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半世紀前から普通の人生に挑戦した車椅子おばあちゃんの物語

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語1~58
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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑤

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑤

採用!普通のOL生活が始まった

それからしばらく日にが過ぎて
「今日、先方の所長さんがちょっと会いに来るそうだから、
部屋で待機していて」
と、担当指導員から言われて
いつ呼ばれるかとドキドキ緊張しながらベッドの上で待っていると

「あ、どうも、こんにちは、はじめまして、」

スラっと背が高く、色白で、大きなぱっちりお目目の30代くらいの
素敵な男性が部屋に入っていらっしゃいました。

「こんに

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑮

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑮

京都、沖縄、スキー!

Tちゃんと京都旅行へ行き、奮発して観光タクシーをチャーターしました。
観光タクシーの運転手さんは少しご年配の方でしたが、
とても親切にしていただきました。
化野念仏寺では、車椅子では回れないからと、ずっと私をおんぶして
あの石仏群の中を歩いてくださいましたし、
金閣寺では、急な坂道を一生懸命車椅子を押して案内してくださいました。
帰りにホテルまで送っていただきましたが、

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑯

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑯

さらば、わが青春の職場

さて、
よく働き、よく遊び、よく旅をしました。
旅の思い出は、きれいな景色とか、美味しいグルメとか
も、ありますが
私の旅の一番の思い出は
一緒に旅をしてくれた友人や
旅先で声をかけて頂いた方
助けて頂いた方
そういう方たちとの触れ合いです
それらがたまらなく好きで
たくさんの元気をくれます!

普段の暮らしの中でのちょっとしたお出かけも
私には、一人では出来ない事ばか

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㊶

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㊶

「これは、ちょっとやばいかも」


春休みには母と娘たちと私の運転でドライブ小旅行、
GWには一度大渋滞にはまって懲りてからは近くの公園でピクニック、
この頃の二女の作文には
「ちっぽけな木の下でお弁当を食べました」
と書かれていて、担任の先生に褒められました
夏休みの家族旅行、秋の運動会、毎年恒例、軽井沢の紅葉、
クリスマスのディズニー、お正月の集まり、
バレンタインのチョコ作り・・・
どの季

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㊷

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「はい、お電話ありがとうございます」


数日後、教えて頂いたコインパーキングに車を停めて、近くのビルに入っていきました。
入り口の段差にはスロープがかけてあり、エレベーターに乗って一人で現場までたどり着くことができました。
ドアを開けると一段段差がありましたが、そこにもスロープがありました
担当者の方のお話では、数か月後にほかの場所で新しくコールセンターを
オープン予定で、オペレーターを大量募

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㊻

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「はい、ごもっともでございます」


せっせとお仕事探しにハローワークへ通っていたら
ある日、障がい者職業相談担当の責任者の方が
「こんな求人、うちでも出してるんだけど、どうですか」
と一枚の求人票を見せてくださいました
「職種:専門援助部門職業相談員」
フルタイムの3年契約、嘱託職員、
お給料は時給750円とは比べ物にならないほど
夢のような金額が書いてありました
いやいや、こういうお仕事はそ

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㊼

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「やっぱり、もう限界かな」


この職場もいろいろエピソードは尽きません
相談員さんは女性が多かったこともあり、子育て、家庭の不満、
恋バナやら、派閥やら、ランチタイムの話題には事欠きません
ドラマに出てくるような、ごくごく普通の毎日です。

ただ、普通でないのは17:30終業のチャイムが鳴った後です
就業時間になるとチャイムの音とともに私の席にガードマンさんがお迎えに来てくださいます。
裏口の

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