し即興で演じることで、体を通して理解できます。即興はこういった意味で、より役に近づけるツールになるのです。そして想像力を使って見つけた役を試すこともできます。

 想像力は無限の可能性があります。今回は、本番の公演にむけて家や稽古場でできる役の構築を学んで行きます。

ワークショップ詳細

【受講料】
17日のみ  6000円
17・18日 10000円
3日間通し 15000円

【定員】
12名

【日時】
9月17,18,19日11:00~17:00
※途中休憩あり

【場所】
一心寺シアター俱楽

【申し込み】
HPのAPPLICATIONからお申し込みください

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