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がん と 生きること

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#乳がん

私は役に立てない がんサバイバーと献血

私は役に立てない がんサバイバーと献血

新型コロナウイルス感染症の影響で、献血が不足している。

献血は、いつも不足している。さまざまなところに献血車が出向き、知恵を絞ったPRが行われている。私は輸血のお世話になったことはないのだけれど、がん経験者としても輸血用血液の重要さはとてもとても理解しているつもりだ。でも、これまで一度も献血をしたことがなかった。

高校生の頃、1年に2度ほど献血車が来ていた。文字通り血の気が盛んなお年頃だから、

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【コラム】医療者に性・セックス・性生活に関する相談をするときの心得

【コラム】医療者に性・セックス・性生活に関する相談をするときの心得

※今からお伝えすることは私(看護師)の経験からの一意見です。

「医療者に性に関する相談をするときの心得」とえらそうな題名をつけてしまいましたが、ラフに、でもお時間あるときにぜひ一読していただければ嬉しいな思います。

本来ならば患者さんが医療者に対して「これって聞いてもいいのかな」と遠慮することは、できれば避けなくてはなりません。

しかし「忙しそうだな…」とか「なんだか威圧的!」とか「このタイ

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冬のイルミネーション

冬のイルミネーション

これは2014年頃に、ある文学賞に応募しようと書いたものです。神戸ルミナリエが始まったニュースを見て、日の目を見せることにしました。

「なんかさ、最近、いきいきしてるよね」
「そう? たしかに毎日、楽しいもんなあ」
「やりたかった仕事に就くと、そういうもんかねえ」

朝食をとりながら、夫は一人で納得している。確かに風邪を引くことが少なくなったし、会話も明るくなった。けらけら笑うことが多くなった。

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【勉強会報告】「患者さんの思いを知ろう」

【勉強会報告】「患者さんの思いを知ろう」

11月16日(土)にOLAS for cancer survivorの初めての勉強会「明日から使える基礎知識!がん患者のセクシュアリティを支援する」を開催しました。

約30名の方にお集まりいただきました。皮膚・排泄ケア認定看護師や婦人科外来に務める看護師をはじめとして、乳がんや婦人科がんサバイバー、企業の方もいらっしゃいました。

医療者でもありサバイバーでもある方が多数参加されており、がんとセ

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「デス・カフェ&俳句」に参加してみた!

「デス・カフェ&俳句」に参加してみた!

歌人の堀田季何さんが「デス・カフェ&俳句」を開催されるというお知らせが飛び込んできました。ちょうどデスカフェについては、「死を語り巡るカフェ デス・カフェ@東京」さんと知り合い、興味もあったので参加したい、その後は取材して記事にもしたいと考えていたところ。日程が合わずにモタモタしていたけれど、「デス・カフェ&俳句」の日は偶然にも空いていたので、参加することにしました。ただ語りあうだけではなく、俳句

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死にかたは、生きかた。選べるんなら選ぶ

死にかたは、生きかた。選べるんなら選ぶ

誰にでも訪れるのに、ほぼ選べないのが「死」で「死にかた」だ。選ぶとしたら自死、安楽死、尊厳死、緩和的鎮静…。幡野広志さんの発信からこういった言葉が“実在するもの”として出てきたように思う。

「健康のためなら死んでもいい」この言い回し、いつ生まれたのだろう。タイトルにした書籍もあるし、なんとも皮肉というかシニカルなジョークだ。ジョークとして使うのは、それが「本末転倒」だからだろう。

・健康は生き

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ぱっと見でわからない障害を抱えた器で生きている人の埋み火
~「半分青い」の耳の話とがんサバイバー~

ぱっと見でわからない障害を抱えた器で生きている人の埋み火 ~「半分青い」の耳の話とがんサバイバー~

2018年上半期のNHK連続テレビ小説「半分青い」が大好きだった。完全に私の時代(主人公と1歳違い)なので、主人公がどんな人生を歩むのか、時代の描き方はどうだろうとか不安と期待でパツパツになりながら夢中で見たし、気になった回は録画して残したほどだった。朝の連ドラで現代ものは成立しにくいというか、共感できないというか…難しいものが多かったけれど、2013年上半期の「あまちゃん」がその壁を突破したと思

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